谷川岳の紅葉と温泉を満喫!はましゃかオススメ、秋の群馬女子旅へ
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「私、受難が好き、かもしれません」
《受難=神学用語で、イエス・キリストの裁判と処刑における精神的および肉体的な苦痛のための言葉である。(出典:ウィキペディア)》
新宿のお洒落なカフェで、びゅうたびの編集担当に思わずそう口走ってしまった。
「はましゃかさんに、462段の階段がある駅に行ってほしいんです」
「よ、よんひゃ……?」
私は役者やモデル、ライターをしている美大生。
写真と文字を組み合わせた「しゃかコラ」という画像をインスタに投稿していたり、失恋すれば事細かにブログに報告したりしてしまうような、お祭り気質の人間だ。
来るもの拒まず精神で興味あるものに突っ込んでいく私に訪れた自由すぎるお誘いに、
思わず出たのが冒頭の言葉だった。
それを聞き、ニヤリと笑う担当さん。
新幹線に乗って、温泉に入って、旅館に泊まれ、紅葉写真も撮り放題!
そのついでに、日本一のモグラ駅に行ってきてください。そんな企画だった。
モグラ駅って……? という単純かつ重要な疑問が、温泉という言葉によってかき消される脳内。
「おんせん!!! 行きます!!!!」
大喜びで、友人でカメラマンのおおもりめぐを誘い、
無知な2人は喜び浮かれてJR東京駅に向かったのであった。
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新幹線に大興奮。飛び乗るのは、上越新幹線「とき」!
みなかみ温泉郷で自由すぎる散策、贅沢すぎる旅館
1時間ほど乗車して、「JR上毛高原(じょうもうこうげん)駅」で降りると
\ようこそぐんまへ!/の文字。
体を走り抜ける衝撃。
なんと、私が降り立った場所は、奥利根(おくとね)という名だたる観光名所へ続く出発駅だという。
地理に疎すぎて、何も知らずにこんな所を訪れてしまった自分を恥じるも、
駅には本日お世話になる旅館、水上館の送迎バス(要予約)がすでに到着していました!
最上階のお部屋に通されると、まさかのこの景色!
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これは……! 贅沢すぎる!!!
ここまで来たら、温泉旅館の醍醐味、全部味わってやろうじゃないかっ!
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お茶菓子を食べながら、窓の外をのんびり眺め、浴衣を着てみたり、
向かい合った椅子に座っておしゃべりしてみたり。
ここにいたらSNSのアカウント全部消して、水彩画を描きながら人生を終了させてしまいそうだ……あれ? それこそが幸せ……これが「#丁寧な暮らし」……?
現世を忘れそうになるも、空腹という煩悩によって現実に引き戻され、旅館周りの散策へ。
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丁寧な暮らしを忘れ、紅葉に背を向け写真を撮る弱小インスタグラマー。
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宿を出て、温泉ロードをぶらり旅。
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宿から5分ほど歩くと「湯原温泉公園」が。手湯と足湯が気持ちいい……!
さらに5分ほど“ふれあい通り”という小路を進むと……
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かわいらしいパン屋さんを発見!
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ご当地りんごを使用したアップルパイが絶品!
こちらのお店は手作りパンとカフェの店 気ママ屋さん。
突然の取材にも温かく応えてくれました。
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散策と食べ歩きで小腹を満たしたあとは、旅館に戻って温泉へ!
なんと水上館、旅館の中に「牧水の湯」「水晶の湯」「奥利根八湯」の3か所の温泉があるという豪華ぶり。すべてクリアすると15の湯船に浸かることができるのです!
まず向かったのは、「奥利根八湯」。
混雑のため撮影ができなかったので言葉で伝えると、そこにいたのは8人の王子たち。
「君は誰を選ぶんだい?」
「そんなの選べない! みんな大好きなの!」
「僕はハグが得意。おいで!」「俺は抱き枕」「オレは耳かき」「僕はポエムを」
(……以上妄想です。檜、洞窟、クリスタルなど個性あふれる湯船たち、サイコーでした)
温泉でポカポカした足取りのまま、
1日2組限定という水上館内の個室お食事処「四季亭」へ!
きらびやかな琴の音色とロマンチックな照明に誘われると、なんと入口に「はましゃか様」と名前が……。
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慣れない待遇にとまどいつつ席に着くと、待っていたのは至福の嵐!
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「大変! お肉が光ってる!」
メインの上州牛陶板焼を“さるなし(キウイ)”’酢味噌でいただきます。
感動のあまり掲載ギリギリの表情。
左手には松茸と鯛のお鍋……贅沢のキャパオーバーを迎える私。
2日目。
全身ポカポカのまま、日の出の光に起こされます。
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昨日の豪華絢爛な食事とありえない絶景、贅沢な温泉は、夢だったのか……?
