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“盆栽プラモ”に”直火ウイスキー”と“緑茶ビール”を堪能! 家康の精神が今も生きる大人が楽しい静岡市面白スポットに行ってみた

いつまでたっても”新幹線で通り過ぎるだけの場所”と言うイメージが強い静岡県静岡市。世界遺産もあるし、徳川家康という歴史上の偉人も輩出しているのに、アピール下手な性格も手伝ってか、観光地としての魅力がよくわからないのが実情です。でも静岡に行かないのは実にもったいない。昨年初めて静岡駅で降り、その意外な良さに開眼した筆者が、今回も静岡の面白スポットをご紹介します。

神社にプラモを奉納!? 静岡市とプラモの意外なつながり

まずは静岡駅南口から徒歩1分の『静岡ホビースクエア』へ。一見何の変哲もないオフィスビルの3F、こんなところに? と思いきや、エスカレーターを上ると……

あった。なんか秘密基地っぽいぞ!

静岡市はプラモデル(プラモ)の出荷額が全国ナンバー1。そのシェアは実に9割近い。市内にはタミヤをはじめ、ハセガワやエムエムピー、青島文化教材社などメーカーがひしめき合い、長年プラモが作られ続けてきました。でも何故、静岡でプラモが作られるようになったのでしょう?

「家康公が静岡浅間神社を再建するにあたり、全国から優秀な職人を集めたのがはじまりです。職人たちは造営に携わった他、模型や漆器などの工芸品も手がけるようになりました。それが静岡指物や駿河漆器への特産工業に発展しました」。なんと、始まりは徳川家康!

筆者は昨年10月の静岡取材の折、静岡浅間神社でベテラン職人さんの話を聞きました。そのおじいさんは「ここの彫刻や装飾は、日光東照宮よりもいいよ」と自慢していたのを思い出します(記事はこちら→https://getnews.jp/archives/1546870)。「静岡市はプラモも静岡を代表する特産工業品の一つだと思っていますので、神社にもプラモデルが奉納されてるんですよ」。マジで!? 匠の技は歴史ある神社や工芸品だけでなく、プラモにまで受け継がれていったのか……。なるほど。

戦争とも関わりの深い、プラモの知られざる歴史

市内初の模型メーカー『青島飛行機研究所(現:青島文化教材社)』が設立されたのは大正15年。良質の木材が豊富に手に入ることもあり、昭和初期にかけてライトプレーンと呼ばれる簡単な飛行機のキットが生産販売されます。次第に戦争ムードが高まる中、模型飛行機は戦意高揚のために学校の指定教材として利用され、全国に出荷されるように。悲しいことに、物資不足が深刻化すると、パーツに使うゴム部分も不足してしまったそうです。

終戦後、GHQにより日本での飛行機の研究や設計、製造などはすべて禁止に。模型飛行機も例外ではなく、生産販売なども止められます。メーカーは困り果てたが、発想を転換し「それなら進駐軍のジープを作ってやろう!」。今度は車や戦艦など、飛行機以外の模型作りが盛んになりました。

昭和34年には、現在も根強い人気を博す『静岡ホビーショー』の前身、生産者見本市が開催。その翌年、ついにタミヤがオールプラスチックの戦艦大和を発売します。アメリカからもたらされたプラスチック製の模型を研究した国内初のプラモの誕生です。高度経済成長とともにプラモも大幅な発展を遂げ、日本ならではの”動くプラモデル”も多く作られるようになりました。

アメリカのプラモは動くことなく「作ったら終わり」ですが、日本のプラモは動く所が違う。この鉄人28号やアトムも動くそう。これがのちのミニカーやミニ四駆、RC(ラジコン)など、独自のホビー文化へと発展していくわけですね。

そして昭和55年、80代に入ってガンダムのプラモ、通称『ガンプラ』が登場し、ブームは最盛期を迎えます。

筆者は83年生まれなので、ガンプラはちょっと年上の男の子なら持ってた印象。今の若い子はプラモを作ったことがない人が多いらしいですが、筆者の世代くらいまではプラモ好きな男子は割といたように記憶してます。

プラモのパーツはだいたい一色刷りがだが、多色刷りはバンダイだけの技術なのだそうです。なんでも、彩色用のPET樹脂の溶解温度の違いを利用しているとのこと。正直、よくわからないけどめちゃくちゃ高度な技術らしいよ!

80年台後半~90年台には、ミニ四駆が大人気に。ああ、弟がいっぱい持ってた、ミニ四駆。アニメも一緒に見てた!早くするためにパーツがどうとか、削るのがどうとかって言ってたな。懐かしいな。

現在はプラモブームも下火になりつつありますが、その分、かつてプラモ世代だった大人向けの模型や、女性向けのプラモなど、ニーズに合わせて多様化しています。
可愛いお菓子のプラモもあるんですよ。

塗料なんかもメイクアイテムと間違ってしまいそうなデザイン。タミヤのロゴもパステルカラーになっていてすごく可愛い。

国内唯一の木製帆船模型キットメーカー、『ウッディジョー』の帆船。お城や東京駅などの建造物もあります。豪邸とかに住んでたらこういうの飾れるんでしょうね。

こちらはエムエムピーのミニカー。ミニカーとは言え、数千円以上の高級ラインアップ。まさに大人のコレクションと言った感じ。

デコトラは根強いファンがいるそう。トラックごとの個性的なデザインを見ているだけでも楽しいですね。

バンダイは静岡市のメーカーではないですが、生産拠点を置いているので、タミヤと肩を並べるようにバーンとブースが展開されています。壮観です。

ガンダム以外だと不動の人気を誇るドラゴンボール、

ポケモンGOの世界的ヒットも記憶に新しい我らがポケモン、

最近では『ラブライブ!』も。

プラモ以外では、塗装済み完成品フィギュアも売れているそう。『艦これ(艦隊これくしょん)』も人気とのこと。

ショップにはタミヤグッズが多数。実は筆者の父はラジコン飛行機が30年来の趣味で、現在も週末には飛行機を飛ばしに行っています。展示の中にラジコン飛行機はなかったけど、おかげさまで、家の中にはタミヤ製品が当たり前のようにありました(ノリの落ちたステッカーとかが、多分今もあるはず)。なのでタミヤのマークを見ると親近感があります。クリアファイルとか、Tシャツとかおすすめです。筆者はクリアファイルを買いました。

2011年にできた静岡ホビースクエア。普段だと出張のついでにフラッと寄ったサラリーマンたちが、次の休みにまた来よう!という感じでリピートしてくれるとのこと。駅チカで雨に濡れずに移動でき、ご紹介した常設展は無料で楽しめるのもポイント高し。

実際、30代以降の男性であれば何かしら「これ持ってた!」とか「欲しかったけど買ってもらえなかったな~」など、あの頃の思い出が蘇るプラモが見つかるのではないかと思います。もちろん「今もバリバリ現役で楽しんでるぜ!」という方にもおすすめです(もう来ているかもしれませんが)。

ショップを出た所でガンダム&シャア専用ザクが見送ってくれますよ。

あの頃プラモに熱中した少年たちよ、静岡駅に降り立った際は是非!

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