なくしものは「みんなで探す」時代へ。モノや人の“居場所”は新たな価値になる

なくしものは「みんなで探す」時代へ。モノや人の“居場所”は新たな価値になる

おみくじにも「商売」「縁談」などと並んで「失物(うせもの)」という項目があるように、人類は昔から何かをなくしては悩んできました。しかしこの先、「なくしもの」が一切ない時代がやってくるかもしれません。クラウドトラッキング技術で実現させる、助けあいでなくしものをなくせる未来をひも解きます。

※本記事は、「PR Table」より転載・改編したものです。

「なくしもの」をテクノロジーでなくす

▲MAMORIOはモノの場所を可視化する

買ったばかりの自転車が盗まれた、酔っ払って財布をなくした、大事な書類をどこかに置き忘れた。

みなさんも一度は、何かをなくしてしまった経験があるのではないでしょうか。大切にしていたモノを「なくす」というのは、誰にとっても辛いことです。そして私たちは、はるか昔から「なくす」という問題を解決できずにいます。

また、盗難などの犯罪による被害もあります。自分がいくら気をつけていても、悪意ある行為により突然失ってしまうこともあるのです。

MAMORIOは、そんな社会の課題をテクノロジーで解決したいという代表・増木大己の想いから生まれました。

増木「モノをなくした時って、精神的ダメージがかなり大きいと思うんです。楽しい旅行も、財布をなくしたらテンションが下がって台無しですよね。何かをなくして、探して、見つからなくて、落ち込んで……っていうのを、人類は何千年かずっと繰り返してきています。テクノロジーが発達した今こそ、それを解決できるんじゃないかと思ったのが、MAMORIOをつくったきっかけです」

元々MAMORIOの取り組みは、落とし物マッチングサイトからスタートしました。ソーシャルの力でなくしものゼロにするというコンセプトから、「みんなでシェアして探そう」という方向へ落とし込み、IoTプロダクトの草案が浮かびます。

MAMORIOは、大切なモノに付けておくと、万が一なくしてしまっても在りかを探すことができる、小さなタグ型のデバイスです。無線通信を使った「クラウドトラッキング」という技術を採用し、試行錯誤の末に製品化を実現したのです。

そして、クラウドトラッキング技術をコアに掲げて以降、MAMORIOは製品を軸にますます加速していきました。

クラウドトラッキングを活用した、MAMORIOの「みんなで探す」機能

▲MAMORIOユーザーが、落としたMAMORIOとすれ違うことでなくしものを見つける

なくしものを探す時に必要な情報には、3つのパターンがあります。

1つ目は「緯度と経度により位置を特定すること」。2つ目がここのお店にありますという「スポット情報から見つけること」。そして3つ目は、誰の近くにあるかという「人を起点として見つけること」です。

増木は3つ目の「人」に注目しました。「MAMORIOを取り付けた“なくしもの”」と「MAMORIOを身につけた人」がすれ違った時にBluetoothで電波を受信し、持ち主のスマートフォンに位置情報が送信されるという仕組みを、クラウドトラッキングを使って実現したのです。

ただ、クラウドトラッキングを使用する際にも大きな苦労がありました。スマートフォンは何もしなくても常に多くのデータを受け取っているため、いかに電池消費を抑えながら品質を高めるかという点です。

増木「感度を良くしようとすると、バッテリーの消費が激しくなります。一方で、いつ“なくしもの“をしてしまうかわからない以上、日常的に機能するようにしなければ意味がありませんでした。実験や試作を何度も重ね、ユーザーのユースケースに合わせて適切なバッテリー消費に抑えるようにし、2018年現在も改良を続けています」

「すれ違い」によって見つける機能のため、たくさんの人が使えば使うほど、なくしものが見つけやすくなります。これが「みんなで探す」と呼んでいる理由です。

多くの人に使ってもらえるように、ユニバーサルなデザインにもこだわりました。本体に一切ボタンを付けなかったのは、「ユーザーを迷わせたくない」という思いからです。連携させるスマートフォンアプリも、分かりやすさを追求したシンプルなデザインにしています。

こうした細かな配慮が実を結び、2017年に入った頃から少しずつ「見つかりました」の報告を受けるようになりました。夏には、盗まれた自転車を取り返せたユーザーからの喜びの報告もあり、増木が思い描く「なくしもののない未来」に向けた手応えを感じています。

