白いたこ焼きにたこ焼きサンド!? 実はマジメな自然派たこ焼き店「みはし屋」【京都】
たこ焼きが白くたっていいじゃない! こんにちは、メシ通レポーターのナガオヨウコです。
全国で「京風たこ焼き」といわれているのは、外側がカリカリというかガリガリ、中がとろ〜りとした独特の食感が特徴です。私も大好きです。
ちなみに、冷凍のたこ焼きも好きです。素揚げしてそのまま食べたり、レンジでチンしてソースとマヨネーズをどばどばかけたりします。
たこ焼きってハズレがないぶん、まあ、ものすごい期待もしなかったりするんですよね。
そんな私のゆる〜いたこ焼き観を変えてくれたのがこちら。変えてくれた、どころじゃありません。目からウロコではなく、目から洗面器。ほっぺが落ちるではなく、ほっぺがダンシングオールナイト。まあ、ひと言で言うと「なんじゃこのおいしさは」です。
先日、左京区をふらふら歩いていたときに見つけました。「みはし屋」です。
出迎えてくれたのは、店長の西村さん。写真をよく見ると、店内でこちらを向いて笑っているスタッフさんの姿が見えますよ。
場所は、京都市左京区、東大路通り沿いの東側。北大路通りと今出川通りの間にあります。
京都の中でも左京区はカルチャー度がかなり濃いめ。美術館や資料館などの文化施設から、サブカル色が強いカフェや雑貨店、書店も多いです。オーガニックのスーパーマーケットや自然食レストランも点在しています。
店内の飲食スペースはカウンター席のみ。11時からオープンで、京都のたこ焼き屋さんにしてはちょい早めかな。
昼からたこ焼きをツマミにビール飲んじゃうなんてパラダイス的使い方もオッケーです。実は、たこ焼きランチもあるんですよ……後で述べますけどね。フフ。
たこ焼きはテイクアウトもできますよ!
壁には大きなタコの絵が描かれています。足(手?)には、箸。よくみると目玉はピースマークになっています。
北海道出身のご友人が駆けつけ、1日で仕上げてくれたのだそうですよ!
自然派を極めている
先ほど、お店の中でほほ笑んでいたのが、スタッフの伸吾さん。元ホテルマンにして、たこ焼き職人歴9年という、接客もたこ焼きもベテランの爽やか男子です。
モーリタニア産のマダコ。
わたくし知らなかったのですが、たこ焼き用に卸売りされているタコのほとんどが、PH調整剤や酸化防止剤を使用しているのだそうです。
しかしこちらは、新鮮な生のマダコを塩もみしたもので、薬品処理は一切ナシ。スタッフさんが探しに探しまくり、よ〜うやく探し当てた無添加タコなのだそう。
タコは冷凍のまま、たこ焼き器にINです。あえての。いったん解凍するとタコが固くなってしまう上、うま味が逃げてしまうから、というのが理由です。
生地に使用しているのは、100%山口県産の小麦粉。広島の製粉業者さんが細かーーく製粉しているのだそう。
卵は、兵庫県・淡路島の北坂養鶏場から仕入れています。遺伝子組み換えでないコーンや米ぬかを使った発酵飼料で育ったニワトリの卵です。
天かすを、ちょっと多すぎじゃないかと思うくらいたっぷりと。
天かすは、天かす業者さんにお願いして別注している、これまた無添加のもの。
ひっくり返す作業中にも、天かすがまみれて出てきます。
一般的なたこ焼きが丸くふくらんでいるのは、膨張剤の力によるものです。
なのに、こちらのたこ焼きは生地に膨張剤を使っていないのにぷくっとふくらんでおりますよ。
その答えは、水蒸気。
水分が蒸発しようと上に上がっていく力でふくらんでいるのです。なるほどね〜。しかし、水蒸気はもろ刃の剣(つるぎ)でもあるようです。熱々の鉄板の上では生地がふくらむんですが、鉄板の火を落とすとたちまちしぼんでしまうのです。
天かすを驚くほど多く使っているのは「水分吸収」のためでもあるのでした。
▲ソースたこ焼き(6個 430円)+マヨネーズ 30円
※8個 570円、10個 700円、12個 820円
まずは、スタンダードなたこ焼きをいただくことにします。
こ、これは……!!!!
ウマっ!!!!
くぅぅ……(悶絶)。
なんなんですかこれ!!
