積めて、悪路を走れて、だけどシャレてる車(それでいてお手頃価格なやつ)が欲しいのですが……
▲アウトドアグッズや仕事の道具がガンガン積める車が欲しい。でも「なりふり構わず趣味や仕事に没頭している人」というよりは「この人、センスいいな」と思われる車がいい……となった場合、どんなモデルが有力候補となるのでしょうか?
とあるカメラマン氏の苦悩、そして相談
過日。某カメラマン氏より、車選びに関する相談を受けた。彼の言い分というか、車に求める必要条件は以下のとおりであった。
「機材を積む必要があるので、荷室はそこそこ広くなくてはいけない。そして自分はアウトドアをたしなむため、ラフロードもそれなりに走れる必要がある。で、予算的にはせいぜい総額200万円台ぐらいまでで考えたい」
わたしは「うむ」と相槌を打ったうえで、先をうながした。すると彼は恥ずかしそうに言った。
「……加えて、センスが良さそうに見える輸入車がいいな、と……」
恥ずかしがる必要などない。カメラマンにとって「センス良さげに見える車に乗ってるかどうか」は死活問題だ。カメラマンというのはなぜか知らねど「乗ってる車」で、その実力とギャラを判断されがちな職種なのだ。
わたしにしたってそうだ。
シャレた高級輸入SUVで現場で来るようなカメラマンには「この人には規定の2倍は払わないとマズいかな?」と不安になるし、オンボロのド中古ワゴンあたりで来る人に対しては「……1万円も払っとけば泣いて喜んでくれるんじゃないかな?」と思ってしまう。それが良いとか悪いとかではなく(まぁ悪いことなのだが)、とにかくそうなのだ。
「よくぞ正直に言ってくれました!」と、わたしは彼に言った。正直者であるカメラマン氏のため、わたしはその車選びに全面協力することにした。
▲カメラマン氏にとってベストなのは、例えばこんな感じの車だろうか? 写真は現行ボルボ XC90のインテリア。まぁ総額200万円台では絶対に買えない車ですが(安くても総額600万円以上はします)
「荷物が積めて、山道も走れる車」というだけなら簡単なのだが
カメラマン氏が求める条件を今一度まとめると、以下のとおりとなる。
1. そこそこ積める
2. ある程度の悪路も走れる
3. 予算は総額200万円台まで
4. それでいて「シャレた感じ」がある車
1と2の条件を満たすのは簡単だ。何でもいいから「四駆のクロカンまたはSUV」を買えばいい。
そして3の「総額200万円台まで」というのも、1、2に該当する車種の中古車を探せば良いだけなので、これまた比較的シンプルである。
しかしそこに4の「シャレた感じ」が入ってくる点が、問題を少々ややこしくしている。
▲オフロードを走ることができ、仕事や趣味の道具もガンガン積めて、それでいて都市の風景にもよく似合うシャレた感じで……というと、例えばこんな車? 写真は旧型ボルボ XC90の運転席まわり
「総額200万円台までで買える四駆の中古クロカンまたは中古SUV」のすべてがダサいということは決してない。シャレたものもたくさんある。
ただ、多少気をつけて選ばないと「ゴリゴリすぎるオフロードの人」に見えてしまったり、中途半端な年式の中途半端な輸入車を選ぶことで「逆に貧乏くさく見える」というドツボにハマる可能性も出てくる。
また同時に、「年間360日ぐらいは山を走ってます!」という人も世の中にはいるのだろうが、たいていの人間は「主に市街地や高速道路などを走り、たまに山や海などへも行く」というライフスタイルであるはず。ならばやはり、舗装路上での乗り味やビジュアル(雰囲気)も、オフロード性能と同様に重視するべきだろう。
そして、予算上限は「総額200万円台まで」。
……果たしてどんな選択が考えられるのか、次章にて明らかにしてみよう。
例えばこの3モデルでどうだ!
まず注目したいのがBMW X5(2代目)だ。
▲SUVならぬSAV(スポーツ・アクテビティ・ヴィークル)という触れ込みで登場した、オフロードもオンロードも大の得意とするBMW製プレミアムSUVの第2世代。初代以上に広くなったラゲージスペースにはオプションで3列目シートも用意された。駆動方式は4WDで、基本となるエンジンは3Lの直6DOHC
カメラマン業を営む場合は2013年11月からの現行型に乗っている方がより高額なギャラが期待できそうだが、旧型であっても走行距離短めの中古車を探し、内外装を極力キレイに維持しておけば、アッパーなオーラはいまだ十分以上。
そしてもちろん「xDrive」と呼ばれる4WDシステムがもたらすオフロード性能に加え、BMWならではのオンロード(舗装路)性能もすこぶる良好。実際のプライスはもちろん千差万別だが、イメージとしては走行4万km前後の2011年式xドライブ 35iが総額280万円付近といったニュアンスだ。
またボルボ XC90(初代)も捨てがたい。
▲2003年から2015年の長きにわたり販売されたボルボ初のプレミアムSUV。ボルボらしい外観デザインの中に7人乗りの3列シートをレイアウトし、ミニバン感覚の使い方も可能。初期型のエンジンは2.5L低圧ターボと2.9Lツインターボで、途中から3.2L直6が主力に。2012年2月に内外装デザインを変更
コレに乗っている人には大変申し訳ないが、シュッとした感じのデザインに生まれ変わった現行XC90と違い、旧型XC90はどことなく「じじむさいデザイン」とも言える。
だがそこがいいのだ。
童顔だった人が老けやすいのに対し、若い頃から老け顔だった人は、中高年になっても「お若いですね~」などと言われがち。つまり最初から老けているため、年月が経っても印象があまり変わらないのである。
初代XC90はそれと同じだ。
もともと若干じじむさいゆえに、中古車になっても「明らかに老ける」ということがない。むしろ今後使い込めば使い込むほど、シブい中年俳優のような魅力を増していくことだろう。
相場のイメージとしては「走行3万km前後の後期型3.2 Rデザインが総額280万円ぐらい」といったところか。前期型でOKなら総額100万円台でもイケる。
逆に「若々しい感じ」の車種で行きたいなら、ジープ レネゲード(初代)に注目すべきだろう。
▲「アーバンサイズ。アドベンチャークラス」をテーマとするジープ初のスモールSUV。都市に適したボディサイズと、初代ジープをモチーフとしたポップなデザインが魅力。駆動方式は2WD(FF)と4WDの両方が用意されており、4WDの「トレイルホーク」は2.4L直4エンジン+9速ATという組み合わせ
前述のとおり童顔な人というのは早めに老けて見えてしまう(車で言うと古くさく見える)場合が多いわけだが、レネゲードは2015年9月登場ゆえ、「老けて見える」のはまだまだ先なはず。
筆者個人は、あと4年か5年は十分イケるのではないかと見ている。またモード系ではなくシンプル系のデザインなので、「意外といつまでも老けない」という展開もあるかもしれない。4WDグレードであるトレイルホークは、走行1万~2万km台の個体が総額260万円ほどから探せる相場状況だ。
以上が、筆者なりに考えた「積めて、走れて、そしてセンスと財力がありそうに見える、しかしまあまあお手頃予算でイケる輸入車」である。
相談を受けたカメラマン氏だけでなく、ある種の人の少しでもご参考になったならば幸いだ。
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photo/ボルボ、BMW、フィアット・クライスラー
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