Google製Chromebookの最新モデル「Pixelbook」のレビュー

Chromebook のフラッグシップモデルとも位置づけられる Google 製ノート PC「Pixelbook」のレビューをお送りします。Pixelbook は Chrome OS を搭載した 12.3 インチの薄型ノート PC で、Google 製の Chromebook としては約 2 年ぶりに発売されました。これまでに発売された初代と第二世代モデル「Chromebook Pixel」のブランド名を冠していましたが、第三世代となる「Pixelbook」ではブランド名から変わりました。Pixelbook の特徴やスペックこちらの発表記事で詳しく紹介しているので細部が気になる方はご覧ください。Pixelbook のスペックを簡単に改めて紹介すると、ディスプレイは 12.3 インチ 2,400 x 1,600 ピクセル(235ppi)の液晶で、タッチパネルを搭載しておりタブレットのようにタッチで操作できます。プロセッサは第 7 世代 Core-i5 / i7 で、メモリは 8GB / 16GB、SSD は 128GB / 256GB / 512GB です。本記事で紹介するのは最安の Core-i5 + 8GB RAM + 128GB ROM モデルです。この構成で $999 と Chromebook の中では高価な製品だと言えます。Pixelbook でまず触れたいのはその独特なボディデザインと薄型設計であることです。基本構造はアルミユニボディなのですが、天板の白い部分にガラスパネルが敷かれており、Pixel スマートフォンに近い雰囲気です。また、「Chromebook」のロゴは無く、その代わりに「G」ロゴプリントされています。Chromebook Pixel を代表する光る Pixel バーもありません。多くのノート PC はクラムシェルの丸みを帯びたデザインを採用しており液晶と本体の接合部分には多少の凹凸がありますが、Pixelbook はまるでタブレットを 2 枚貼り合わせたかのようにフラットな構造で、他のノート PC と比較しても薄いことが分かります。フラットなデザインにしたのはタブレットモードの操作性を考慮してのことでしょう。Pixelbook は 360 度回転ヒンジを備えており、液晶と背面にまわすとタブレットとして使用できます。12 インチの MacBook と大きさを比較すると、明らかに MacBook の方がコンパクトです。これはタブレットにもなる Pixelbook のベゼル幅が厚めに設計されているからです。しかし、MacBook を普段持ち歩くときに使用している小さめの PC バッグには余裕で入りました。12 ~ 13 インチ用のバッグでも収まると思います。外部インタフェース類は、Type-C の USB コネクタを左右に 1 つずつ搭載しています。USB コネクタは、充電、データ転送、画面出力をサポートしており、3.5mm オーディオジャックも付いています。また、スピーカーは液晶のヒンジ部分に内蔵される形で 2 つ搭載しています。マイクは本体の周囲に合計で 4 つ付いています。今回入手した Pixelbook は米国版です。キーボードは U.S 配列ですがキーボードの選択画面で「Google 日本語入力」を選択すると、日本向けの PC に近い配列で文字を入力したり、ひらがなと英数のモードを切り替えることができます。私は日本語配列でしか PC を操作しませんが、U.S キーボードでも違和感なく文字を入力できました。U.S キーボードなので、「Enter」キーのサイズは Shift キーと同じ。また、他の Chromebook にはない通知を開閉するボタンが右上にあり、スペースキーの左には Google アシスタントのボタンがあります。キーボードはちょうど良いキーストロークと抵抗感で心地よく、タイピングのしやすさは手持ちの MacBook より優れていると思いました。タッチパッドの左右と底板の白い部分はラバーのような質感のシートが貼られています。ツートンカラーの外観なので、Pixelbook のデザインに上手く溶け込んでいますが、この部分はタブレットモードやスタンドモードとして使用する時のグリップとしても機能します。外装は良く考えられているように見受けられます。Pixelbook は Chrome OS 62 の安定版を搭載して出荷されています。もちろん Google Play ストアのアプリを搭載しており、Android アプリを使用することもできます。OS が他の Chromebook と共通しているので、基本機能は他の Chromebook と大差ありませんが、「Pixelbook ペン」と呼ばれる $99 の筆圧スタイラスペンを使えば、Google Keep にペンで描いたメモやノート、イラストを保存することができます。今回、Ppixelbook ペンは購入しなかったので、実際には試していませんが、SHIELD Tablet に付属している先細のペンはほぼ反応しなかったので、タッチペン機能の利用には Pixelbook ペンが必要のようです。ペン機能に対応したアプリはいくつか選択できます。デフォルトは Google Keep です。また、Chromebook で最初に Google アシスタントに対応し、スペースキーの傍に搭載されたアシスタントボタンで起動することができます。ただ、現在は日本語非対応です。スペックからも分かるように Pixelboook は高性能な Chromebook です。Octane 2.0 のベンチマークスコアは 31,413 点でした。比較的性能の良い ASUS Chromebook Flip 2(Core-m3 + 4GB RAM モデル)のスコアが 21,254 点だったので、Pixelbook の最安モデルは約 1.47 倍高いスコアを出したことになります。最上級モデルは Core-i7 や 16GB RAM を搭載しているので、スコアはもっと上がるはずです。参考までに Antutu アプリのスコアは 176,006 点でした。Snapdragon 835 端末並みです。Chrome OS は Chrome ブラウザを中心にした OS なので、基本的には全ての作業を Chrome ブラウザで行いますが、Android アプリも使用できるので、アプリと Chrome を併用することもできます。複数の Android アプリを Windows のように並べて使うこともできます。次の写真は Twitter、Google Play ストア、Abema TV のアプリを利用しています。Android アプリをフルスクリーンで使えば、まるで Android ノート PC です。Excel などのオフィス系アプリの使用に適しています。タブレットモードにすれば電子書籍リーダーとしても使えます。Pixelbook のベゼルは比較的厚めに作られていますが、これはタブレットモード時に持ちやすくするために、敢えて厚めに作ったのでしょう。ただ、いくら薄型端末と言っても重さは 1.1kg もあるので、ずっと持っていると手が疲れます。Pixelbook のバッテリー容量は 41Wh で、Google は 10 時間使用できるとスペックシートに記載しています。実際のところ、フル充電時の見積もり時間は「約 9 時間」で、この状態で YouTube 動画を流し続け 64% まで減った時点で残りは3 時間 51 分」でした。バッテリーの使用時間は端末の使い方によって大きく変わりますが、画面が常時点灯した状態の動画再生時間は 5 時間前後と言えるでしょう。体感的には 12 インチの MacBook 並みでしたね。

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