マシンでエサを連射ッ!! 瀬戸内海の“オリーブハマチ”養殖場がおもしろい
「うどん県。それだけじゃない、香川県。」
……というのが、最近の香川県のキャッチフレーズである。
確かに、「それだけじゃない」。実は香川県は、日本で初めてオリーブが根付いた地であり、世界で初めてハマチの養殖に成功した地でもある。みかん色の日差しに、青く静まる瀬戸内海。香川の自然は、豊かな農産物や海の幸を育んできた。
そのオリーブとハマチを合体させたのが、香川名産、“オリーブハマチ”だ。オリーブの葉のパウダーを、新鮮なイワシのすり身に混ぜ込んだ餌を与えることで、香りさわやか、鮮度長持ち。しかもオリーブは香川の県花、ハマチは県魚なので、非常に香川度の高い名産品が出来上がる。
しかし……本来、海にオリーブはない。野生では小魚を食べている、肉食系(というか魚食系)のハマチが、果たして、オリーブの葉の混ざった餌を食べてくれるものだろうか?
めっちゃ食ってる。
船上からマシンガンのように連射される餌を、ハマチたちはぐるんぐるん回りながら爆食いしている。しかも、いけすの周りには、チヌ、サヨリなど、野生の魚たちまで餌を目当てに集まってくる始末。そんなにおいしいのだろうか? ハマチ養殖の船を見学させていただいた。
ハマチ養殖船を見学
こちらが、オリーブ葉パウダー。
漁師さんに「なめてみてもいいですか?」とお聞きしたところ、「私はなめたことないけどいいですよ」という返事だった。ひとつまみ、口に運んでみる。
「あっ……おいしい、抹茶っぽい。なんか爽やかな香りがします」
「えっ? おいしいんですか?」
漁師さんもなめていた。そこらじゅうが爽やかな香りになった。
こちらが、ハマチのキッチン。
爽やかオリーブ葉パウダーと、北海道や千葉・銚子などから急速冷凍で直送されたフレッシュなイワシのミンチを混ぜ合わせている。このイワシも、漁師さんによると「俺が食べてもいいくらい」のクオリティだそうだ。
オリーブハマチを食べてみる
早速、実食。写真左が通常のハマチ、写真右がオリーブハマチだ。若干、色が明るいのがお分かりいただけるだろうか? オリーブの抗酸化作用により、オリーブハマチは鮮度が長持ちするのだ。
お刺身一切れを醤油につけただけで、この脂!
なのに、まさにオリーブオイルのように喉越しあっさり、脂っこくない。香川の言葉では「むつごくない」と言うそうだ。
ハマチの漬け丼、ハマチしゃぶしゃぶ、ハマチ大根。ハマチはブリになる前のやつなので、ブリしゃぶやブリ大根みたいにして食べられるというわけだ。ブリよりも身がきめ細かいように思う。
このオリーブハマチを獲れたての鮮度で味わうのは、紅葉やオリーブ収穫期も同時に迎える、秋の香川を訪れてこその贅沢だ。今回オリーブハマチ料理をいただいた、香川県高松市「さざなみ亭」(http://www.sazanamitei.com/)では、オリーブハマチ会席(要予約)が味わえる。
(スクリーンショット:http://www.pref.kagawa.lg.jp/content/etc/web/upfiles/wpwkp5171003172937_f01.pdf)
なお、2017年11月現在、香川県では『オリーブハマチうどんキャンペーン』を開催中である。香川県高松市内の5店舗が、各店趣向を凝らした“オリーブハマチうどん”を提供。スタンプラリーで5店舗制覇して応募すると、抽選で30名に、香川県産の初摘み海苔・大羽いりこセットがもらえるというものだ。
特に、2017年11月3日から5日までの3連休は、各店舗サービス価格で提供される。うどん県、それだけじゃない、香川県。うどんだけじゃなく、オリーブハマチという香川ならではのグルメを、この機会に楽しんでみてはいかがだろうか。
『オリーブハマチうどんキャンペーン』は、オリーブハマチのシーズンが終わる2018年1月中旬ごろまでを予定している。
香川県公式サイト:オリーブハマチうどんキャンペーン
http://www.pref.kagawa.lg.jp/content/dir6/dir6_5/dir6_5_2/wpwkp5171003172937.shtml
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(執筆者: 牧村 朝子) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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