「北風型」リーダーと「太陽型」リーダー。“残業が多い”チームのリーダーは?
『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)の著者である石川和男さん。石川さんは、建設会社総務部長・大学講師・専門学校講師・セミナー講師・税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパービジネスパーソンです。そんな石川さんに「残業しないチームと残業だらけチームの特徴」についてお聞きしました。
プロフィール
石川和男(いしかわ・かずお)
建設会社総務部長、大学、専門学校講師、セミナー講師、税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。大学卒業後、建設会社に入社。管理職就任時には、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ダメ上司。一念発起し、ビジネス書を年100冊読み、月1回セミナーを受講。良いコンテンツを取り入れ実践することで、リーダー論を確立し、同時に残業ゼロも実現。建設会社ではプレイングマネージャー、専門学校では年下の上司の下で働き、税理士業務では多くの経営者と仕事をし、セミナーでは「時間管理」や「リーダーシップ力」の講師をすることで、仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。最新刊の『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)ほか、『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)など、勉強法、時間術などのビジネス書を6冊出版している。
あなたは太陽型リーダー?北風型リーダー?
イソップ寓話に「北風と太陽」という話があります。
北風と太陽のどちらが旅人のマントを脱がせられるか勝負をします。北風は力いっぱい吹き続け、旅人のマントを吹き飛ばそうとします。しかし寒さを嫌がった旅人がマントをしっかり押さえてしまい、北風は旅人のマントを脱がせることができません。
一方、太陽は旅人を暖かく照らし続けます。旅人は暑さに耐え切れず、自らマントを脱いでしまいます。勝負は太陽の勝ちです。
北風のように強引に厳しい態度で人を動かそうとすると、相手はかえって頑(かたく)なになる。太陽のように相手の気持ちを考えて暖かい言葉を掛け続ければ、自ら行動してくれるという教訓です。
限られた時間の中で最高のパフォーマンスを発揮するには…
このような寓話を例に出すまでもなく、「強制的に仕事をさせるのではなく、部下の自主性を尊重することが重要」だということは、リーダーであれば誰しも感じるところです。しかし残業削減という観点からいうと、リーダーには「北風型」の要素も必要だと言えます。
中途半端に「太陽型」の要素だけを持つリーダーの場合、仕事自体に時間的制約を設けず指示をしてしまうケースがたびたび見られます。部下の自主性を尊重する…ということなのでしょう、締め切りを伝えずお願いする(そこも含めて自分でハンドリングすることを期待して)というケースです。
もちろん部下によっては、締め切りを自ら確認し、スケジュールを作成、進捗共有をしながら仕事を進めてくれます(ここまでできて一人前なんですが…)。しかしそれがまだできない、あるいはその重要性を認識していない部下もいます。一律に「太陽型」で接すると、結果として「時間的制約の中で最大のパフォーマンスを発揮する」という認識が薄れ、残業が増えてしまうということになるのです。
重要なのは、リーダーとして、部下を見極めたうえで「北風型」と「太陽型」の配分を考えていくこと。チーム全体に「時間的制約の中で最大のパフォーマンスを発揮する」という意識を醸成するためにも大切です。
残業して成果を出している部下を褒めない
極端に言えば「残業して成果を出している部下」を褒めないということです。
時間的制約の中で、以下にクオリティを上げるか、必死で部下に考えさせることから、残業しないチームの素地が出来上がっていきます。意識が変われば行動が変わる。悠長にメールを打っていた時間も、資料を読み込んでいた時間も、無駄をなくそうという意識から行動が変わっていきます。
最初のうちは、成果を上げようと必死に仕事をして残業することもあるでしょう。しかし、そこで思考停止にならずに、常に時間的制約を意識して仕事をし続ける。業務を効率的に進めることで、より思考が必要な本質的な仕事に時間が割けるようにする。残業しないで帰宅して、プライベートを充実させたり、仕事に活かせる気づきを得たり。そんな社会になっていくことを、願ってやみません。
残業しないで帰ってみてください。きっとまだ日が高く、太陽が暖かく照りつけてくれているはずです。
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