“生産性向上”のために…パソコンの「フォルダ」整理整頓術
ビジネスパーソンは、年間150時間も勤務中に「探し物」をしていると前々回にお伝えしました。年間勤務日数が250日だとすると、1日平均36分(150時間×60分/250日)。1日36分も生産性が全くない「探す」という行為に、多くの時間を費やしているのです。
では、どうするか?
正しい手順にそって整理整頓を行うのです。
1.机の中の不要な物を徹底的に捨てる
2.共有物を管理するルールを決める
3.重要な書類だけ紙ベースで残す
4.書棚を使う順に並べる
5.パソコンの中を整理整頓する
前回までに1~4をみていきました。今回は5を中心にみていきます。
見た目が綺麗な事務所だから、整頓されているとは限らない
就職のため実家を出て6畳一間のアパートへ。就職1年目は部屋の狭さに耐えられたけど、スーツ、ワイシャツと必需品が増えてくるたびに手狭になる。仕方がないので、いらなくなった物は捨て、卒業アルバムや思い入れのあるものは実家に送る。
7年後。久しぶりの里帰り。小学校時代の友人に連絡しようと住所録を探しても見つからない。読みたいマンガが見当たらない。
山積みになった段ボール。荷物を受け取ったのが父親だったり母親だったり。段ボールに貼りついている送り状には、カーボンで複写された「DVD」「書籍」「衣類」の青い文字。何とか読める程度の薄い書き込みで、目的の物を探そうとしても見つからない。
あなたもこんな経験はありませんか?
「1人暮らしの経験がない」、「広い部屋に住んでいる」などさまざまな境遇の人がいるので、該当しないかもしれません。しかし、会社では同じようなことになっている人も多いのではないでしょうか?
それはパソコンの中です。
PDF化した後が大事!100%整頓できる片づけ術
前回までの手順で、紙ベースの書類を整理整頓しました。「1年基準」で1年以内に利用していない、必要としていない、参考にしていない書類を捨てました。さらに書類を減らすために片っ端からスキャンしてPDFファイルに換え、ペーパーレス化しました。
書類はなくなり事務所は綺麗になったけど、今度はパソコンの中がゴチャゴチャ。これでは、机や書庫からPDF化できる書類をパソコンのなかに運んだだけにすぎません。パソコンは、100坪ある実家のように、際限がないほど収納スペースがあります。会社にある書類ならほぼ全て収納できるだけの広さがあります。
実家に送った段ボールのように、パソコンに保存した書類が入り混じっています。段ボールに貼りついている送り状のようにファイル名にルールがなくて何が入っているかわからない……あなたもそのような状況になっているなら、次の手順で整理整頓をしてみて下さい。
1)残すか捨てるかを判断する
会社にとって重要なファイルを残します。残ったファイルは1年基準(前回参照)で判断します。いらないファイルは、どんどんゴミ箱へ捨てていきます。
2)保留フォルダを作成する
ファイルを捨てるのは勇気がいります。捨てる判断が鈍るファイルは、1年延長で保留フォルダに入れておきます。保留フォルダは3)にある家系図フォルダに入らないのでデスクトップに置いておきます。1年後、吟味し使わなければ捨てます。
3)配置する
不要なファイルがなくなったら、今度は探しやすく配置をします。重要なことは必要なファイルが瞬時に見つかることです。実際、パソコンの悩みでは「使い方」「起動の遅さ」と並んで、「ファイル名がわかりにくい」「似たようなファイル名で混乱する」「どのフォルダに入っているかわからない」など、見つけることができないという問題も多いのです。
そこでフォルダ分けのルールを確立します。
(1)メインになるテーマごとにフォルダを分けます。
例えば、総務、経理、銀行、人事
(2)主役級のメインが出そろったら、サブフォルダを作ります。
例えば、銀行のフォルダならA銀行、B銀行、C銀行
(3)サブフォルダの下に、ファイルを保存します。
例えば、A銀行の下に資金繰り表、受注明細、契約書……
1)~2)が出来ていれば、日常行うのは3)だけになります。実家にある家系図のように枝分かれする仕組みを作っておけば、探す手間が劇的に減ります。
ただし、日々作っているとファイルがどんどん増え続け、わからないようになるので、次の点に注意してください。
・デスクトップにはファイルを置かない。
・ファイル名に検索で引っかかるキーワーを入れておく。
・ファイル名に2017.10.13など日付も記入する。
ファイルは簡単に作れ、コピーや添付ファイルを取り込むことで、さらに増え続けます。容量が膨大なため、どんどん作成できます。ファイルの量に比例して探す手間が増えないように、ルールを決めてファイルを保存することが必要です。▲フォルダ整理のイメージ図
【プロフィール】石川和男(いしかわ・かずお)建設会社総務部長、大学、専門学校講師、セミナー講師、税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。大学卒業後、建設会社に入社。管理職就任時には、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ダメ上司。一念発起し、ビジネス書を年100冊読み、月1回セミナーを受講。良いコンテンツを取り入れ実践することで、リーダー論を確立し、同時に残業ゼロも実現。建設会社ではプレイングマネージャー、専門学校では年下の上司の下で働き、税理士業務では多くの経営者と仕事をし、セミナーでは「時間管理」や「リーダーシップ力」の講師をすることで、仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。最新刊の『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)ほか、『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)など、勉強法、時間術などのビジネス書を5冊出版している。
石川和男 公式サイト https://ishikawa-kazuo.com
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