スマホ活用でかわる勉強法 スマホ学習がもたらすいい効果と悪い効果

スマホ活用でかわる勉強法 スマホ学習がもたらすいい効果と悪い効果

中高生の9割がスマートフォンを勉強に活用

「中高生の9割が勉強時にスマートフォンを活用する」――2017年12月18日、MMD研究所より、中高生の勉強時におけるスマートフォン(スマホ)利用実態の調査結果が発表された。

この調査によれば、中学生の14.5%、高校生の86.5%がスマホの学校持ち込みを許可されており、さらに中学生は21.6%、高校生は64.1%が学校でスマホを使用している。学校でのスマホの活用は、中学生「授業や勉強のわからない事を検索、友達のノート撮影、メモ」、高校生「授業や勉強のわからない事を検索、SNSチェック、黒板の写真撮影」が上位を占める。「分からないことはネットで調べる」という習慣が定着しつつあると考えられる。

スマホ活用のメリット・デメリットとは

メリットは「勉強への抵抗感を和らげる」「時間や場所を選ばない」など

ところで、スマホ学習にはどのようなメリット、デメリットが考えられるのか。スマホ学習の一番のメリットは、「勉強に対する抵抗感を和らげる点」が挙げられる。今やスマホは現代の子供たちに慣れ親しんだアイテムとなった。それを操作しながらの勉強は、机に向かって勉強をするよりも抵抗感なく始められても不思議はない。

続いて挙げられるメリットは、勉強する場所や時間を選ばないこと。学校内でのスマホ利用ばかりではなく、登下校のバスや電車に乗っている時間など、空き時間に自分のペースで勉強ができる。学習アプリなどを使えば、予習・復習・弱点克服が効率的に行える。

デメリットは「SNSなどの誘惑・邪魔が入りやすい」など

一方、一番のデメリットといえば、スマホを利用する学習のため、さまざまな誘惑や邪魔が入りやすい点が挙げられる。例えば、学習アプリで勉強している最中に友だちからメッセージが入ってしまい返信をせざるを得なかったり、勉強の合間に動画やSNSを見てしまい長々と時間を使ってしまったり、常にインターネットにつながる環境にあるスマホを利用することで、注意力が散漫になってしまう可能性がある。

また、スマホに頼りすぎて漢字が書けなくなってしまうケースもあり、決してスマホは教材や勉強の道具として完璧なものではない。

スマホの特性を理解したうえで「自立学習力を育むツール」として捉えよう

スマホ学習は、そのメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、「自立学習力を育むツール」として捉えてはどうだろうか。子どもたちの個性が多様化している中、それぞれに合った内容やペースで、主体的に進められるスマホ学習は、「与えられる」学習から「自ら求める」学習への転換点となる。

たくさんの情報が氾濫する時代に生きるには何を基準に判断したらよいか迷ってしまうことがあるが、情報リテラシーを育みながら、様々な価値観の中から自分で判断して行動でき、自立した精神を高めていく必要があるのではないか。

今後、前例のない時代に生きる子どもたちは、スマホに使われるのではなく、使う立場を保ちつつ、来たるAI時代に向けて発想力を高めていく必要がある。スマホ学習は便利だから何でも学べるのではなく「何を学ぶのか」、「学ぶ目的は何か」など指導者側の考え方も問われる時代になってきたと言える。

(田中 正徳/次世代教育プランナー)

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