愛猫が部屋を自由に移動できる「ペットドア」。設置する方法は? 金額や期間はどのくらいかかる?
SNSや動画、ネットニュースなどで見ない日がないほど、人気が続く猫。さまざまな猫グッズがありますが、そのなかで「持っていないけど欲しい」の声が多い「ペットドア」。では、取り付けるための費用や注意点などは? 建材メーカーと実体験を紹介します。
ペットドア設置には「ドアまるごと交換」と「部分的に後付けする」の2種類の方法がある
猫の魅力はひと言では語り尽くせませんが(筆者も猫飼いです)、自由気ままな行動をあげる人も多いことでしょう。家中をわが物顔で自由に歩き回り、寝たり遊んだりして1日を過ごしています。なかには特技をもっていて、「扉を開けられる」そんな賢い猫もいるといいます。
しかし、「猫は扉を開けることができても、閉めない」「しょっちゅう扉を開け閉めしている」「家中の扉が開けっ放しで、冷暖房効率が悪い」といった悩みもつきません。ちなみに筆者は以前、わが家を訪れた親戚には「家中のドア、開けっ放し……」といわれたことがあります。
同じように悩む人は多いとみえ、持っていないけれど欲しい猫グッズランキングの第1位は、「ペットドア」なのだとか。個人的にも納得の結果です。
ペットドアは一般には猫用扉、キャットドアなどともいい、猫だけでなく、小型犬などがくぐり抜けられるサイズ(高さ30cm×幅20cm程度)の扉がある建具のことをいいます。取り付け方法は2種類あり、ドアそのものをまるごと「ペットドア付き」の製品に交換するか、現在、使用しているドアに「ペットドア」を後付けするかです。いずれの方法にしても、賃貸住宅では大家さん・不動産会社の許可が必要になるため、「持ち家になったら、ぜったい取り付けたい」と考える人も多いのかもしれません。
「ドアまるごと交換」する場合の費用は?
では、気になるお値段はどのくらいなのでしょうか。まずは、ペットドアがついた扉に交換する場合について、ペットドアなども扱う建材メーカー・大建工業に聞いてみました。
「扉と枠、金具セットで、8万7600円(※E0デザイン 扉サイズ:幅723mm×高さ1992mm)となります。価格はメーカー希望小売価格で、消費税・施工費は別途必要です。施工に関しては、他のリビングドアと同様なので、特別な対応はなく、数時間で終わります」と話すのは大建工業 住空間事業部・飯田さん。
また、リフォームで扉を丸ごと交換する場合は、今まで使っていた扉の処分費が必要になることもあるので、ご注意を。
扉にしては少々、値が張る気もしますが、「猫が通りやすいサイズ設計(32cm×21cm)になっているほか、くぐり戸の素材にはやわらかい軟質素材を採用。また、表面シートが耐傷性にすぐれた特殊強化化粧シートなので、ペットの爪等でも傷がつきにくい仕様になっています」とのことで、猫と人が長く使う商品と考えれば納得のお値段なのかもしれません。
リフォームやDIYで後付けすることも可能! でもガタツキが気になることも…
ペットドアを設置するための、もう一つの方法が、既存の扉に「ペットドア」を設置するというもの。ペットドア単体だけなら安いもので1枚1000円台程度から購入でき、通販サイトなどで購入することができます。これをリフォーム業者に取り付けてもらう(施工費が別途必要)か、DIYで取り付ける方法があります。
まずはリフォーム業者に依頼する場合。筆者はDIYに自信がなかったのでこれを選択、ドア2枚にペットドアを設置してもらいましたが、その工事費は2カ所で3万円ほど。所要時間は1時間程度でした。プロに施工してもらったので頑丈で、見た目にはそのままなじんでいましたが、施工から4年が経過した今、扉のガタツキが気になるように。見た目を重視し、扉を丸ごと交換した箇所もありますが、そちらはガタツキがまったく見られないので、やはりケチらずに丸ごと交換のほうが長く、安心して使える気がします(あくまで筆者の経験です)。
DIYで設置する場合の注意点としては、個人でドアに穴をあけ施工することになるので、メーカー保証の対象外になること、上手に施工できないと短期間で壊れる恐れがあることでしょうか。設置にかかる時間はDIYスキルにもよりますが、1枚数時間で設置できるといいます。
編集部Kさんの実家ではDIYで襖にペット用扉を設置したそう。費用は2500円くらいで、
(1)襖を外しエンピツで扉のサイズに合わせてカットする部分にしるしをつける
(2)しるしに沿ってカッターで襖をカット
(3)電気ドリルで扉を固定する
という手順で設置。DIYが得意ということもあり、かかった時間は1時間ほどとのことでした。【画像1】設置から2年たっても壊れる様子はないそう(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
扉だけでなく、壁に取り付けられるタイプもある
ちなみに、大建工業では、ドアだけでなく、壁にペットドアを取り付ける商品も取り扱っています。壁で仕切られた空間も自由に行き来できるようになっていて、猫オーナーに好評だそう。ただ、壁への取り付けとなり、取り付け位置の周囲に一定の厚みがある下地材が入っていないと設置できないため、本格的な施工が必要になります。そのため新築時・リフォーム時に導入するのがよさそうです。【画像2】大建工業の壁に設置したペット壁内くぐり戸。猫がより自由に部屋を移動できるようになる(画像提供/大建工業)
そもそも、ペットドアを含めたペットに配慮した建材が登場したのは、2000年ごろから。近年、ネットだけでなく、テレビや雑誌などの各メディアで取り上げられることも増え、今後もペットリフォーム市場か拡大していくと見込まれているそう。
以前は猫や犬がいると「家が傷む」などといわれてきましたが、こうした建具を含めた建材の登場によって、猫や犬と人が心地よく、楽しく暮らせるようになっています。これから動物とともに暮らしたい人は、ぜひリフォームや新築の際に検討してみてください。●取材協力
・大建工業(株)
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2017/06/134739_main.jpg
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル
関連記事リンク(外部サイト)
犬猫は肉球も違う!知っておきたい「ペット用リフォーム」のポイント
ペットは犬より猫? 散歩、しつけの手間が犬人気下落の要因か
「シニア世代のペット飼育」、放棄しないための対処法とは
~まだ見ぬ暮らしをみつけよう~。 SUUMOジャーナルは、住まい・暮らしに関する記事&ニュースサイトです。家を買う・借りる・リフォームに関する最新トレンドや、生活を快適にするコツ、調査・ランキング情報、住まい実例、これからの暮らしのヒントなどをお届けします。
ウェブサイト: http://suumo.jp/journal/
TwitterID: suumo_journal
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。