映画レビュー:意外と弱い? 何を考えている? カイロ・レンが気になって仕方ない勢も満足の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
いよいよ12月15日公開のスター・ウォーズ最新作。事前にこの『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を観たガジェット通信スタッフがその内容をレビューします。
【ストーリー】
『フォースの覚醒』のラストシーンで、万感の思いを込めてルークにライトセーバーを差し出すレイ。彼女をじっと見つめるルーク。そこに言葉はない。観る者の胸を感動で満たし、同時に様々な想像をかき立てずにはいられなかった、このラストシーン。――そして物語は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』へと受け継がれる。
伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーとめぐり逢ったレイが知ることになる驚くべき真実とは? なぜカイロ・レンはダース・ベイダーを受け継ごうとするのか? さらには、レジタンスを率いるカイロ・レンの母親レイアと、ポー、フィン、BB-8らレジスタンスたちの新たなるミッションとは? そして、タイトルの“最後のジェダイ”が意味するものとは?
――知られざる秘密が明かされるとき、さらなる謎が生まれる。
監督:ライアン・ジョンソン
製作:キャスリーン・ケネディ、ラム・バーグマン
製作総指揮:J・J・エイブラムス、トム・カーノウスキー、ジェイソン・マクガトラン
脚本:ライアン・ジョンソン
レイ:デイジー・リドリー
フィン:ジョン・ボイエガ
カイロ・レン:アダム・ドライバー
ポー・ダメロン:オスカー・アイザック
ルーク・スカイウォーカー:マーク・ハミル
(C)2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
何を考えているか分からないカイロ・レンが巻き起こすハラハラドキドキの展開
「カイロ・レンが気になって仕方ない。」
そんな方にも十分満足してもらえるのが本作「最後のジェダイ」です。
特にカイロ・レンのヘルメットを周りの大人がイジるくだりが好きな人や、キレる若者カイロ・レン、おじいちゃんであるダース・ベイダーが好きすぎるカイロ・レン、前作「フォースの覚醒」でのなんだか意外と弱すぎるカイロ・レンなどなどを愛する皆様、十分に満足してもらえることでしょう。
ちょっと情けない悪。ちょっとかっこ悪いダークサイド。それが彼の味であり、新シリーズを観てリアルさを感じる源泉なのかな、と思います。
とにかく何考えてるのかよくわからないので、レンが重要な場面でどういう判断を下し、どういう行動を取るのか、それによって周りの登場人物はどういう影響を受けるのかあまり予想がつかず、常に「この先どうなるの?」というハラハラドキドキの連続。
予告編を観てテンション上げたまま本編を観ても大丈夫。むしろ予想をはるかに超えてしまうのが本作。
内容がギュッと詰まっており、物語が大きく動くので観終わった後に観た人とこの興奮を分かち合いたい、おしゃべりしたいと思わせる、そんな作品です。
【プロフィール】ふかみん
ガジェット通信発行人。シュークリームと鶏肉が好き。
「このキャラクターならこうするだろう」というアガるキャラクター描写が最高
『フォースの覚醒』の2015年公開後、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が2016年に続き、“年末はスター・ウォーズ”ってのがなんとなく浸透してきましたよね。この後も公開時期は分かっていませんが、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』2018年公開、『スター・ウォーズ エピソード9(仮)』2019年公開と毎年何かしらのスター・ウォーズと触れることが出来るなんて、ファンはテンション上がりっぱなしなのではないでしょうか?!
さて、一足お先に観させていただいた『最後のジェダイ』。ポスターの雰囲気や、フィン役のジョン・ボイエガが「全てが逆の方向に動き始める。前作で皆が思ったことの逆へ」と語っている事もあって、色々な物がダークサイドに堕ちていくのではないか? と予想している人が多いはずです。作品の核心にはもちろん言及しませんが、このジョン・ボイエガの言葉って映画観終わってから見ると、ああ、なるほどって腑に落ちるんですよね。そういう事か、と。もう一度『フォースの覚醒』を観直したり、観た時の素直な気持ちを思い出すとより『最後のジェダイ』を楽しめるかと思います。
本作で脚本・監督を務めたライアン・ジョンソン監督ですが、筆者も取材した今年9月の京都でのイベントにて、そこにいる人々(狂言師の皆さん、住職さん、通訳さん、その他全てのスタッフ)への優しい気遣い・リスペクトにあふれている姿が印象的でした。『スター・ウォーズ』という世界一のエンタメシリーズの監督を務めることをすごく真面目に受け止めて、でもおごる事無く、皆と面白い物を作ろう! という気持ちが嫌味じゃなく全身からあふれている様な、そんな人だったのです。『最後のジェダイ』も登場するキャラクター達の描き方が丁寧で、例えば「ポーだったら絶対この場でこういう動きするよね」という演出が素晴らしかったです。逆に言うと「こうすれば話はスムーズに進むかもしれないけど、ポーは実際これはしないよね」とか、ムムッ?って所が無い。個人的にそういう点が一番好きでした。
また、本作笑えるポイントがたっぷり。新キャラ「ポーグ」はもちろん、待ってましたのルークも笑える台詞まわしをしていたりして、すごくウィットに富んでいます。そしてそして、ポーグをはじめとする、ルークが隠れていた島に住んでいる生き物や、とあるシーンで登場する馬の様な生き物など、魅力的な動物的キャラもガンガン登場。ふしぎなフレンズ達の活躍にもご注目を!
【プロフィール】藤本エリ
チューバッカにイウォークにもふもふしたキャラクターが大好き。
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