「リフォーム」理由に変化の兆し?「長持ちさせるため」「よい住宅にする」が上昇
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国土交通省の平成29年度の「住宅市場動向調査」によると、住宅をリフォームする動機として、「家を長持ちさせるため」が長期的に見て増加傾向にあることが分かった。リフォームへの取り組みが変わっていくのだろうか、詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「平成29年度住宅市場動向調査」を発表/国土交通省
リフォームの動機は「住宅の老朽化」。ただし、「長持ちさせるため」が長期的に上昇
調査は、平成28年度中(平成28年4月~29年3月)に住み替えや建て替え、リフォームを行った世帯を対象に行ったもの。今回は、リフォームに関する調査結果に注目したい。
三大都市圏でリフォームを行った世帯に、リフォームの動機を複数回答で聞いたところ、「住宅がいたんだり汚れたりしていた」が46.5%と断トツ1位となった。これは過去の調査でも同様だった。
一方で、2位になったのは「家を長持ちさせるため」(29.8%)で、平成27年度まで2位につけていた「台所・浴室・給湯器などの設備が不十分だった」(27.3%)を平成28年度に引き続いて上回った。また、「不満はなかったがよい住宅にしたかった」は14.4%となり、前年度までと比べて大きく伸びる結果となった。
リフォームの動機(主なもの)(複数回答)(出典:国土交通省「平成29年度住宅市場動向調査」よりSUUMOジャーナル編集部にて作成)
では、具体的にどんなところをリフォームしたのだろうか。
まず「住宅内設備」を見ると、「台所・便所・浴室等の設備を改善した」が85.2%と抜きん出て多い。大半が水まわりの交換などを行っているようだ。次に「住宅の構造」を見ると、「断熱工事・結露防止工事等を行った」が67.7%で、次いで「基礎・構造の補強を行った」の45.2%となった。いずれも住宅を長持ちさせるには欠かせない工事といえるだろう。
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住宅構造の改善・変更の内容(複数回答)(出典:国土交通省「平成29年度住宅市場動向調査」)
リフォームの目的は「不満の解消」から「積極的な改良」へと変わる!?
さて、筆者は住宅に関する多くの調査結果に目を通しているが、リフォームをする理由として「住宅や設備の老朽化」などを挙げる調査結果は多い。
住宅リフォーム推進協議会の「平成29年度住宅リフォーム実例調査」を見ても、リフォーム工事の目的には、「住宅、設備の老朽化や壊れたため」(60.9%)が「使い勝手の改善、自分の好みに変更するため」(64.2%)と並んで、6割を超える多さとなっている。つまり、古くなったり不具合が起きたりして、生活に支障が出るという理由からリフォームに至ることが多いのが実態だ。
しかし、徐々にではあるが、「家を長持ちさせるため」や「不満はなかったがよい住宅にしたかった」が増加傾向にあることから、リフォームの目的が「不満を解消する」から「積極的に改良を図る」というものへ広がっていく兆しと見てもよいだろう。
特に若い世代では、中古住宅を購入してリフォームすることで、「自分好み」の家にしたい、「快適に暮らせる」家にしたいという発想が広がっている。限られた資金を自分たちなりに効果的に使って、住まいの満足度を上げるという流れだ。
一方で、子どもが独立した年配の夫婦が、快適なセカンドライフのために住み替えをしたり、リフォームをしたりする「積極的」な住まいへの投資も見られるようになってきた。人生100年と言われる時代だからこそ、住まいの果たす役割は大きいものになる。
これからのリフォームは、「新築として提供された家を手直ししながら住む」という旧来型の考え方ではなく、「手をかけて自分らしく快適に暮らせる家にしていく」という考え方がスタンダードになっていくのだろう。
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