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隣人の生活音が聞こえない家に住みたい! そんな家を見つけるコツってあるの?

隣人の生活音が聞こえない家に住みたい! そんな家を見つけるコツってあるの?

集合住宅に暮らしていると、隣人や階上からの「音」に悩まされることがある。あるいは逆に、自分の生活音によってトラブルに発展することも……。賃貸物件を探す際、音に悩まされない部屋を見つけるにはどうしたらいいのだろうか? 専門家に聞いた。

建物を建てる際に順守すべき「防音基準」は、ない!

まずお話を伺ったのは一級建築士の佐川旭氏(佐川旭建築研究所)。そもそも、集合住宅用の建物をつくる際に、防音の基準などは定められているのだろうか?

「建築基準法では『壁の厚さ』の基準は定められていますが、音に対しての定めはありません。防音に関する規定があるのは『環境基本法』です。住宅専用地域であれば昼間は55dB(デシベル)以下、夜間は45dB以下。商業と住居が混在している地域であれば昼間は60dB以下、夜間は50dB以下となっています(第16条)。ちなみに、渋谷のスクランブル交差点で80~90dBくらいといわれていますね。ただ、このdB値は『建物の外の音』に関しての基準であり、建物内、つまり隣人の音に対しては適用されません」(佐川氏)

また、建築基準法による「壁の厚さ」も、音という点ではあまり関係がないという。

「重要なのは、壁と壁の間に『どういう施工をしてあるか』ということ。例えば、断熱材がしっかり入っていれば音は聞こえにくくなります。なかには石膏ボードを2枚重ねて遮音性を高めているケースもあります。

ただ、上下階の場合は壁の厚さが重要になります。床構造をつくるスラブというコンクリートの厚さは、分譲マンションの場合だと20cmくらいが標準的な厚さです。賃貸用の場合はよほどの高級物件でない限り、それより薄いのが一般的ですね。スラブを厚くすれば、そのぶん基礎工事にもお金がかかります。結局は、大家さんがどの程度防音に対して気を配っているか、ということに尽きると思います」(佐川氏)

住まいの不満トップは上階や隣人からの“音”。音に配慮した賃貸住宅も登場

音というのは人によって感じ方が異なるため、基準を定めてルール化するのは難しいのかもしれない。とはいえ、音による隣人トラブルは確実に顕在しているため、住宅メーカーも防音対策に力を入れ始めているという。

賃貸住宅「シャーメゾン」シリーズを手掛ける積水ハウスによると、「住まいに感じる不満のトップは『上階や隣からの音がよく聞こえる』こと。特に、上階からの足音、人の話し声といった騒音が気になるとおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

そうした声を受け、当社では2010年より『SHAIDD(シャイド)』という高遮音床システムを物件オーナーの方へご提案させていただいております。現在、シャーメゾンシリーズの標準仕様となっている『SHAIDD55』は、上からの床衝撃音を一般的な鉄骨造の約半分に低減することが可能です」とのこと。【画像1】「SHAIDD」の断面図。衝撃音を吸収するダイナミックダンパーを天井下地に組み込むなど、いくつかの技術が特許を取得している。子どもが飛び跳ねたときのドスンという音、食器が落ちたときのコツンという音など、高い遮音性能を発揮する(写真提供/積水ハウス)

【画像1】「SHAIDD」の断面図。衝撃音を吸収するダイナミックダンパーを天井下地に組み込むなど、いくつかの技術が特許を取得している。子どもが飛び跳ねたときのドスンという音、食器が落ちたときのコツンという音など、高い遮音性能を発揮する(写真提供/積水ハウス)

なお、SHAIDDは現在11万戸以上に採用され、新しく建てられる賃貸住宅への採用率も高い。

「遮音配慮の技術自体は進歩していて準備はあるものの、普及していかなければ意味がありません。賃貸住宅の『上階や隣からの音が響く』というイメージを払拭し、入居者ファーストの訴求に向け、強力に推進を図っているところです」

音が気にならない家を探すポイントは?

ただ、増えてきているとはいえ、こうした遮音性の高さを売りにしている賃貸物件はまだまだ少ない。特に、個人経営のアパートなどでは、特別な対策がとられているケースは「ほとんどない」と佐川氏は指摘する。

では、そうした現状をふまえたうえで、それでも少しでも「隣人の音」が気にならない部屋を探す方法はないのだろうか? そのポイントについて、賃貸物件の仲介を行うミニミニ関東本部の永田徹氏に聞いた。

「音を気にされるお客様にまずご提案するのは、分譲マンションの一部を賃貸にしている、いわゆる『分譲賃貸』です。家賃は割高になりますが、分譲賃貸であれば話し声や生活音が漏れ聞こえてくる心配はほぼありません」(永田氏)

また、予算的に分譲賃貸が厳しい場合でも、ある程度であれば隣人の音が気にならない部屋かどうかを推測する方法はあるという。

「注目すべきは、隣接する部屋同士や上下階の『間取りの配置』です。自室の壁の向こう側が、隣の部屋のどの部分と接しているのか? 壁一枚なのか、収納等が挟まれているのか? さらに、隣人の生活パターン(就寝時間等)が自分と一緒なのか? そういったことで音の問題はかなり違ってきます。仮に壁の向こう側がリビングだとしても、生活パターンが一緒の人であればリビングを挟むことで寝室同士が遠のき、就寝時の騒音はさほど気にならないと思います。しかし、生活パターンが違う人だと、就寝中にリビングでの生活音が気になったりするかもしれません。要は、隣の部屋と『どう接しているのか』をチェックすることですね。

上下階に関しては、水回りの関係もありますので、間取りは同じケースがほとんどだと思います。床の素材や建物の構造に注意しておくといいでしょう。上下の音は振動で伝わります。従って、硬い素材のほうが響きます。防音対策の度合いにもよりますが、フローリングよりも畳、鉄骨よりも木造のほうが振動を吸収してくれるので音が響きづらいこともあるのです。どうしても上の音が気になる方には、最上階をおすすめします。建物全体の間取りの配置は、不動産会社にいえば見せてもらえるはずです」(永田氏)

さらに、それでも騒音トラブルに巻き込まれてしまった場合を見据え、こんなアドバイスも。

「物件の管理を誰が行っているかというのも、意外と重要なポイントです。管理会社や大家さんにきちんと管理されている物件の場合は、トラブルに巻き込まれても、ある程度の対処をしてくれるはずです。実際に弊社が管理している物件でも音にまつわるご相談は数多く寄せられ、両者の間に入って解決にあたることも少なくありません」(永田氏)

たかが音、されど音。集合住宅での隣人トラブルは裁判にまで発展し、時に凄惨(せいさん)な事件に発展することすらある。それだけに無用なトラブルの芽は、できる限り未然に摘んでおきたいところだ。

もちろん、いくら遮音性が高くても、それを上回るほどの騒音をまき散らす非常識な隣人に当たってしまう可能性だってある。「住んでみないと分からない」ことも多いが、少なくとも選ぶ段階で、正しい知識・情報に基づいた目利きを行うことは重要といえそうだ。●取材協力

・株式会社 佐川旭建築研究所

・積水ハウス株式会社

・株式会社ミニミニ
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