窓を開けると、まだそこにある景色。泣きそう……
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目をこすりながら朝食処に向かうと、この光!
水上館の皆さま、お世話になりました! きっと、また必ず!
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宿の送迎バスでJR水上駅周辺へ。お土産屋さんが立ち並び、地元の方が立ち話。いいなぁ……。
のどかな景色を眺めながら、JR上越線に乗り、わずか数駅で本日の目的地その1・JR土合駅に到着。
恐怖の土合駅!たどり着いた先に見たものとは!?
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
エッ……駅? ここ駅?
カメラマン「ごめんここ……ツイッターで見たことある……ちょっと前に、すごい話題になってた……てかなんか……心霊スポットって書いてあった……」
それ今言っちゃダメなやつ!!!!!
???現代日本???
一歩ずつ上り始めたものの、地上ははるか彼方。進めば進むほど光が遠のく、この感覚。
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とここで、カメラマンが頭痛と吐き気に襲われ、グロッキー状態に。お決まりの展開すぎて怖い。
それでも2人で肩を貸し合いながら、一歩ずつ進めばゴールは見えてくるわけで……
着いた〜〜〜!!!
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……煽り芸に秀でた土合駅。
怒りで口元が震えるのを抑えながらふと窓の外を見ると……
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えっ……??? ※土合駅からの景色です
階段を上り終えた所にあったのは、窓から見える絶景。川の水が透けてる……!
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この階段を上ってまで、この駅を訪れたい人たちのいる意味が、やっとわかった。
462段を終えてからの道は、まるで天国のよう……。
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モグラ駅と呼ばれる「土合駅」とは、こんな素敵な駅だった。
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さあ、バスに乗って、次なる目的地へ!
絶景の谷川岳!色見本帳を広げたような風景に、めまいが……
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土合駅から7分ほどで、谷川岳ベースプラザ(土合口駅)に到着! さっそくロープウェイに。
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この景色……!!!
絵の具をこぼしたような色、色、色。
普段見慣れた都会の色彩よりもあまりに鮮やかなこの風景に、息が止まる……
街路樹だけの紅葉を横目に、ハロウィンが終わったらクリスマス! なんて世間のお祭り騒ぎに巻き込まれていたうちに、山の世界では秋にこんな魔法が起こっていたなんて……
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山の頂上に近づくにつれ、その色合いはさらに濃く、深くなって……!
ロープウェイで到着したのは、谷川岳天神平!
この日は雲ひとつない、超がつくほどの快晴。
お日様がぽっかぽかで暖かい所に、風が冷たくって最高に気持ちいい!
その先に待っていたのは、なんとリフト!
肌に風を直接感じて谷川岳一帯の景色を眺めるのって、なんて最高なんだろう……!
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心地よい秋の風を全身で受けられる天神峠ペアリフトは、最高に盛り上がる瞬間。
カップルも女子旅も思い出が深まること間違いなし!
ついに「天神峠展望台」に到着! 鳥居があってなんだか神聖な空気。
冬支度真っ最中の谷川岳と澄み渡る青空を全身で感じて大きく深呼吸。
こんなにおいしい空気、いつぶりだろう。
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帰りのロープウェイで決心。紅葉のための旅行、これからも絶対したい!
土合口駅からバスを乗り継ぎ、30分ほどで水上駅へ。
黄色いラインの車両がかわいい上越線は、この旅を通して、私の大のお気に入りの路線になったのでした。
後ろ髪を引かれながら、約1時間でJR高崎駅に到着。
上越新幹線「Maxとき」に乗り込みます。
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高崎駅名物の「だるま弁当」で、山の幸を堪能!
とっても遠くに来た気持ちでいたけれど、
新幹線に乗ると、あっという間に東京駅に着いてしまって、
私が旅した場所は、すぐ行ける距離にあったということを実感。
土合駅は、日本一深くて、とても美しい駅だったということ。
私が見ない間にも、谷川岳は毎年その葉の色を変えていたということ。
この日本には、私のまだ知らない電車や駅がたくさんある。
次は、スキーをしに、また来たいな。
そんなことを胸に誓った帰り道。
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「受難が好きなんですよ」
そんな冗談を言って始まったこの旅だったけれど、
気がつくと最寄り駅の階段を、あえて上っている自分がいたのだった。
photo・ おおもりめぐ/はましゃか
谷川岳の紅葉と温泉を満喫!はましゃかオススメ、秋の群馬女子旅へは旅するメディア びゅうたびで公開された投稿です。
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