2018年現在、MAMORIOは、ユーザーを増やして発見確率を高めていく段階にいます。「ユーザーが増えれば増えるほど見つかりやすくなる」という仕組みの秘密は、相互補助ができる「MAMORIOネットワーク」にあるのです。

使うだけで「MAMORIOネットワーク」の一員に

▲誰かの助けになるかもしれない、あなたのMAMORIO

「みんなで探す」といっても、探す側は何もする必要はありません。ただMAMORIOを使って、電車に乗ったり、街を歩いたりしていればいいのです。「知らないうちに誰かのなくしものを見つけてあげていた」ということが、実際に起こる仕組みになっています。

MAMORIOを使っている時点で、あなたはもう「MAMORIOネットワーク」の一員です。自分のなくしものは誰かがすれ違って見つけてくれるし、あなたも誰かのなくしものとすれ違い、発見者になっているかもしれません。

「人の行動範囲は、そこまで大きく変わらない 」という前提が、MAMORIOネットワークが機能する理由です。たとえば、福岡市内に住んで毎日同じ場所へ通勤している人は、移動する経路がだいたい決まっています。そして同じような行動パターンの誰かがMAMORIOを使っていれば、高確率で見つかる仕組みです。

モノをなくすところはだいたい人が通るところでもあるため、カバーできるようになっているのです。さらに、このネットワーク内でのすれ違いの記録はアプリ内で確認でき、ゲーム感覚で楽しめるようにしました。

増木「今日あなたが何個のMAMORIOとすれ違ったか、全体で何個のなくしものが見つかったかが、アプリで見られるようになっています。(自身のアプリ画面を見せながら)今日僕は17個すれ違いました。この画面をスクリーンショットに取ってシェアしている人もいるんですよ。MAMORIOを付けて、カウントアップされていく数字を眺めているのはちょっと楽しいですよね」

ゆくゆくは、この機能になんらかのインセンティブをつけることも構想しています。貢献できたことがアプリを通じて可視化できれば、自分もネットワーク内にいるという実感がもてると増木は考えているのです。

自分でも気付かないうちに、誰かの役に立っている。

このさりげなさが、日本人特有の美徳感覚にもフィットしているように感じています。MAMORIOというネーミングは、日本の「お守り」に由来しています。付けておくだけでたくさんのユーザーと助けあいながら大切なモノを守れる、そんな次世代のお守りのような存在を目指しています。

MAMORIOを持つことが“当たり前”になる時代へ

▲MAMORIOは社会の課題解決につながる

MAMORIOが最終的に実現したいのは、MAMORIOがなかった時代が想像できないくらい普及させ、「落とし物」や「なくしもの」という概念が世の中から消える未来です。2016年現在、 年間で警察に届けられる拾得物は全国で約2800万件、遺失届は約1300万件にものぼります(出典:平成29年 警察白書)。MAMORIOを多くの人が付けるようになれば、これをゼロに近づけることも不可能ではありません。

増木「たとえばコンビニがなかった時代って、我々はもう想像できないですよね?大きく言えば、MAMORIOもそういう存在を目指したい。なかった時代を想像できないくらい、当たり前の存在にしていきたいです。

スマホが出てきて面白いサービスがどんどん生まれ、シェアリングエコノミーも当たり前になった世の中で、モノや人の『居場所』というのはこれから新しい価値になると思っています。どこにあるかがわかれば、所有の概念というのも近い将来なくなりますよね」

MAMORIOを持つことが当たり前の世の中になれば、目に見えないMAMORIOネットワークが街中に張り巡らされていることになります。これが形のない防犯カメラのような役割をもち、「タグがついていたらバレるかもしれないからやめよう」という心理が働き、盗難や誘拐などの犯罪を抑制することにもつながります。

増木「警察に届けるのはちょっと面倒だったり、危険を犯してまで探すほどでもなかったりすることもあると思います。そんな時に『MAMORIOを付けていてよかったね!』となればいいなと。ユーザーから機能に関する要望をいただくこともありますし、製品を起点にこれからどんどん可能性を広げていけるイメージができています」

目的はあくまで「社会の課題解決」。行政との連携も強化しながら、今の製品だけにこだわらない広い視点で、なくしもののない未来を考えていきます。

会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table」

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