「仕事内容別」で分類するのは“時間のムダ”!意外と知らない「整理整頓」術
前回までの書類整理のコツをまとめると、徹底的に整理整頓することで、ムダな書類を排除し、重要な書類と必要な書類だけを残しました。おかげで量が減り、必要な書類を見つけ出しやすくなって、探すという時間が短縮できました。さらにメンバーが共有する書類は、使う頻度が高い順に、書棚の取り出しやすい場所に並べていくことで、移動時間も短縮できました。
記憶が曖昧になる仕事内容での分類
それでは、個人で使用する書類は、どのように管理すればいいのでしょうか?
実は、共有書類やパソコンにあるファイルとは違う整理整頓方法で、時間短縮を行います。それは、時間順で分類する方法です。
例えば、経理、総務、人事、財務など仕事内容に分類すると、分けることに時間を費やしてしまいます。さらに総務の場所に保管していたか、人事の場所だったか、経理か、財務かなど、思い出すのにも時間がかかってしまいます。
また、分類するときは総務と思っていたけれど、探すときは人事だと思ってしまうこともあります。人事にないからと、総務を探すと時間のムダです。
種類で分けずに時間順で管理する
そこで私がオススメするのが、「書類を封筒に入れ、書類名と作成日時(保管日時)を記入して時間順に並べる」という方法です。これなら「分類する時間」も削減できますし、「探す時間」も削減することができます。
実は、人は「どこに」という場所分類よりも、「いつ」という時間分類のほうが記憶に残ると言われています。経済学者の野口悠紀雄氏が今から25年前に出された『「超」整理法』(中公新書)にはこう書かれています。
人間の記憶が、脳の中で時間順に並んでいることも関連しているようである。
前に『場所に関する人間の記憶はあやふや』と述べたが、それと対照的に
時間順に関する記憶がきわまて正確である。時間に関する記憶の場所に関する記憶で
このような大きな違いがあることは、特筆すべきであろう。
野口悠紀雄著『「超」整理法』(中公新書)より引用
私自身、実感値ですが「どこに」よりも「いつ」の方が思い出しやすいと感じています。先週木曜日に会議があったな、と記憶していればそのフォルダを探せますし、いつ会議があったかも、スケジュールで確認すればいいわけで、探す時間が大幅に削減できると思います。
全ての書類が一か所にある安心感
私は個人で使用する書類を机の3番目の引出しに入れています。
また健康診断のデータや生命保険関係の資料などの私用の書類も、仕事で使う書類といっしょにまとめておきます。個人で使用する書類は、会社用、私用含めすべて机の引き出しの3番目にしかないなら、他を探す必要はなくなります。
新しい書類を前に入れていくので、後ろに並んでいればいるほど使ってない書類になります。重要性がなく、日付も1年以上経っているなら捨てていきましょう。
なお、保存している書類を使用した場合は、一番手前に持ってきます。そうすることで古い書類であっても、使用頻度の高い書類は前方にとどまり、捨てる対象にならないのです。
増え続ける名刺も時間順で管理する
名刺も同じように時間順に管理します。まずは、いただいた順に並べるだけ。連絡や確認のために使用すると一番上に戻すので、必然的に見ることのない名刺が後方に追いやられます。あとは定期的に後方から整理すれば、増えることもなくなります。
配置を考えムダな動きを排除する
書類や名刺の他にも環境を整えることで時間短縮を図れるものがあります。例えば、コピー機やシュレッター。これらがよく使うメンバーではなく、滅多に使わない役員の後ろにあると移動時間がムダになります。企画などを考えるメンバーの後ろだと、通るたびに集中力を切らす原因になります。電話の配置も重要です。左手で電話を取る人が、右側に電話を配置していると時間がかかります。その他、同じプロジェクトのメンバーが近くに座っているか、コピー機の近くに補充用紙や替えのインクがあるか……。これらの環境も一度点検してみてください。
面倒なのは最初だけ
私は週1回ジムに通っています。そこにはスマホ用のWi-Fi(無線LAN)があり、パスワードを入力すれば、ネットワークに接続され無料でインターネットを使うことができます。ただしパスワードが複雑で、入力するのが面倒なのです。
それでも一度設定してしまえば次から無料でしかも高速で使えるため、時間はかかりましたが、すぐに設定しました。その後は快適に利用しています。
一方、一緒に通っている友人はパスワードの入力を面倒がり、いまだにネット環境を整えていません。
同じように、会社も環境を整えることは面倒です。ロッカーや金庫、コピー機の位置を移動したり、メンバーの配置換えをするので、最初は時間がかかります。
ただし一度行ってしまえば、半永久的にいい環境で仕事を行うことができるのです。
【プロフィール】石川和男(いしかわ・かずお)建設会社総務部長、大学、専門学校講師、セミナー講師、税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。大学卒業後、建設会社に入社。管理職就任時には、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ダメ上司。一念発起し、ビジネス書を年100冊読み、月1回セミナーを受講。良いコンテンツを取り入れ実践することで、リーダー論を確立し、同時に残業ゼロも実現。建設会社ではプレイングマネージャー、専門学校では年下の上司の下で働き、税理士業務では多くの経営者と仕事をし、セミナーでは「時間管理」や「リーダーシップ力」の講師をすることで、仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。最新刊の『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)ほか、『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)など、勉強法、時間術などのビジネス書を6冊出版している。
石川和男 公式サイト https://ishikawa-kazuo.com
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