賃貸でも安心!「突っ張るだけ」で収納や家具がつくれるお手軽DIY

賃貸でも安心!「突っ張るだけ」で収納や家具が作れるお手軽DIY

賃貸暮らしでは「自分の欲しい場所に収納棚がない」「デッドスペースができてしまう」「DIYをしたいが壁に穴は開けられない」など、家具の配置やDIYが思ったようにいかないことが多く、悩みがつきません。でも実は、壁に傷をつけずに収納を取り付けられるアイテムがあるのです。おすすめの製品を使用例とともにご紹介します。

自由に組み立てられる「見せる収納」棚って?

若井産業株式会社の「ディアウォール」は、2本の柱を立てて棚をつくることなどが可能なグッズで、突っ張り方式なのでどこも傷つけません。

取り付けも簡単。「木材の長さを正確に測れば、誰でも同じ力で突っ張らせることができます」と、若井産業 広報の柏美帆(かしわ・みほ)さん。【画像1】ディアウォールの“突っ張り”を利用してつくった棚(画像提供/若井産業株式会社)

【画像1】ディアウォールの“突っ張り”を利用してつくった棚(画像提供/若井産業株式会社)

若井産業は「賃貸住宅で壁に棚を取り付けたり飾ったりしたいけど、壁を傷つけたくない」というユーザーの声を受けてディアウォールを開発。「最近では、賃貸だけではなく持ち家にお住まいの方の利用も増えました」と柏さん。「壁を傷めず、思いどおりにカスタマイズして住みたい」人の増加とマッチして、今後も需要が増えそうです。

インテリアになる突っ張り棒って?

「突っ張り棒」は100円ショップでも買える安くて便利なグッズ。しかし、どうもデザイン性にかけるような気がしてしまうことも。

平安伸銅工業株式会社の「DRAW A LINE(ドローアライン)」は、同社がプロダクトデザインなどを行うユニット・TENTとコラボレーションして立ち上げたブランド。突っ張り棒をこれまでの便利グッズからインテリアの一部へと引き上げるような製品です。【画像2】ねじやくぎいらず。簡単に設置できるドローアラインの棚(画像提供/平安伸銅工業株式会社)

【画像2】ねじやくぎいらず。簡単に設置できるドローアラインの棚(画像提供/平安伸銅工業株式会社)

「突っ張るだけで固定できるドローアラインは、専用の照明とテーブルをつけて寝室に置いたり、フックをつけて帽子やハンガーを掛けたりできるなど、多様なカスタマイズが可能です」と、広報担当の寺川紗希(てらかわ・さき)さん。

ドローアラインは特許申請済みの「壁面固定方式」を採用して壁面に固定することもできます。また、パイプの長さ固定にスクリューロック方式を採用。簡単に長さを変えられ、真鍮ねじをパイプに貫通させることで確実に固定。パイプのスライド部分のプラスチック形状にもこだわり、すっきりと見せるデザインです。

工夫がいろいろ!インスタグラムで見つけた活用事例

Instagram(インスタグラム)には、ディアウォールやドローアラインを使ったDIY作品の写真がたくさんアップされています。そこで、印象に残る作品をアップしているインスタグラマーさんの事例を紹介します。

Kaoriさんはディアウォールを使って絵本棚に挑戦。賃貸住まいのため、壁を傷つけないことを心がけているそうです。「ディアウォールは天井と床で突っ張るので、ネジやくぎいらずで簡単です」(Kaoriさん)。完成して本を入れながら「選んでよかったなあ!」と思ったとのこと。【画像3】カウンターの下にディアウォールを立てて絵本棚を。ストッパーに使ったのは100均のアイアンバー(画像提供/Kaoriさん)

【画像3】カウンターの下にディアウォールを立てて絵本棚を。ストッパーに使ったのは100均のアイアンバー(画像提供/Kaoriさん)

ディアウォールでキャットウォークという独創的かつキュートな作品をつくった山本さんも、「壁を傷つけない」ことが重要な賃貸住まいです。昨年の夏にネコを飼うことになった際、「ソファの上にキャットウォークをつくって、寝転びながらネコを眺めたい」ということで自作に踏み切ったそう。【画像4】ガーランドもかわいい小さなキャットウォーク(画像提供/山本さん)

【画像4】ガーランドもかわいい小さなキャットウォーク(画像提供/山本さん)

キャットウォークは半日もかからず完成。ネコの成長に合わせて棚板の高さを調節できるよう高さ調節のできる棚柱を取り付けたのがポイントです。ハンモックはフックを取り付けて引っ掛けています。

※ただし、このように大きな棚板を前に出す使用方法はメーカー(若井産業)として推奨していないとのことです。ご注意ください。

ドローアラインを使ってお手洗いをモダンに改造したnana to hatiさん。少しお住まいが古いため、見た目をよくする方法を日々考えているそうです。ドローアラインの活用に挑戦したのもその一環。簡単に設置できたのがうれしかったといいます。【画像5】ドローアラインを使って、お手洗いにモダンなテイストの棚を作成(画像提供/nana to hatiさん)

【画像5】ドローアラインを使って、お手洗いにモダンなテイストの棚を作成(画像提供/nana to hatiさん)

DIY歴18年のベテランhal.さんも「見ためのかっこよさが格別」とドローアラインを愛用。玄関先にシンプルなハンガー掛けをつくりました。「模様替えもするので、固定してしまうよりはいつでも元に戻したりできるほうがいいですね」(hal.さん)【画像6】玄関先につくったドローアラインのハンガー掛け。すらりとした美しさが際立っています(画像提供/hal.さん)

【画像6】玄関先につくったドローアラインのハンガー掛け。すらりとした美しさが際立っています(画像提供/hal.さん)

しっかりと突っ張るために、設置で気をつけたいこと

ディアウォールもドローアラインも設置が簡単なうえ、機能やデザインが優れていますが、使い方に気をつけなければ棚や柱が倒れてしまいます。では、どのような点に気をつければよいのでしょうか。

「しっかりとした天井や床に設置することが大事です。天井は硬い材質のものか、下地が入っている場所でないとしっかりと突っ張らせることができません。床も畳など柔らかい材質だと沈み込んでしまう場合があります」(柏さん)

「壁や天井が弱いところ、また床が沈み込むような所にはしっかりと突っ張ることができません。コンクリートや梁(はり)、壁や天井の下地のある場所、フローリングの床などを選ぶとしっかり突っ張ることができます」(寺川さん)

その場所が設置にふさわしいかどうか、事前に確かめることが必要だといえます。【画像7】突っ張りを利用したDIYでは、しっかりした土台に設置することが大切(画像提供/若井産業株式会社)

【画像7】突っ張りを利用したDIYでは、しっかりした土台に設置することが大切(画像提供/若井産業株式会社)

壁を傷つけないDIYは原状回復がしやすいのも魅力です。

「つくって気に入らないところがあれば改良して、簡単なものでも一度つくりあげると大きな自信につながり、DIYの楽しさを実感することができます」(柏さん)

「まずはやってみることが大切。始めてみるといろいろできることやアイデアが増えてきます。突っ張る商品だと原状回復ができるので、賃貸や模様替えにはぴったりです」(寺川さん)

「自分には無理かな」と迷っていた方も、壁を傷つけないDIYを一度試みてはいかがでしょうか。ただしその場合には、設置する場所がふさわしいか、重すぎるものを置いたりぶら下げたりしようとしていないかきちんと考え、使用上の注意をしっかり守ってくださいね。●取材協力

ディアウォール(若井産業株式会社)

・DRAW A LINE(ドローアライン)(平安伸銅工業株式会社)
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