窓辺の冷え冷え感をなくすハニカムスクリーンって?自宅で効果を試してみた!
寒い日は窓際がひんやりと感じられませんか? そのうえ、室内外の温度差で結露がひどいと、カーテンが水分を吸ってカビてしまうこともあります。けれども賃貸住宅で窓断熱のリフォームはできない、あるいは持ち家だけど予算の都合で難しい方も多いでしょう。そこで、手軽に取り入れられる断熱アイテム「ハニカムスクリーン」を紹介します。
独特の構造で断熱性を確保!「ハニカムスクリーン」とは
ハニカムスクリーンはブラインドメーカー各社から発売されています。なかでも、種類が豊富な株式会社ニチベイの広報担当者に、ハニカムスクリーンの構造などについて伺いました。
ハニカムスクリーンはエコ意識の高まりによって需要が増えているそうで、徐々に取り扱いが増えていると言います。【画像1】写真左:ニチベイのハニカムスクリーン「レフィーナ45シングルスタイル」を使った部屋。写真右:ハニカムスクリーンの断面(画像提供/株式会社ニチベイ)
ハニカムスクリーンは断面が六角形のハニカム(蜂の巣)のように広がることが特徴。プリーツ生地がひろがることで二重構造のようになり、立体生地構造の中空層が断熱材のように機能し、暖かさを得られます。ニチベイの「レフィーナ」という製品では、ハニカムが1枚のものと2枚のものがあります。オプションのフレームをスクリーンの左右に取り付けることにより、さらに密閉性を高められるので光漏れも低減できるとのこと。
生地が立体的に広がることで空気層ができるハニカムスクリーン。冬は暖かくても夏は暑いのでは?という疑問もありましたが、夏は外からの暑い日差しを遮るので冷房効率が上がり涼しくなるそうです。
「ハニカムスクリーンなら、冬も夏も室温を安定させて快適に過ごせます。また、昇降コードをハニカム中間層に通す構造のため、スクリーン表面にコードの穴がなく、すっきりとしたデザインです。コード穴からの光漏れもありません」(ニチベイさん)
ハニカムスクリーンは窓枠の内側に設置することでより効果を発揮します。さらにオプションのフレームを取り付け、窓全体を密閉できれば理想的です。
そのため「一般的に壁の穴あけが不可能な賃貸住宅でのDIYによる設置は、難しい場合が多いのでは?」とおっしゃっていました。また、窓の大きさに合わせたサイズ調整が必要なため、既製品ではなくオーダーがおすすめのようです。
自宅でプチ断熱の体験をスタート!
ニチベイのショールームでハニカムスクリーンを手にし、賃貸では難しいということを知りました。ただ、「やはり使ってみなければ」という気持ちがあったため、量販店で販売されている既製品のハニカムスクリーンを購入し、自宅に取り付けることにしました。しかし、わが家の窓枠に合うサイズはなく、1台なら小さい、2台なら余るという計算。迷った結果、とりあえず半分をハニカムスクリーンにすることに。幅90cm×長さ180cmのハニカムスクリーンは4500円程度で購入できました。
「ハニカムスクリーンはありますか?」と聞いて、売り場まで案内してもらったところ、店員さんが「ハニカムスクリーンはブラインドなどとくらべて密閉度合いが高くおすすめです」と話してくれました。これは期待できそうな気がします。【画像2】カーテンを外し、準備を進める(写真撮影/近藤智子)
自宅に帰り、部屋のカーテンを半分外して取り付けます。付属の金具を使って、カーテンレールに取り付けることが可能。簡単に取り付けられるようですが、付属の説明書では十分に理解することができず、ネットで似たような作業をした方のサイトを見て学習。
まず、カーテンを取り除き、そのあとカーテンレールの端にあるキャップをドライバーで外します。そこからフックをかけているランナーを抜きます。スクリーンを設置する金具を取り付けるのに邪魔になるためです。それからカーテンレールにスクリーンを掛けるための金具を止めます。高い位置なのですこし大変でしたが、なんとか取り付けられました。
そして金具にスクリーンの上側をひっかけるようにして設置完了。こうして窓枠の3分の2ほどの面積にハニカムスクリーンが取り付けられました。金具とスクリーンの安定感に不安がありますが、コードをおそるおそる引っ張ると、規則正しい横のラインが特徴的なハニカムスクリーンが目の前に!10分ほどで終わるはずが、思ったより手間がかかってしまいました。ただし、DIYに慣れている人は、もっと簡単に取り付けられるのではないでしょうか。
若干密閉具合が足りないのが気になりますが、これで数日過ごしてみることにしました。
ハニカムスクリーンの窓際はほんのり暖かかった!
実は筆者の部屋には雨戸(シャッター)がついており、結露とはあまり縁がありません。ただ、以前雨戸がない部屋に住んでいたときは、飛び出した部分の窓にキノコが生えてしまったことがあり、「東京の湿度は恐い」と震えたことがあります。そんなことを思い出しながら、しばらく雨戸は使わずに過ごすことを決めました。【画像3】量販店で購入した格安ハニカムスクリーンをなんとか取り付け完了(写真撮影/近藤智子)
比較のために、ハニカムスクリーンを設置する前の3日間も雨戸を使用せずカーテンのみの状態で過ごしました。その結果、なんとなくいつもより寒い……ことが判明。それがハニカムスクリーンに変えたことで、ほんのり熱がこもっているような、暖かさが戻ってきたような気がします。スクリーンの独特な質感や色も、暖かさに影響しているような気がします。
前述したように、設置したハニカムスクリーンはわが家の窓枠にはぴったりしたサイズのものではありません。しかし、実はカーテンも前の部屋で使っているものをそのまま使用していて寸足らずのため、比較するにはもってこいでした。
朝と夜には雨戸の開け閉めをするために窓のほうに近寄ります。その際に、普段カーテンのときはなんとなく冷たくなっているのを感じていましたが、ハニカムスクリーンにしてからは冷たさをさほど感じません。高い断熱性が発揮されているようです。ただ、やはりスクリーンの開け閉めの際の不安定さは依然残ったまま。カーテンレールに取り付けること、すなわち賃貸住宅で壁に穴をあけられないことの限界があることがはっきりしました。
残念ながら、結露は雨戸なしでも発生せず、その部分は確認できませんでした。
一人暮らしにハニカムスクリーンは不向き?
ハニカムスクリーンは手ごろに入手できますが、オーダーでない既製品は、サイズの関係で窓枠を密閉できない可能性が高く、不安が残ることが難点です。また、スクリーンは開けると寒くなり、窓も丸出しになってしまうので、日中部屋にいるときには不向きなように感じました。しかし、昼間を過ごさない寝室などには最適なのではないでしょうか。【画像4】カーテンと違う滑らかな質感もハニカムスクリーンの魅力のひとつ(写真撮影/近藤智子)
そういえば、ニチベイさんでハニカムスクリーンとカーテンについて「特性と好みによって適材適所があるということを、知識としてもっておいていただけるとよいですね」と伺ったことを思い出しました。おそらく筆者の部屋や暮らしにはカーテンのほうが向いているのですが、ハニカムスクリーンは風合いがとてもよく、ほかにも部屋があればぜひ使いたいと思いました。
ハニカムスクリーンといっても、高価なものから手ごろに入手できるもの、オーダーでつくるものなど、さまざまな種類があります。冬も効果がありますが、夏は遮蔽にも効果がありますので、気になった方は試してみるとよいでしょう。●取材協力
・株式会社ニチベイ
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