「グルーポン」急成長の理由

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「グルーポン」急成長の理由

 インターネットの普及がビジネスにもたらした影響の大きさは疑いようもなく、特に起業において、インターネットはその障壁を越えやすくしたといえます。つまり、インターネットによって、起業家たちはお金をかけず、短期間で起業することができるようになったのです。
 しかし、ITによる事業を始めた会社の中でも、10年後まで生き残っている会社はほんのわずか、ほとんどは道半ばで何らかの問題に直面し、倒産してしまいます。
 そんななか、イノベーションを継続的に生み出せる起業術として注目を集めているのが「リーン・スタートアップ」といわれる起業スタイルです。
「リーン・スタートアップ」とは、「起業時にムダを徹底的に排除し」、「事業を進めながら発見し」、「顧客を開発していく」という起業手法で、これまで良しとされてきた長期間にわたる綿密な計画・調査の末にようやく事業を開始するといったやりかたとは一線を画しています。
 とはいえ、これだけではわかりにくいので、今回は『リーン・スタートアップ』(エリック・リース/著、井口耕二/訳、伊藤穣一/解説、日経BP社/刊)からリーン・スタートアップにより成功した企業の事例を紹介します。

■大きく考え、小さくスタートする。(ザッポス)
 総売上高が10億ドルを超える世界最大のオンライン靴店であるザッポスも、起業時はこじんまりとしたものでした。
 創業者であるニック・スインマーンは、ここに行けばどんな靴でも買えるというオンライン・ショッピングサイトを作ろうとしていましたが、彼は多くの企業がやるように、十分な時間をかけてビジョン全体をテストすることはせず、その代わりに顧客を使った実験を行いました。
 靴が売れたら売値で買うと約束し、近所の靴店に頼んで在庫品の写真を撮らせてもらい、その写真をウェブにアップして販売したのです。
 これにより、オンラインでも相当数の顧客が靴を買うこと、つまりニックの事業アイデアの有望性が証明され、買う際に顧客はどのように動くか、返品などの予想外の行動など、既存の市場調査では得られない情報が多々得られたといいます。
 ザッポスの例は「リーン・スタートアップ」の「起業時の無駄を省く」「事業を進めながら発見していく」が成功したケースだといえます。

■ブログから10億ドル事業へ(グルーポン)
 日本でも話題になった共同購入型クーポンサイト「グルーポン」も、スタート時はいちブログに過ぎませんでした。創業者のアンドリュー・メイソンは専用のブログを立ち上げて「このTシャツを買いたい人いますか? 色違いが欲しい方はその旨を電子メールに書いて送ってください」というエントリーを毎日更新するという、極度に小規模かつシンプルなビジネス始めました。メールフォームもないほどで、本当に必要最小限でのスタートでしたが、実際にビジネスを始めてみることによって顧客の動向がつかめ、共同購入クーポンというアイデアが人気を見込めるものだとわかったのです。
 このように無駄なく、シンプルにスタートすることで、実地で顧客から学ぶということをより素早く始められ、またうまく行かないときは素早く舵を切ることができます。これが「リーン・スタートアップ」の大きな利点です。

 本書には、最も成功確率の高い起業法として注目される「リーン・スタートアップ」のポイントや具体的な手法が、実例を交えて解説されています。
 起業は今や特別なことではありません。それだけに生き残るためには起業の「やり方」が重要になってくるはず。
 特にIT分野で事業を始めたいと考えている人にとっては、本書はその道筋を示してくれるかもしれません。
(新刊JP編集部)



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