次期ヤリス(トヨタ ヴィッツ)海外版は3ナンバーサイズ
▲TNGA-Bプラットフォームが用いられて、低重心化が図られる次期ヤリス。国内向けと欧州仕様で、一部の外板パネルや足回りが差別化されて作り分けられる予定だ
次期ヤリスの開発日程をつかんだ
2017年1月に大掛かりなマイナーチェンジが施され、さらにはハイブリッド仕様も追加された、トヨタ ヴィッツ。このことからもわかるように、世代交代が実施されるのは数年先なのだが、トヨタ社内では次期モデルの開発が進んでいる。スクープ班は今回、開発スケジュールを入手した。
すでに外板デザインは確定していて、図面の作成が始まっている。2017年内に修正を経て完成する見通しだ。驚くべきことに、2つのタイプが並行して開発されている模様。ひとつは5ナンバー幅のナローボディ。もうひとつは3ナンバー幅のワイドボディだ。つまり、次期モデルには日本国内の規格を見据えた、全幅1700mm未満のナローボディと、制約がなくてのびのびとしたデザインが実現できる、ワイドボディの2種類が存在する。
後者は欧州や北米など、海外マーケット向けに用意されるもので、競合車に負けないダイナミックな造形が与えられるに違いない。余談ながら、日産が欧州向けマイクラをマーチから切り離し、3ナンバー幅ワイドボディを与えたことは記憶に新しい。
▲3ナンバー幅に拡大され、マーチから完全に独立した、欧州向けの日産 マイクラ。900cc直3ターボが搭載され、BOSEオーディオも用意されている。フランスにあるルノーの工場で生産
2019年に欧州のモーターショーでコンセプト版を披露か
2018年後半からはボディ、シャシー、CVTなどのコンポーネントが順次、評価されていく。なかでもシャシーはTNGA世代の新開発プラットフォームとして、長く使われるだけに、高い完成度と素性の良さが要求されるだろう。
先行して開発されるのは、ナローボディ。こちらは2019年夏に1次試作、同年秋に2次試作、そして同年秋に量産試作が組み付けられる。2020年初頭に品質確認が行われた後、同年2月から国内で生産が始まる。2019年春からは、ナローボディをベースに、ワイドボディ用に一部パーツの改修が始まる。メンバー類やインナーパネルが作り直され、同年秋に1次試作が、年末に2次試作が製作されて、テストに用いられる。
ワイドボディの量産試作と品質確認は、ナローボディの生産が始まった後に、フランス工場で行われ、2020年6月から現地で生産される見通しだ。このスケジュールから逆算すると、2019年春のジュネーブモーターショーまたは、同年秋のフランクフルトモーターショーで、コンセプトモデルを披露か。
世界戦略を練る部署と国内営業部門の一騎打ち
次期モデルだが、ヴィッツの車名を、世界統一名のヤリスに変更する旨が検討されているようだ。これは、WRCで健闘しているラリーマシンとのイメージ統一化が目的に込められている。
これに対して、18年近くもヴィッツのブランドを育て、浸透させてきたネッツ店から反対意見が巻き起こっているとの情報を得た。トヨタ社内で国内営業を管轄している部門も難色を示している模様で、グローバルな視点で戦略をもんでいる部署との折衝は今後も続くだろう。
7月26日にお伝えしたとおり、オーリスの改名が濃厚になっている中、ヴィッツのネーミングも現行モデル限りで消滅してしまうのか、目が離せない。
※2017年9月13日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません
【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2020年2月
■全長×全幅×全高:3880×1695×1495(mm)
■搭載エンジン:1.2L 直3 他
【関連リンク】
2017年7月26日公開記事「次期トヨタ オーリス、カローラハッチバックに名称変更」はこちら
text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部
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