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受付が思わず社長につなぐ 凄腕電話営業のスーパーテクニック

受付が思わず社長につなぐ 凄腕電話営業のスーパーテクニック

新規顧客をいかに取り込み、育てていくかは、どの企業にとっても難題中の難題だ。

その方法は「電話営業」であり「ダイレクトメール」であり、時に「飛び込み営業」である。しかし、いずれも「数打てば当たる」の域を出ないのが実情ではないか。

営業支援コンサルタントの熊谷竜二さんは、著書『自社ホームページにアクセスした企業を「見える化」して、10件の電話営業だけで売上をアップさせる技術:3ステップで誰でも出来る無料のWebマーケティング』(誠文堂新光社刊)で、新規顧客獲得の現状に一石を投じている。

今回はその熊谷さんにインタビュー。企業にとって効率的かつ効果的で、営業マンの負担も軽くなる新規顧客獲得営業の手法についてお話をうかがった。後編の今回は、自社サービスにニーズがあると踏んだ企業への電話営業術についてである。

■電話営業の難関「受付」を突破するプロのスキル

――社長なり決裁者に繋いでもらった後はどう進めるのでしょうか。

熊谷:ここからは先ほどの受付でのトークとは変わってきます。まず「こういうメールを事前に送らせていただいたのですが、ご覧いただけましたでしょうか」と、メールを送ったことを伝えます。

ただこれは、相手の返答が「見た」でも「見ていない」でもどちらでもいいんです。

――実際にはその会社の誰がダイレクトメールを読んだかわからないわけですからね。

熊谷:そうなんです。それで「ごめん、見てないよ」という答えだったら、それはそれでちょっとしたアドバンテージを握れます。「そうでしたか、実は今回はこういった件でご連絡させていただいています」といって本題に入ればいい。

「見たよ」ということであれば、それはもちろんいいことで「ありがとうございます。いかがでしたか」と本題に入れます。

ただ、ここでは「ホームページを見ていただいてありがとうございます」といったことは言ってはいけません。「なんでそんなこと知っているの?」となって怪しまれてしまうので。このあたりは電話営業のテクニックのところですね。

――疑問としてあるのは、ホームページを見てくれた人がニーズを感じていたとしても、決裁者も同じニーズを感じているかはわからない点です。

熊谷:その部分はよく聞かれます。つまり「どうやってホームページにアクセスしてくれた人に電話を繋いでもらうのか」というところです。

ただ、大事なのはあくまで電話を繋いでもらいたい相手は決裁者であって、ホームページにアクセスをした人ではないんです。BtoBのビジネスの場合、企業としてニーズがあるかというところが重要ですが、アクセスログから調べれば、自社のサービスや商品にニーズがある会社かどうかというのは概ね見えます。そして、ニーズがある企業であれば、アクセスした本人でなくても決裁者にさえ行き着ければ商談に繋がる確率は高まる。

もちろん、「ちょっと気になったから見ただけ」という程度のこともあるのですが、それも含めて、先ほど出した約10%という確率になります。これは電話営業から商談に行ける確率としたら驚異的に高い数字なんです。

――相手の会社の規模によって成功率は変わってくるのでしょうか。

熊谷:会社の規模は問わないのですが、実際にやってきた経験上、一番工夫が必要なのは中堅規模の会社だと感じます。よく大企業は難しいんじゃないかと言われるのですが、実はそうでもないんです。

なぜかというと、大企業の場合、受付には受付専門の方がいらっしゃって、そこではかかってきた電話について何かを判断することはないんです。だから、とりあえずは担当部署までは繋いでもらえる。断られるならそこで断られるわけですが、少なくとも用件は話せるので、そこでの話し方次第でチャンスはあります。

これが中堅だと電話受付の方が通すべき電話かどうかを判断しますし、経営者の方がワンマンだと用件関係なく繋ぐなと指示していることも多い。だから、前編の話と重なりますが、よほど用件と社長との関係性をはっきり示さないと、なかなか繋いでもらえないんです。

――話し方でいうと、少しくだけた物言いの方が繋いでもらいやすいというのはユニークでした。

熊谷:本の中ではあくまで参考までに話し方の事例を書いていますが、やはりひと言目で「営業だ」と思う声のトーンだとか話し方があるんですよ。

――ありますね。第一声で「あ、営業だ」となると、やはりそこで断られてしまう。

熊谷:そうです。「あの、大変お忙しいところ申し訳ございません。私こういう者なんですが、社長様お手すきでしょうか?」などとやったら、一発で営業電話だと思われてしまいます。

まして、こちらは社長や決裁者の方の名前はわからないわけじゃないですか。「ご責任者様は~」なんて言ってしまったら、もう明らかに営業でしょう。

――確かにそうです。

熊谷:一方でこんな言い方はどうでしょう。

「もしもし、御社のおそらく総務部長さんだと思うんですが、弊社のホームページをご覧いただいてまして、ただその時にお名前だけお伺いすることができていませんで、非常に当社のホームページにご興味持たれていたのは確認ができているのですが、今総務部長さんはいらっしゃいますでしょうか?」

――「総務部長」と面識があるように聞こえます。

熊谷:この話し方だと、何だか総務部長と関係がありそうに聞こえるでしょう。名前がわからないのも、たまたまタイミングがなくて聞けていないんだなと相手は思いますし。もちろん嘘を言っているわけでもありません。

――こういう電話がきたら、自分なら繋いでしまうかもしれません。

熊谷:あと、テクニック的なことを言うなら「沈黙を恐れないこと」です。営業マンってどうしてもしゃべりたがるんですよ。慣れていない人ほど「間」が怖くて、機関銃のようにしゃべってしまいますし、慣れてしまうとスムーズにしゃべりすぎてしまう。

でも、これでは相手がこちらの言うことを理解する時間がなくなってしまうので逆効果です。一つしゃべったら黙って、相手が沈黙に耐えられずに返事をしてきたら続きを話すくらいがちょうどいいんです。

――今回の本をどんな人に読んでほしいとお考えですか?

熊谷:基本的には経営者であったり営業の責任者の方を対象にしています。特にBtoBのビジネスをされている企業ですね。

BtoCのビジネスでも使えないことはないのですが、個人相手だとまずメールアドレスを入手するのが難しいので。

――そうした方々に向けて、メッセージをお願いします。

新規顧客の開拓というのは本当に難しい仕事で、どの企業も頭を悩ませているところだと思いますし、いろいろな手法を試してみたものの結果が伴わないということも多いものです。

この本で紹介している手法は、これ自体確立された手法ではありますが、結果につなげる最短ルートは繰り返し改善することです。

「商品」「ターゲット」「プロモーション」の三つが揃った時にはじめてモノが売れます。この三つのバランスをいかに取るのかというところで試行錯誤をして改善ながら続けていただければ、結果は出ていくのかなと思っています。

(新刊JP編集部)

(前編:アポイント率が格段に上がる プロが教える超営業術とは)

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