1日でなんと22の御朱印がいただける!?御朱印好きの聖地・善光寺へ
今回持参した御朱印帳は“寺院参拝用”にしている赤坂の豊川稲荷のもの。お気に入りです
だいたい年100カ所の寺社仏閣を参拝している、御朱印好きライターの井口エリです。
御朱印とは、主に神社や寺院の参拝者向けにいただける印章・印影のこと。御朱印を通じて神社や寺院と縁を結ぶことができるといわれています。そして最近では神社や寺院ごとに意匠を凝らした美しい御朱印が増えているということもあって、注目が高まっています。
今回の旅の舞台は「一生に一度は善光寺参りといわれる長野市の善光寺。日本最古と伝わる絶対秘仏の「一光三尊(いっこうさんぞん)阿弥陀如来像」がご本尊であり、「宗派を問わずお参りできる」お寺です。
近年、御朱印に注目が集まっていることにより、善光寺も注目されています。
というのも善光寺をはじめ、境内にある大本願、大勧進、釈迦堂などのそれぞれのお寺で御朱印をいただくことができるのです。
善光寺境内図(公式サイトより)
初めに結果を申し上げると、今回の取材では善光寺周辺6カ所で22もの御朱印をいただきました。所要時間はサクサク回って3時間ほどですが、広いうえに見どころが多く、仲見世通りでは買い物や食事もできるので、時間をかけようと思えばいくらでもかけられます。
御朱印好きの聖地、善光寺へ
善光寺の最寄り駅はJR長野駅。JR東京駅から長野駅までは新幹線で約1時間半。長野駅善光寺口からバスが出ています。
「善光寺大門」バス停で下車。所要時間約10分、運賃は150円です。
バス停から参道を5分ほど歩き、山門をくぐります。重要文化財にも指定されているこの山門(三門)のご本尊は文殊菩薩像。2017年からは外側の回廊を巡り、約15mの高さから本堂を見下ろすことができるようになりました。
御朱印をいただく際、参拝を先に済ませて御朱印をお受けするのがマナー。ただし混雑時などは、先に御朱印の受付をしてから参拝後に受け取る案内をすることもあるそうです。
まずは本堂でお参りをします。
ご本尊を安置している内々陣(ないないじん)。その手前の内陣(ないじん)は約150畳あり、昔はこの内陣に参拝者が寝泊まりをしたのだそう。なお、本堂内陣の参拝時間は季節により違うので、善光寺公式サイトのカレンダーでご確認ください。
本堂正面から外陣(げじん)に入ると目に留まる像が、びんずる(賓頭廬)尊者です。いわゆる「撫仏(なでぼとけ)」で、自分の患部と仏さまの同じ場所を触れて神通力にあやかり治してもらう、という信仰があるもの。
本堂の近くにあるおやこ地蔵、山門から本堂に向かって左側にある経蔵(きょうぞう)も参拝。
いよいよ善光寺の御朱印集め
① 善光寺本堂・日本忠霊殿
善光寺の御朱印は、本堂前の授与品所でいただくことができます。
「善光寺(本堂)」「御詠歌」「山門(文殊菩薩)」「びんずる尊者(撫佛)」「おやこ地蔵」の5種類で各300円。それとは別に、季節限定の書置きの御朱印(別紙で既に書いてあるのをいただける御朱印/500円)が2種類ありました。
ちなみに今回回ったどのお寺も、通常の御朱印が300円、限定の御朱印が500円でした。
本堂左手に進み、戊辰戦争から太平洋戦争に至るまでに亡くなった240万余の魂を祀る日本忠霊殿(ちゅうれいでん)へ。こちらでも授与品所とは別に御朱印がいただけます。
本堂周辺だけですでに8つの御朱印をいただくことができましたが、実は本堂の奥にある雲上殿(うんじょうでん)にも御朱印があることを見落としていました。
広い善光寺。こういうこともありますので、事前に場所をしっかり把握しておきましょう。
② 善光寺大勧進
次は、山門から西にある善光寺大勧進へ。大勧進とは善光寺の天台宗一山の本坊で、浄土宗の大本願とともに、代々善光寺如来に仕えてきたお寺です。
こちらの御朱印は、善光寺の御朱印、善光寺如来(大勧進独自)、不動尊(善光寺如来)の3種類ある中から2種類いただきました。不動堂では厄除不動尊、愛染明王、天台中興の祖・元三大師をお祀りしています。御朱印は大勧進の境内にある「護摩堂」でお願いすることができます。
③ 善光寺釈迦堂
善光寺仲見世通りから、奥に少し入ったところにある釈迦堂。善光寺世尊院(せそんいん)というお寺ですが、日本で唯一の等身大銅造釈迦涅槃(ねはん)像(重要文化財)が安置されていることから「善光寺の釈迦堂」と呼ばれています。
釈迦堂でいただける御朱印は「涅槃釈迦如来」と「毘沙門天」の2つ。涅槃釈迦如来像、毘沙門天像、不動明王像は普段は幕の向こうにいらっしゃいますが、祝祭日や連休、花まつりや彼岸など仏教の行事の際には御開帳します。
また、御開帳時以外にも奉納金(10人まで1000円、10人以上はひとり100円)を払うことで拝観することもできます。
④ 善光寺大本願
善光寺大本願は、善光寺参道沿いにある浄土宗の大本山の尼僧寺院で、善光寺に二人いる住職のうちの一人、善光寺上人と呼ばれる第121世・鷹司誓玉大僧正が住まわれています。
そんな大本願は、多くの御朱印を授与しているお寺でもあります。御朱印帳に書いていただける通常の御朱印のほか、季節ごとに台紙の色が変わるものも……!
