ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう

体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

営業職からドローンパイロットに転身!「やりたいことを実現する」たった“一つ”の方法とは

営業職からドローンパイロットに転身!「やりたいことを実現する」たった“一つ”の方法とは

「自分の好きなことを仕事にできたら」と考えたことはありませんか? 仕事が始まる月曜日が楽しみになったり、好きなことに夢中になっているだけで収入が増えたり、毎日ストレスフリーで生活できたり……。でも現実は厳しいもの。そもそも自分は何が好きなのかわからない、どうやって仕事を探せばいいのか見当がつかない、収入や将来が不安、などなど悩みはつきません。

今回は、そんな疑問を解決する情報をお届けします。ゲストは、ドローンパイロットの堀内亜弥さん。人材サービス会社で営業をしていた彼女が、なぜドローンを自由自在に操る操縦士になったのか。趣味を仕事に変えた行動力の秘訣と、好きなものの見つけ方を聞きました。『女子のための「手に職」仕事図鑑』(仮)の著者 華井由利奈が、女性のキャリア形成に役立つ“いま知っておきたい情報”をまとめてお伝えします。

【プロフィール(写真右)】

堀内亜弥

ドローンパイロット(空撮カメラマン)。大学卒業後、アメリカへ留学。帰国して総合人材サービス会社で営業として働きながら、海外で小型飛行機の操縦を学ぶ。その後、航空機の専門商社に転職し販売と航空機保険の取り扱いに従事。帰国後は著名な操縦士数名からドローン操縦訓練を受け、株式会社FLIGHTSへ。国内で初めてFAA(米国ドローン操縦士免許)を取得した。DJI公認インストラクター。

【プロフィール(写真左)】

華井由利奈

コピーライター。大学卒業後、印刷会社に就職。デザイン業務を1年間担当した後、コピーライターとしてトヨタ系企業など100社以上の多様な企業の取材を行う。2016年に独立。現在は広告業界や、ビジネス全般、教育関連、生活情報など幅広い分野で執筆・講演している。今までに取材した人数は約700人。

意外な場所で大活躍!ドローンパイロットの仕事

華井:そもそもドローンパイロットとはどんな仕事ですか?

堀内:ドローンといえば、日本では“空を飛ぶ小型の無人機”として知られていますよね。最近は物流や測量、農業など幅広い分野で使われていますが、私は主に空撮の仕事をしています。

特におもしろかったのは、ある大手企業からの依頼でドローンを飛ばしたときのこと。訓練中の様子を空から撮影する仕事だったので、最初は機体やバッテリーの準備をしながら社員の皆さんの様子を見ていました。私もテレビで見たことのある有名な役員の人から若手社員まで一斉に訓練を受けていたんですが、どうも皆さんお疲れの様子だったんです。

でも私がドローンを飛ばしたら社員の皆さんが次々に空を見上げて、「ドローンだ!」って。皆さんの顔が一気に輝いたんですよ。ご年配の方もいらっしゃったんですが、少年のようにキラキラした目になっていました。ただ空撮をするために飛ばしたドローンが、こんなふうに人の表情を変えることもあるんだと実感できて嬉しくなりましたね。

華井:企業が開催するイベントを撮影することもあるんですね!バラエティ番組や紀行番組などテレビ関連の仕事がメインだと思っていました。

堀内:もちろんテレビ用の映像も撮りますよ。入社して最初に撮ったのは、秘境にある温泉地の映像でした。崖の間を潜り抜けると、海が一望できる温泉があるんです。離れた場所からドローンを飛ばして撮ってみたら、絶景が広がっていました。忘れられない経験です。

でもここ数年はそれ以外の仕事がどんどん増えています。特に多いのが不動産関係。タワーマンションが建設される前、まだクレーンが立っている状態の現場に行って、大型のドローンを飛ばすんです。事前に「何階だと何メートルぐらい」っていう資料をもらっているので、その高さに飛ばして数フロアごとに眺望を撮影するんですよ。完成前に実際の眺望が確認できるので、依頼が増えています。

華井:なるほど。どんな装備で現場に向かうんですか?大型のドローンはとても重そうですが。

堀内:建設現場に入るときはヘルメットに安全靴、作業服です。テレビ番組用に自然の風景を撮影するときは、10キロ近くの荷物を背負って山に登るんですよ。

体力的にキツイと思うこともありますが、趣味で「クラヴマガ」という格闘技のレッスンを受けてリフレッシュしています。イスラエルで生まれたスポーツで、護身術にもなるんですよ。男性の急所を狙って技を仕掛けるから(笑)週に1回通って、体力をつけながら元気をチャージしています。

「やりたいことをやる!」営業職からの大転換

華井:ドローンパイロットという仕事自体、今はまだほとんど知られていませんよね。堀内さんはもともと営業だったと聞きましたが、どうやって今の仕事にたどり着いたんですか?

