現役大学生36名に聞いた! 「住んでから分かった」3つの不満
平成26年度学生生活調査(JASSO)によると、大学(昼間部)に通う学生のうちアパート等に住む割合は38%、学生寮は5.5%と、およそ4割が大学進学をきっかけに親元を離れて生活していることが分かります。
初めての部屋探しは分からないことだらけ。そのため、住み始めた後に部屋や街に対する不満が出てきて、後悔することもあるかもしれません。そこで、現在一人暮らしをしている大学生のグループインタビューを実施して分かった、学生の「部屋探しの実態」と「住んでから分かった不満」についてリアルな声を紹介します。
限られた日数で内見、見落としがちなポイントも多い?
今回、グループインタビューに協力していただいたのは、青山学院大学青山キャンパス(以下、キャンパス略)、慶應義塾大学日吉、上智大学四谷、日本大学船橋、日本大学文理学部、明治大学和泉、立教大学池袋、早稲田大学早稲田・西早稲田の計7大学9キャンパスに通う学生さんたち。まずは、部屋探しのスケジュールや探し方について聞きました。
明治大学(和泉)3年生/男性「2月に大学に合格して、部屋探しをスタートしたのは3月初めからです。最初は部屋探しのサイトで調べて、いい物件を3つほど選びました。それから3月10日に東京に出てきて、不動産屋さんを訪ねて相談したんです。自分で調べてきた物件以外にも、5件から6件おすすめされて、その日中に内見をして決めました」
立教大学(池袋)3年生/女性「3月初旬からネットで探しはじめて、いい物件があったらそこに決めようかと思っていました。でも、直接見てみないと部屋の良し悪しなんて分からないことに気付きました。そこで、1日だけ上京して学校近くの不動産屋さんに相談に行き、3物件ほど内見したなかから今の物件に決めました」
進学を見据えての部屋探しの場合、合格してからスタートするのが一般的。合否が分かるのは、推薦入試の場合は入学前年の10月から12月ごろ、一般入試の場合は入学当年の2月~3月ごろとなります。
大学生活を充実させるためにも、部屋選びは慎重に行いたいところですが、特に一般入試だと合格発表から入学まであまり時間がありません。いい条件の部屋は早くに埋まってしまうし、短期間で探す必要があるなかで、じっくり吟味できずに後悔してしまうケースもあるようです。
先輩たちが条件面で重視したポイントは「キャンパスまでの距離」
条件面ではほとんどの学生が「キャンパスまでの距離」を重視していました。
早稲田大学(早稲田)3年生/男性【最寄駅:早稲田駅(東京メトロ東西線)】
「大学生協に仲介してもらって、早稲田エリアに詳しい不動産屋さんを訪ねました。高校時代は通学時間が長くて辛かったので、大学ではとにかくキャンパスの近くに住んで通学の負担を減らしたいと思いました」
立教大学(池袋)4年生/男性【最寄駅:下落合駅(西武新宿線)】
「はじめは池袋駅から電車で20分くらいの駅に住んでいたのですが、実際に生活を始めたら電車通学が辛くなってしまったんです。結局、歩いて学校まで行けるところがいいなと考え、下落合に住み替えました」
ただ、キャンパスによっては、「家賃が高いエリアなので、キャンパス近くには住めない」と話す学生もいました。また、都心部やオフィス街にキャンパスがある場合は、そもそも賃貸物件自体が少ないケースもあるようです。
ちなみに、住まいから最寄駅までの距離は「徒歩15分以内」を選んだ学生がほとんど。徒歩3分以内という人も少なくありませんでした。あまり遠いとバイト帰りの夜道などが不安ですし、繁華街などでよほど騒がしくない限りは、駅近くを希望する人が多数派のようです。
住んでみて分かった不満で多いのは「虫」「日当たり」「キッチンが狭い」
「住んでみてからガッカリしたこと」を聞いてみると、特に多かったのは、「虫」「日当たり」「狭いキッチン」問題。
■「虫」についての声
青山学院大学(青山)3年生/女性「1階で窓側に建物が立っているので、日当たりが悪く、湿っぽくなります。乾燥剤を大量に置いてもなかなか解消されません。しかも、ゴキブリが大量発生するんです。ベランダに洗濯物を干したらゴキブリがくっついていることもあって、それはもう衝撃でした」
慶應義塾大学(日吉)2年生/男性「2階なのにこの前お風呂の排水溝からゴキブリが出てきたんです。けっこうショックでした」
日本大学(船橋)4年/男性「1階に住んでいるのですが気になるのは、花壇があるせいか、蟻が部屋に侵入してくること。虫が苦手な人は階数もよく考えたほうがいいんじゃないかなと思います」
■「日当たり」についての声
立教大学(池袋)4年生/男性「東向きなのですが、角部屋ではないので、日当たりが良くなくて暗いです」
日本大学(文理学部)3年/女性「向かいにマンションが立っているため、日当たりがすこぶる悪いこと。風通しも悪いので、洗濯物が乾きにくいです」
早稲田大学(早稲田)3年/男性「日当たりが良すぎて、夏はクーラーをつけないと室温がかなり高くなってしまうのもマイナスですね」
■「狭いキッチン」についての声
青山学院大学(青山)4年/女性「部屋の満足度は高いのですが、あえて挙げるなら1口コンロなので不便なことですかね」
上智大学(四谷)大学院1年/男性「悪いところは、キッチンが狭いところ。基本はコンビニで買うか外食ですが、キッチン広かったら自炊していた……かもしれないです(笑)」
上智大学(四谷)2年/女性「キッチンが狭くて、作業する場所がないのが不満ですね。まな板で調理するところがないので、シンクと冷蔵庫の間にある30cmほどのわずかなスペースを使っています。キャスター付きのサイドテーブルのようなものを買って調理場所を確保していますが、かなり不便ですね。自炊をするならキッチンの広さや使い勝手はきちんと確認したほうがいいと痛感した次第です」
ほかには、収納が狭くて片付けがうまくいかないという人など、部屋の設備が生活スタイルを大きく左右すると、身をもって実感している人も多いようでした。
一方、しっかりとリサーチして条件を絞ったものの、なかなか部屋が見つからなかったという学生も。
慶應義塾大学(日吉)2年/女性「『2階以上』『徒歩10分以内』『バス・トイレ別』『2口コンロ』にこだわりました。探し始めてすぐ、いいなと思う物件がいくつか見つかったんですけど、検討しているうちに埋まってしまって……。そこで、希望条件と合致する今の部屋を見つけたときには2時間で決めてしまいました」
条件・家賃・キャンパスまでの距離などを総合して探そうと思うと数は絞られてきてしまいますが、それでもなるべく多くの選択肢のなかから比較・検討したいところ。安易に決めず、粘り強く不動産会社に相談してみることも必要かもしれません。
キャンパスがどこにあるかによって、選べるエリアも多種多様。東京圏の大学に通う学生も、アクセス次第では、埼玉・千葉・神奈川方面も視野に入れると、割安で好条件のお部屋も見つかりやすいかもしれません。
また、エリアの満足感が上がる要素として、激安スーパーやドラッグストアなどが住まいの近くにあること、チェーン店ではない、日常使いができるレストランや食堂などが充実していることなどが、よく聞かれました。
設備やエリアといった条件が満たされてこそ、納得したうえで住み続けられるものです。限られた期間、かつはじめてのひとり暮らしとあって、不安なこともあるかもしれませんが、在学生の後悔ポイントを参考にしてみてくださいね。
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