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人気女性コラムニストが書き下ろした「産まない」という選択

人気女性コラムニストが書き下ろした「産まない」という選択

 アラサー&アラフォー女性だれしもがぶつかるといってもよい「妊娠・出産」の問題。子どもを産むか産まないかの選択は、女性ならではの経験といえるでしょう。また、「子どもが欲しい」と思って妊活に励んでも、簡単にできないこともありえます。

 本書『産まないことは「逃げ」ですか?』は、人気女性コラムニストの吉田潮さんが自らの体験を通じて気づいた出産にまつわるさまざまを書き下ろした一冊。産みたい人も、産みたくない人も、産んだ人も、いまも女性が背負う問題はこれほど大きいのかということに、きっと気づかされることと思います。

 たとえば、まだまだ今でも根深い、子どもがいない人に対する偏見。「子供がいない人にはわからないよ」「子供を産んで育てて一人前」といった「母親マウンティング」に辟易したことがある人も多いのではないでしょうか。しかも相手には悪意があるわけではなく、ナチュラルにそう信じているからよけいに厄介だったりも……。

 けれど「そこに引け目を感じることはないと思っている」と吉田さん。「子供のいない人が、自分を卑下しなくていい世の中になりますよう。家族構成や属性で優劣をつけない世の中になりますよう。まずは自分の中の引け目をなくすことだ」と言います。

 では、「引け目をなくす」ためにはどうすればよいのか。これは、吉田さんが本書で訴えている「自分が主語の人生を生きる」ということと深く結びついているのではないでしょうか。

 吉田さんは34歳で当時付き合っていた男性の子どもが欲しくなり、39歳で不妊治療をスタート、一度は妊娠したものの流産。そして、ホルモンやテンションの乱高下に心身ともに疲れ果て、40歳で不妊治療をやめることになります。こうした経験を経て吉田さんは、「子供が欲しいと思ったが、できなかった。しかし、突き詰めて考えてみると、本当に子供が欲しいわけではなかった」ことに思い当たります。

 そうして最終的に得た気づきが、「自分が主語の人生をいかに楽しむか」ということ。「親でもなく、夫でもなく、世間でもなく、私は私。主語が自分だと、こんなにラクなのかと思うし、そこに気づくと3倍くらい楽しいです」と書いています。そして、産んだ人と産んでいない人を比べるのをやめること。人生の選択肢は自分で決めること。自分を卑下したり人のせいにしたりせず、今を楽しむこと。それが重要だと続けています。

 不妊治療のすえに子どもを授かったという感動的なストーリーの本に比べ、「産まない人生を選択した」人の本はどうやら数が少ないよう。だからこそ、こうした内容を自身の経験を踏まえて赤裸々に掘り下げた本は参考になるものです。女性であること、子どもを持つということ、自分の人生を生きるということ……いま一度、本書を通して皆さんも考えてみてはいかがでしょうか。

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