完璧とも思える商品力を持つ、ボルボ XC60(海外試乗レポート)
▲ボルボの世界売上げ高の約30%を占めるという、人気のプレミアムミドルクラスSUVの2世代目。“アクティブなライフスタイルに完璧な車”とうたれる。XC90と同じ軽量なSPAプラットフォームを採用、ボルボらしい充実の安全・快適装備も上級モデル並みに用意されている
大胆な進化で独自のポジションを確立しそうな意欲作
昨年導入された新型XC90以降、出るモデルのどれもが実にスタイリッシュなボルボ。新型XC60も、そんなボルボの最新のデザイン言語を取り入れて、大胆に変化しての登場となった。
独創的なディテールと、まさに90シリーズと共通の新プラットフォームが可能にしたショートオーバーハング、ロングノーズのプロポーションと相まって、外観は実に見栄えがする。こちらも90シリーズと同様、縦型タッチスクリーンを使ったインテリアの仕立ても上々。見た目だけでもこの車、説得力は十分にある。
走りの面では、あえてスポーティさには振らず、快適性に注力。エアサスペンション付きの試乗車の乗り心地は驚くほどソフトで、快適性はXC90よりも上と評せるほどだった。もちろん、それでも操縦安定性にはまったく不満はない。
先進安全装備の充実ぶりも、さすがボルボだ。自動ブレーキだけで衝突を避けきれないときのブレーキ制御による回避アシスト、対向車線へのはみ出し、あるいは後続車がいるのに気づかず車線変更しようとしたときの操舵による引き戻しなど、新たに3つの機能が備わっている。
商品力はほぼ完璧とすら思えるXC60。あえて言うなら個人的にはデザインはもう少し若々しくても、と思うが、一般的には成功が約束された車だと言ってもいいと思う。日本にはガソリン、ディーゼル、そしてプラグインハイブリッドがこの秋にも上陸予定だ。
▲T字型LEDポジションライトなどをもつ、最新ブランドデザインを採用したエクステリア
▲直感的操作を可能とした独自のシステム(センサス)を採用。縦型のセンターディスプレイに操作系を集約することで、できるだけスイッチ類を減らし、すっきりとしたインテリアに
▲充実の安全装備には、オンカミング・レーン・ミティゲーションやBLISなどで活用される、ステアアシストを追加。車線維持支援機能のパイロット・アシストも用意される
【SPECIFICATIONS】
■グレード:D5 AWD ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1969cc
■最高出力:235/4000[ps/rpm]
■最大トルク:480/1750-2250[n・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長x全幅x全高:4688x1902x1658(mm) ■ホイールベース:2865mm
text/島下泰久
photo/ボルボ・カー・ジャパン
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