こちらでは「善光寺大本願」「御詠歌」「文殊菩薩」「ひとにぎり地蔵」と、それぞれの季節限定の御朱印、さらに善光寺の御朱印(本堂、大勧進、大本願共通で取り扱い)を加えて、合わせて9つの御朱印を授与していただきました。季節ごとに参拝したくなりますね……!
いろいろな神社やお寺を参拝してきましたが、1日でこんなにたくさんの御朱印をいただくのは初めての経験でした。大いに満足し、この日は長野駅周辺のホテルに宿泊しました。
宿坊の精進料理に舌鼓。ここにも御朱印が!
2日目は徒歩で善光寺周辺を散策。昨日は通らなかった道を通ったりして、また新しい風景に出合えたり。旅の醍醐味ですねえ。
昼食は宿坊で精進料理をいただくことにしました。宿坊とはご本尊があり住職がいる、参拝者向けの宿泊施設です。
善光寺には39の宿坊がありますが、今回は昼食利用ができる信州善光寺縁起堂 永代宿坊「淵之坊」へ。バス停「善光寺大門」のすぐそばです。
淵之坊の精進料理は仏教寺院としての伝統に基づき、肉や魚、卵などの動物性食品や、古来煩悩を生ずるとされるネギ、ニンニクなどの「葷(くん)」を使用していない、仏教寺院としてのおもてなしの料理。
満月に見立てた美しい蒸し物「満月」は長野名物おやきをイメージした料理で、皮は松代地区の長いも、中にはくるみと三つ葉としいたけを信州味噌で炒めたものが入っています。ほかにも精進料理が発祥の胡麻豆腐や、乳製品のかわりに豆乳を使用したデザートなど……どれも食品の使用に制限があることを感じさせないおいしさです。
そしてこちらにも御朱印があるのです。季節感のある繊細な精進料理を味わいつつ、御朱印もいただくことができるなんて……!
ぱてぃお大門でおみやげ探し
おなかもいっぱいになったところで、おみやげ探しへ。
淵之坊から3分ほどの距離にある、善光寺門前の大門町に残る古い商家や蔵を再生した「ぱてぃお大門」。緑が多くて気持ちがいい商業施設には、おしゃれなカフェや雑貨店などが並んでいます。
その中で気になったお店が「かんてんぱぱショップ ぱてぃお大門店」。長野ではおなじみの寒天を使った、バラエティに富んだ商品を販売するお店です。実は長野は寒天生産量が全国1位。長野出身の父親を持つ私にとっても「かんてんぱぱ」はなじみのあるメーカーで、幼いころからゼリーや杏仁豆腐などを作ったものでした。
いざ入店してみると、今までイメージしていたデザート系以外のスープやリゾットなど、おかずになるものが多く驚きました。
寒天はちみつや寒天リゾットなどを購入しました。水を入れて焼くだけの大根もちや、お湯を入れるだけの寒天リゾットなど、いずれも調理が簡単なものばかりでおいしかったです。調理を通じて、帰宅後も長野を気軽に思い出すことができました。
東京から新幹線で1時間半という行きやすさに加え、長い歴史があり、広い境内には多くの見どころも。門前町や仲見世周辺での買い物も楽しい。さらには御朱印をたくさんいただける善光寺。「一生に一度は」といわず、季節ごとに行きたいものです。
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