堀内:私はもともと、飛行機のパイロットになりたかったんです。幼いころ関西国際空港の近くに住んでいて、毎週日曜日に父と飛行機を見に行っていました。その影響で飛行機が好きになり、就職活動では航空会社のパイロット試験を受けました。選考は途中まで順調に進んだんですが、結局うまくいかず、夢をあきらめました。

その後、大学院に行きたいという想いがわきあがり、就職はせずアメリカへ留学しました。当初はMBA取得を目指そうと思っていたんですが、働いた経験をいかして学ぶものなので、学生の私にとってはほとんど役に立たなかったんですけどね。でも在学中、企業のパイロットにならなくても免許さえあれば飛行機の操縦ができるっていうことを知ったんです。それが何よりの収穫でした。

留学後に入社したのは、外資系の総合人材サービス会社です。営業としていろいろな会社に人材を紹介して実績をあげて、稼いだお金で小型飛行機の操縦資格の免許を取りました。日本よりも海外のほうが安かったので、長期休暇を利用してアメリカやフィリピンを行ったり来たり。渡航費も合わせると400万円くらい使ったかな。高い趣味ですよね(笑)でも若いうちは自分のやりたいことにお金を使おうと思ったんです。

免許取得後は航空機を販売する専門商社に転職しましたが、社風が合わなくて1年で退社しました。ドローンに出会ったのはそのあとです。最初は、自分で小型飛行機を買って海外で操縦しながら気ままに暮らそうと思って、手に職を付けるためにプログラマーの養成講座に通っていたんですよ。でも講師の先生に「飛行機が好き」って言ったら、ドローンの講座を勧められて。

少しマニアックな話をすると、私が好きなのは固定翼で飛ぶ飛行機なんですよ。プロペラ機には興味がなかったので、正直ドローンにも全く魅力を感じていませんでした。でも、始めてみたらすごくおもしろかったんです。私が小型飛行機の操縦が好きな理由は、その景色にありました。大型の飛行機とは違って低空飛行ができる小型機ならではの景色。それを他の人にも見せられたらいいのにと常々思っていたんです。

講座に通ううちに、ドローンならその景色が見せられるとわかり、国内で初めてFAA(米国ドローン操縦士免許)を取得するまでに至りました。すっかりドローンに魅了されて「これを仕事にしたい」と思うようになり、今の会社(株式会社FLIGHTS)に入社したのが2年前ですね。

ドローンパイロットは、当初目指していた航空機のパイロットとは全然違います。写真も動画も全く未知の分野で、上手く撮れず悩んでばかりです。でも、辞めたいと思ったことは一度もありません。今まで何度も転職をして、それなりにやりがいも感じていましたが、こんなに仕事が楽しいと思ったのは初めてでした。今は日々仕事に全力で取り組んでいます。

自分の好きなことを見つけるコツは?

華井:何か一つ、趣味や好きなものがあるって素敵ですよね。これから好きなものを見つけたい場合は、どうすればいいと思いますか?

堀内:少し時間をつくって、今まで興味がなかったことでも何でもいいから、自分で足を運んでやってみるといいのではないでしょうか。つい最近、就職活動をしている弟が「俺は何が好きなんだろう」って悩んでいるのを見たんですけど、一緒に育ってきた私でも何も言えなくて。やっぱり、自分で見つけるしかないんじゃないかと思うんですよね。

そう言われると「何かしなきゃ!」って焦ってしまう人もいるかもしれませんが、急ぐ必要はないと思います。私みたいにいろいろな講座に通ってみるのもいいし、いったん仕事を辞めて休息しながら探してもいい。私も自分に余裕を持てたからこそ、改めて「自分は何が好きなんだろう」って考えられたんだと思うんです。

それに、いつもより少しフットワークを軽くしているだけで周りの人が勝手に声をかけてくれるようになるんですよ。それが例え嫌いなものだったとしても、とりあえず顔を出してみると、意外と自分に合う趣味や仕事に出会えると思います。私がドローンを好きになったように。

華井:好きなものを見つけたあと、それを仕事にしたり、趣味としてさらに深めたりするにはどうしたらいいでしょうか?

堀内:実際に経験している人に話を聞いてみるのがおすすめです。私もそうだったんですが、初めてのことに挑戦する時って不安になりますよね。それって、漠然としたイメージしかないから恐怖感が生まれてしまうんだと思うんです。

私の場合は、働きながら小型飛行機の操縦免許を取得した人やドローンの操縦を仕事にしている人が周りにいなかったので、インターネットで検索して探しました。当時は大阪に住んでいましたが、会ってくれる人がいたら話を聞くためだけに何度でも東京に出てきていましたよ。仲良くなった人に、別の人を紹介してもらうこともありました。

具体的な話を聞くとイメージがストンと落ちてきて、自分にもきっとできると思えるんです。その気持ちがあったからこそ、行動に移せたんだと思います。

華井:「やってみたい」と思ったことを次々に実現してきた堀内さんですが、今後の夢や目標はありますか?

堀内:将来は、海外で自分の小型飛行機を所有して趣味で操縦したいですね。まずは今後ますます発展が加速しそうな東アジアに移住して、ドローンを使って撮影する仕事ができたらと思っています。まだ何も準備ができていないので、これから経験者に話を聞いて具体的にイメージをしていくところです。

大学卒業後、パイロットの採用試験に落ちて、営業職、飛行機の販売を経て、ドローンパイロットという仕事に出会うまで、いろいろな経験をしてきました。もしかしたら偶然ラッキーな出来事が続いただけかもしれません。でも私は、ここまでこられた理由はただ一つ、自分が楽しいと思うことを愚直にやってきたからだと思っています。

取材・文:華井由利奈 PHOTO:刑部友康

関連記事リンク(外部サイト)

家業を継いだ妻の悲痛な願い「私の会社に入社して」公務員の夫が下した決断と覚悟
逆風は、浮力を生むチャンス。批判は、自身の思いを確かめる機会――秋元祥治『20代に伝えたい50のこと』
「できないのに承認欲求の強い部下にうんざり…」上司が見直すべきことは?【シゴト悩み相談室】

リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。