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「もう終わった…」大手メーカーの事業撤退!ピンチをチャンスに変えた、新たな道とは

創業から40年ちかく、大手電機メーカーから光半導体デバイスの製造を受託し、最高水準のものづくりに取り組み続けていた、大分県中津市の島田電子工業株式会社。しかし、メーカーの事業撤退を転機に大きく事業方針を転換し、自社製品の製造、工場設備の稼働状況を可視化するIoT事業にも進出し、2018年現在は中小企業の成長に貢献しています。代表取締役の島田眞一と従業員が一丸となり、高い技術力を活かして新たな道を切り拓く、その姿に迫ります。

※本記事は、「PR Table」より転載・改編したものです。

大手電機メーカーから、突然の事業撤退報告

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1976年、大分県中津市で創業した島田電子工業。大手電機メーカーの関連会社が九州に設立されることに伴い、協力会社として誕生しました。創業者は、現社長・島田眞一の父でした。

島田 「父はもともと街の電気屋で、技術者でした。知り合いから、進出企業の製品製造に協力してくれる会社を探してほしいと頼まれ、最終的に自ら会社を立ち上げて。当時、私は東京の大学で文系の学部に進学しており、その後東京の会社に就職し、継ぐつもりはまったくなかったのですが、父が体調を崩したのを機に25歳で地元に戻り、当社に入社しました」

創業から光半導体事業を主軸に、LED関連製品や光センサなどの製造に従事。また受託元メーカーのニーズに応じて、電装回路の設計なども手掛け、事業を拡大していました。メーカーからの高水準技術要求や高品質の要求に応え、大学との共同研究にも取組み、日々技術の研鑽と向上を図っていました。

苦労はありがならも、前進していた当社。しかし2011年末、思いもよらない事態に見舞われます。受託の電機メーカーが、この事業から撤退を突如発表したのです。

島田何の前ぶれもなく、出し抜けの撤退発表は、いきなり丸裸で放り出されたような気持ちでした。終わったと思いました

差し伸べられた手。新規事業にも取り組みIoT製品が誕生

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途方にくれた島田でしたが、センサ製造の企業から声がかかり、それまでと同様な製品を製造する機会を得ます。実はこの企業は、事業撤退発表のメーカーから製品を購入していて、逆に入手ルートが途絶えることに困惑していました。

島田 「直接取引の関係が築けたものの、事はそう簡単ではありませんでした。それまで材料は受託元から支給されていたんです。当社には直接購入するルートもなければ、口座もありません。大手企業には売るけど、うちには売らないと言われたこともありました。中でも一番苦労したのは、製品の重要な役割を持つチップの調達。あらゆるルートをあたりましたが、国内企業は自社向け製造で他社には売らない。結局、台湾で供給ルートを見つけたのですが、特性評価試験などを含め準備に2年半かかりました」

また、教訓を活かし、一つの事業だけに頼らず新しい事業領域も模索をしました。これまでの知見が活かせる新製品の開発、CO2や水分を感知できるような特殊センサの開発にも着手しました。

その中で、光センサの技術を応用して2017年9月に誕生したのが、中小企業の製造工場向けIoTデバイス「Device Watcher(デバイス ウォッチャー)」。工場内の設備の稼働状況を見える化するシステムです。通常だとシステム利用準備に数時間から数日ほど設備を止めて現場工事しなければならないものが多い中で、わずか30分で誰でも簡単に稼働状況を可視化できるというから驚きです。

しかも、専門的な知識がなくても、すぐにはじめることができ、稼働状況はパソコンやスマートフォンから見られる優れモノ。製造業者が作った仕組みなので、余分なものをそぎ落としたシンプル構造。使う側の立場に立ったシステムといえます。

製造業では、設備が正常に稼働し続けることが企業の生命線です。生産がストップすれば損失が生じます。Device Watcherは、設備の稼働状況がリアルタイムに表示され、稼働率や停止時間も見やすいグラフで確認できます。

「Device Watcher」で自社と同じような中小製造企業の役に立つ

f:id:kashiemi:20180219135256j:plain▲「Device Watcher」装着の様子

島田Device Watcherは、もともと私たち自身のニーズから生まれたアイデアを製品にしたものです。製造業において、生産計画に対して、進捗が遅れることは多々あります。それは、生産状況を正確に把握できていないから。本当は稼働率65%なのに80%で計画を立てていれば、ただ計画が遅れるだけでなく、次の工程や人員のやりくりにも悪影響が出てきます」

工場内の設備には、複数の色のライトが縦に並んだ「シグナルタワー」と呼ばれる装置がついています。たとえば正常に稼働していれば青、材料待ちは黄、故障なら赤が点灯するなど、状態がひと目でわかるようになっており、多くの工場では人がこのライトを見て、状態に応じて材料を補充したり故障に対応したりしています。Device Watcherは、このタワーの点灯状態をセンサで検知し、稼働状況を無線で収集することで状況を確認できるという仕組みです。

Device Watcherの開発プロジェクトは、社内の技術者4名で進められました。最も悩んだ点は、シグナルタワーの点灯変化を検知するセンサ部の形状でした。

島田 「4人でいろいろと考えましたが、どうもしっくりこない。そこで、現場の社員に意見を聞いてみたんです。すると、2018年時点で採用しているタワーにスポッとかぶせる案が出て、なるほどと思いました。4人では思いつかなかった形状です。そこからはアイデアが出て、すぐに今の形へと決まりました」

こうして完成したDevice Watcherは特許出願中で、2017年9月に販売を開始しました。

島田 「ありがたいことに、すでに県内外で導入の話をいただき、海外への展開も視野に入っています。より多くの製造業の現場でお使い頂きたいシステムです。実物を貸し出しますので、ぜひ気軽にお問い合わせいただければと思います」

「シンプルながらハイテクノロジー」で、中小企業の未来をつくる

f:id:kashiemi:20180219135411j:plain▲代表取締役・島田眞一

大きなピンチを乗り越え、高い技術と情熱を原動力に、自社の困りごとから新製品を生み出した島田電子工業。Device Watcherは設備稼働の見える化から、企業と共に進化するIoTシステムを目指しています。

企業のニーズに合わせ、多様な使い方が実現できます。設備のシグナルタワーから光センサで稼働情報を収集すれば、ベーシックな稼働率監視システムに。設備の停止モードの分類と分析をすれば、停止原因を究明するシステムに。設備の要所に温度センサや振動センサ、電流センサなどを取り付け、そのデータから異変を検知すれば設備異常検知システムに。

稼働時間の集計や設備の停止分析など、時間と手間のかかる作業はIoTの力に任せ、改善や対策の検討など、創造的な仕事に注力することを可能とする「シンプルながらハイテクノロジー」なシステムだと言えるでしょう。

島田 「Device Watcherを使えば、これまで感覚的で曖昧だった稼働状況がクリアに見え、数値による管理ができます。これにより課題が見え、生産性の向上につながります」

自社での体験をもとにつくられたシステムだからこそ、開発にはより力が入ったという島田。設備の稼働状況を把握することの大切さはわかっていても、高額で導入できない中小企業も多い中、できるだけ価格を抑え、簡単に取り付けられて稼働状況がきっちりわかる製品を届けたいと願っています。

日本には40万社以上存在すると言われている中小製造企業。中小製造企業が生産性を向上させることで、今後さらに多様化、複雑化する顧客要求にも対応でき、活性化が実現します。

中小企業の活性化こそが、日本の製造業の活性化へと繋がります。私たちは今後もセンサの技術を活かし、温度やCO2、電力、ガス、探知や管理など、幅広い分野への進出を目指していきます。

会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table」

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