「うまい話」は希にある! 総額100万円台から狙える最高の輸入車。それは今、2016年モデル以降のシトロエン DS3なのかも
▲見栄えも性能も良くて、古くなくて、それなのに安い……なんて「うまい話」はこの世にほとんどありませんが、2015年11月以降のシトロエン DS3は、もしかしたらそんな「うまい話」なのかもしれません!
「安いのに良いモノ」というのは存在しづらいはずだが?
内外装ともに小じゃれていて、いろいろな意味でかなり「いい車」で、周囲から「おっ、イイの買ったね!」なんてちょっとホメられそうで、運転が楽しいのに燃費はまずまずで、けっこう頑丈で、それでいてお手頃プライスな輸入車。
……なんて車がもしもあれば話は早いのだが、現実は厳しい。
前記の条件を確実に満たす車は高額なため手が出ず、かといって手が出せる車は、前記条件を満たさないことが多い。そしてじっと手を見る……というのが、基本的には現代資本主義社会の実像だ。要するに「うまい話」はないのである。
しかし、世の中にはごくごく希に「うまい話」も存在する。
この場合で言えば「内外装ともにおしゃれで、いわゆるいい車で、周囲からもホメられそうで、運転が楽しいのに燃費良好で、さほど壊れず、それでいて結構お手頃プライスな輸入車」というのが、中古車市場にはごくごく希に出現するのだ。
例えばそれは今、2016年モデル以降のシトロエン DS3(初代)のユーズドカーだと断言したい。
▲こちらがそのシトロエン DS3。いわゆる「プレミアムコンパクト」というジャンルに属する車です
ステキな車だが前期型と中期型には少々の問題点も?
シトロエン DS3というのはフランスのプジョー・シトロエン社がシトロエンブランドにて2010年から販売しているプレミアムコンパクト、要するに「けっこう上等な小型輸入車」である。
ちなみに2016年6月1日にシトロエンの上級ライン「DS」は新ブランドとして独立したのだが、話がややこしくなるので、その点は無視してこのまま「シトロエン」として進めさせていただく。
で、このシトロエン DS3。いい車だ。見てのとおりデザインは内外装ともシュッとしており、走らせてみても小型車ながら重厚な感じで、しかしそれでいてやっぱり小型車らしい軽快感もある。とにかく、選んで間違いなしのステキな車だ。
▲全体の造形もステキですが、細かい部分までいちいちしゃれたデザイン処理がされている点も魅力です
▲後ろから見るとこのような感じ。ちなみに写真は2015年モデルの本国仕様です
▲インテリアのテイストもほとんど現代美術館のよう。写真は「DS」がシトロエンから独立した2016年6月以降の本国仕様。そのため左ハンドルで、内装デザインもシトロエン時代とは少しだけ異なります
だが2014年1月までの前期型AT仕様は、パワートレインにちょっとだけ問題もあった。いや決して悪くはなく、むしろ筆者は割と好きなのだが、ごく普通の1.6L 4気筒+4速ATという組み合わせは燃費の面でも「楽しみ」という面でも決して最良ではなかった……ということだ。
しかし2014年2月のマイナーチェンジでそのパワートレインは丸ごと刷新された。エンジンは自然吸気の1.2L 3気筒となり、トランスミッションも「ETG5」という名称の5速セミATに。
これによりベースグレードの燃費は約49%改善して18.6km/L(JC08モード)を実現。めでたしめでたし……と思ったわけだが、しかし「ETG5」には若干の難もあった。や、決して悪い変速器ではないのだが、変速時にどうしても「息継ぎ感」のようなものが発生してしまうのだ。そしてそれを解消するには若干のコツが必要だった。
▲こちらは最初期の2011年モデル。この世代が採用していたごく普通の4気筒エンジンと4速ATも決して悪くなく、その後の自然吸気3気筒よりむしろパワフルなのですが、燃費はちょっとイマイチでした
しかし2015年11月以降のパワートレインは本当に素晴らしい!
それらの問題点(?)を丸ごと一気に解決したのが2015年11月のマイナーチェンジ、すなわち2016年モデルの登場だ。
1.2Lの3気筒エンジンは最新設計の直噴ターボ版となって最高出力が34%、最大トルクは実に74%も向上。これによりベースグレードのシックはめっぽうトルクフルな車へと生まれ変わった。
そしてトランスミッションは5速セミATのETG5を廃し、日本のアイシンAWが製造する「EAT6」という最新式の多段ステップATに完全変更。これがまたレスポンスにおいてもスムーズさにおいてもかなり素晴らしいATなのだ。前期型シックに使われていたAL4という4速ATと比べれば、故障も明らかに少ないはず。
つまり2015年11月をもってシトロエン DS3(のシック)は、冒頭のとおりの「内外装ともに小じゃれていて、いろいろな意味でかなり『いい車』で、周囲から『おっ、イイの買ったね!』なんてちょっとホメられそうで、運転が楽しいのに燃費はまずまずで、けっこう頑丈な車」として完成したのだ。
▲2015年11月のマイナーチェンジで採用されたプジョー・シトロエンの1.2Lピュアテック3気筒ガソリンターボエンジン。「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」の1.0~1.4L部門を2年連続で受賞した実力派で、1.2Lとは思えない超絶トルクを発揮します
残る問題は「それでいてお手頃プライス」なのかどうか……ということだが、結論として2015年11月以降のシトロエン DS3はかなりの「お手頃プライス」である。
DS3シックの新車本体価格は259万円で、諸々のオプションや諸費用もコミの支払総額は320万~330万円ぐらいといったところ。
だが2015年11月以降中古車であれば、支払総額は「180万円ぐらいから200万円ちょいぐらい」だ。それもただの中古車ではなく、走行1万km以下のバリ物系中古車が、である。
これを「お買い得」あるいは「うまい話」と言わずに何をそう言うのか? 筆者には、ちょっとわからない。
▲ちなみに2016年6月以降はブランドがシトロエンから「DS」に変わったことと連動し、このようなデザインに小変更。ちょっと精悍な顔つきになっていますtext/伊達軍曹
photo/プジョー・シトロエンシトロエン DS3(初代)の中古車をチェックしてみる▼検索条件シトロエン DS3 2016年モデル以降(初代)×総額240万円以下×総経距離1万km以下×総額表示あり×修復歴なし
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