【どんなクルマと、どんな時間を。】トヨタ ハリアー(現行型) × 日々トレーニングに励む消防士
車は単なる移動の道具ではなく、大切な人たちとの時間や自分の可能性を広げ、人生をより豊かにしてくれるもの。車の数だけ、車を囲むオーナーのドラマも存在する。この連載では、そんなオーナーたちが過ごす愛車との時間をご紹介。あなたは『どんなクルマと、どんな時間を。』?
▲この車を手に入れてから、行動範囲が広がったという足立さん。時間があれば楽しみながらトレーニング!
24時間体制で世の中の危機を守る男
「始業時刻が朝8時半」というのは、巷ではよくある話なのだろう。しかし足立 透さんの場合は“終業時刻”も朝8時半。つまり丸々24時間の勤務ということだ。
勤務中は、幸いにして何事もなければ、任務を安全に遂行するための各種トレーニングに励む。そして不幸にも“事”が起きれば、即座に車両に乗り込み、本当に文字どおりの「たとえ火の中水の中」の勢いで、現場へと急行する。
そう、足立さんは消防士だ。
長崎県の小さな島で暮らしていた少年時代、近所に住む友人の家で火災が発生した。焼け出され、呆然とする友人。なかなか到着しない消防車。ただ見ていることしかできない自分に対するいらだち。それらすべての感情と経験の帰結として、高校を卒業すると同時に、消防庁に消防士として就職した。
消防士になって7年。体力、気力、経験ともに脂が乗っている時期と言えるはずの足立さんだが、今なお現場に行くのは「怖い」という。自身の生命維持に対する恐怖。今回も使命を無事果たせるだろうかという不安。そういった心に打ち勝つため、前述のとおり、出動がない時間帯はひたすらハードな訓練に没頭する。
そしてオフの日は、1人で車に乗る
24時間の勤務が終わると、約2日間の非番となる。非番の日は、今年3月に手に入れたトヨタ ハリアーに乗って“自分だけの時間”を過ごすことが、非日常的な仕事で張り詰めた心と身体を弛緩させるための、最高の手段になるのだという。
そしてハリアーで向かう先は、サッカー場またはフットサルコート。小学校3年生のときに始めたサッカーを、25歳になった今でも続けている。
高校生の途中まではゴールキーパーだったが、「キーパーなのに実は部で一番足が速い」という特異点を見いだされ、サイドハーフに転向。現在も、東京都社会人サッカー連盟3部リーグに所属するクラブチームで、サイドハーフまたはサイドバックを務めている。
▲この日は、所属する社会人チームの仲間とトレーニング
▲幼い頃から続けてきたサッカーだけに、気持ちの良い場所でボールを蹴っているだけで子供心に戻り、楽しくなる
ただ、足立さんにとってサッカーは趣味であると同時に“トレーニング”でもある。
前述の恐怖心に打ち勝つため、非番の日もただ休むだけでなく、最低でも週に一度はボールを蹴り、鍛えたいと考えている。そのためのサッカーあるいはフットサルでもあるのだ。
▲試合に向け、1人でもトレーニングは欠かさない。それが結果的に、消防士としての身体づくりにもつながっている
ハリアーを手に入れる前は、河川敷などのやや不便な場所にある場合が多いサッカーグラウンドまでたどり着くのに、正直難儀した。
しかしハリアーを手に入れた今、その不便さからは完全に開放された。いつでも、どこへでも、自分のペースで行ける。そして、自分ひとりの時間を静かに堪能することができる。それが、車を手に入れて本当に良かったと思う点だ。
もちろん「足立消防士」あるいは「サイドハーフの足立クン」は、ただただ独りになりたいだけの人ではなく、今年5月に結婚した新妻と2人でハリアーに乗り、買い物などへ行くことも楽しみにする普通の青年でもある。なかなか互いの休みは合わないが、彼女とせめて1泊のドライブ旅行ぐらいには出かけたいと思っている。
移動の自由と、自分だけの場所、自分だけの時間を手に入れた足立消防士は今、静かに燃えている。人々の大切なモノを燃やさないために、自身の脂肪とハートを日々燃焼させているのだ。
~どんなクルマと?~
■ハリアー(現行型)
トヨタのラグジュアリーSUV。本モデルは2013年にフルモデルチェンジした3代目となる。初代から人気の高かったハリアーだが、現行型はより高級感を増したデザインになっている。
▲2代目に比べ全長が15㎜、全幅・全高が10mm短くなっており、排気量も2.4Lから2.0Lにダウンサイジングされている
~どんな時間を?~
■「趣味に集中できる空間」
▲愛車との時間は…… この車を探してみる 連載「どんなクルマと、どんな時間を。」過去の記事はこちらtext/伊達軍曹
photo/早川佳郎
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