第53回 アン・ハサウェイ主演の巨大怪獣映画!『シンクロナイズド・モンスター』

第53回 アン・ハサウェイ主演の巨大怪獣映画!『シンクロナイズド・モンスター』

すぴ豊です。
来月は『マイティ・ソー バトルロイヤル』と『ジャスティス・リーグ』と2大アメコミ映画が封切られ、恐らくそのネタになると思うので、今月はそれ以外に気になる作品をご紹介します。

●今年はとにかく『キングコング:髑髏島の巨神』が素晴らしかったのですが、もう一つすごい怪獣映画が封切られます!

『シンクロナイズド・モンスター』(11月3日日本公開)です。
http://synchronized-monster.com/
アン・ハサウェイ出演の巨大怪獣映画!というだけでもすごいですよね。

NYで夢破れ、飲んだくれとなったキャリア・ウーマンが故郷の町に戻る。時同じくしてソウルに巨大怪獣出現! そして彼女は、この巨大大怪獣がなぜか”シンクロ”していることに気付く! というかこの怪獣は、ある意味、彼女のアバター(分身)なのです! 一体なぜ?ということでお話が進んでいきます。

実はこの映画の製作のニュースが伝えられときに、最初は確か東京に巨大なトカゲのような怪獣が現れ、アン・ハサウェイ演じるヒロインと心を通わせる、、と読んだ覚えがあったので、ゴジラと女性の交流を描いたコメディと思ったのですが、もっとシュールだった(笑)。
決して夢落ちとか、そういうお話ではない(笑)。『君の名は』で大災害が迫る村と東京の男の子が理由もなくつながっちゃいましたよね、、ああいう感じです。(こういう風に、日常ドラマと巨大スケールのお話が交差する物語手法を<セカイ系>と言うのだそうです)

この映画、深読みすればいくらでもいろいろな解釈が出来ると思います。
怪獣はアルコールで暴れまわって手が付けられなくことのメタファーかもしれないし、彼女自身が感じているストレスが怪獣という形で昇華されたのかもしれない。でもアン・ハサウェイはやっぱりかわいいし、怪獣がキュート。楽しめる作品だと思います!

SYNCHRO_kaiju.jpg

●今年はとにかく『キングコング:髑髏島の巨神』が素晴らしかったのですが、今年はもう一つすごいお猿の映画が封切られます!

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(10月13日日本公開)です。
http://www.foxmovies-jp.com/saruwaku-g/

これは11年の『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』、14年の『猿の惑星:新世紀(ライジング)』の続編にあたります。この11年から始まる『猿の惑星』は、1968年から計5本作られたSFのクラシックおよび2001年にティム・バートンによって作られた『PLANET OF THE APES/猿の惑星』を、新たな構想のもとにリメイクしたものです。

ものすごく大雑把に言うと、地球が人類ではなく猿に支配されてしまうというお話です。さて68年版&ティム・バートン版と、この11年から始まる3部作が大きく違う点が2つあります。まず前者は”既に地球は猿に支配されており、その未来に現代人がまぎれこんだ”という展開になっています。しかしながら11年からの新三部作は、猿が台頭し、やがてこの地球を支配していくまでのプロセスを描いています。科学者がある理由から猿を進化させようとするのですが、同時にそれは人類を絶滅させるウィルスを生んでしまう。この猿の代表がシーザーと呼ばれるチンパンジーです。

こうして猿の台頭と人類の破滅がはじまり=創世記、人類と猿が拮抗し=新世紀、その決着が今回の聖戦記です。
そして今までの『猿の惑星』と新三部作が大きく異なるのは、猿たちが主役ということです。猿人シーザーの視点で壮大なサーガが語られます。そして猿たちは決して人類を滅ぼすモンスターではない、のです。シーザーは猿と人間の共存を画策するが、人間側がこれを拒否、そして戦いになるわけです。
そして必ずしも人間たちも悪人ばかり、というわけではないのです。

僕らが『猿の惑星』というシリーズに期待する、銃を持った猿人みたいなキャッチーな部分やアクションは楽しませてくれますが、ちょっと考えさせられる寓話です。特に今回、人類から”あるもの”が失われようとします。実はそれがあるから人類は地球を支配する属になった、、と説明されます。それがなにか? 劇場でぜひ確認してください。僕はかなりグサっときました。

(文/杉山すぴ豊)

◆◆◆

『シンクロナイズド・モンスター』
11月3日(金・祝)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

監督・脚本:ナチョ・ビガロンド
出演:アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス、オースティン・ストウェル、ティム・ブレイク・ネルソン ほか
配給:アルバトロス・フィルム

2016/カナダ/110分
©2016 COLOSSAL MOVIE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

◆◆◆

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』
10月13日(金)公開
監督・脚本:マット・リーヴス
出演:アンディ・サーキス、ウッディ・ハレルソン、スティーブ・ザーン、カリン・コノバル、アミア・ミラー ほか
配給:20世紀フォックス映画
2017/アメリカ/140分

■関連記事
第52回 ついにリリース!「MARVEL VS. CAPCOM: INFINITE」の魅力とは?
青春コメディ×スーパーヒーローアクション! こんどのスパイダーマンがキュートすぎる理由(わけ)
第50回 日本発のスーパー戦隊を逆輸入! 『パワーレンジャー』ってなに!?

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. 第53回 アン・ハサウェイ主演の巨大怪獣映画!『シンクロナイズド・モンスター』

BOOKSTAND

「ブックスタンド ニュース」は、旬の出版ニュースから世の中を読み解きます。

ウェブサイト: http://bookstand.webdoku.jp/news/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。