一般的なたこ焼きって、ソースの味が支配している気がするんですよ。いやいいんですよ、ソースがおいしければそれでいいのですから。
でも「みはし屋」のソースは軽め。ぐいぐい主張するのではなく、穏やかな存在で、そっと主役を支える名脇役的なのです。
では、主役は何かというとたこ焼きなんですね。さらりとしているのに、ちゃんと味わい深い生地の。体にすぅっと染みてくるんですよ。まさか、たこ焼きが私の口の中だけでなく、体と健康に訴えてこようとは。
そしてアクセントは、ぷりっとしたタコ。たこ焼き1個がひと口として、そのひと口が完結する数秒間、むち……ぷり……と、余韻を残してくれるのです。
もし「みはし屋」のたこ焼きが飲料になったとしたら、私は好んで飲むと思います。どこかの飲料メーカーさん、開発してくれませんかね。ネーミングは「飲むたこ焼き」でお願いします(そのまんまやんけ)。
そして、生地以外のあれこれもなんだかすごいんですよ。
ソースは、着色料・甘味料・増粘剤・乳化剤などの添加物不使用。
カツオ節は、インドネシア産のカツオを、鹿児島の老舗メーカーが伝統技法でカツオ節に仕上げたもの。
他にも、青のりやだし醤油など、素材のこだわりは書ききれないほどたくさん。まあ、まずは無添加とかそういうのをヌキにして、一度食べてみてほしいです。
むにゅうぅぅぅ。
たこ焼きを箸でつかむと、つぶれてしまいました。
これも、先ほど申し上げたように「しぼみやすい」から。鉄板を冷ますとしぼんでしまうようですが、お皿の上だと形はそこそこキープされています。
でも、ぺっちゃんこではなく「ふんにゃり」くらい。
ちなみに、スタッフさん一同によると「冷めてもおいしい」そうです。ほんまかいなと思い、残りを自宅に持ち帰って冷めたまま食べてみました。
冷めてもきちんとおいしかった。
謎です。謎すぎます。「冷めてもウマい」は、ぜひみなさまにも体験していただきたいところです。
変わりたこ焼きもウマい
お店で目を引いたのが、変わり種たこ焼き。訪問時のラインアップは、白味噌マヨネーズ、ネギ塩糀(こうじ)、わさび、おネギキムチ。
▲白味噌たこ焼き(6個 500円)
そんな変わり種の中でも、特に大人気という「白味噌」に挑戦してみました!
ビジュアルでいうと、まず「白い」。
白いソースの正体は、白味噌とマヨネーズを合わせたものです。
白味噌は、有機大豆を使った自然派。マヨネーズは、大分県久住高原の鶏舎で育った平飼い鶏の卵と、なたね油、紅花油をブレンドしたもの。
……好き。大好き。大好きだあああ!!
たぶん、何も言われずに食べたら白味噌だと気づかないはず。思いのほか、白味噌が主張していないのですよ。
白味噌は、マヨネーズに塩気を添え、奥深さを支える存在なんですね。発酵食品だからこその底力です。
そしてもうひとつ、気になったものがあります。それは「たこ焼きサンド」。そげなネーミングのもん、聞いたことなかっちゃけど(←九州弁)。
▲たこ焼きサンドセット(600円)※11〜17時の提供。17時以降はたこ焼きサンド単品400円
焼いたたこ焼きを具にしたホットサンドです。
「炭水化物と炭水化物の組み合わせは変だという人もいるでしょう。でも、焼きそばパンはみんな普通に食べていますよね。一般的ではないものの、たこ焼きパンは全国のパン屋さんで販売されています。ならば、たこ焼きサンドがあってもおかしくないじゃないですか?」(店長さん)
セットでは、野菜サラダとスムージーが付きます。
スムージーは、無農薬野菜の青い香りとバナナの甘み、リンゴのほんのりとした酸味がガーッと合わさっています。ぜいたくじゃないですか? そして、むっちゃくちゃおいしいんですよ!
中を開けてみたら、確かにたこ焼きがはさまれておりました。
味付けはバターソースとからしマヨ。これね、食パンとたこ焼きが驚くほどなじんでいます。不思議なほど違和感がないのですよ。むしろ、アリ。
たぶん、たこ焼きの生地のキメが細かいこと、ソースが軽いからでしょう。市販のたこ焼きだとこうはいかないかも。
「むちゃくちゃおなかがすいているわけでもないけれど、おにぎりやパンだけではおなかも心も満たされない、でもちゃんとおいしいものを食べたい」というときのお昼ごはんとしてもちょうどいいと思います。
スタンプカードでは、来店1回につき、スタンプ1個がもらえます。3のつく日はポイント2倍。「みはし屋の3(み)って覚えてください」
スタンプ12個でたこ焼き3個、18個で6個をサービスしてもらえます。
しかも、3回目・6回目・9回目・15回目は、ガラガラチャンス!
商店街のくじ引きで使われるようなガラガラくじに挑戦できるんですよ。1等はたこ焼き6個、2等は3個をサービス。3等は20円引き(当日限定)、4等は10円引き(当日限定)です。
スタッフの伸吾さんが「最近、ちょっと当たりの数を増やしちゃった」と、つぶやいていたのを、聞き逃しませんでしたよ!
「みはし屋」は、全国の音楽や食関係イベントにも積極的に出店しております。「京都にはなかなか足を運べない」という方は、イベントをチェックしてぜひたこ焼きを食べてみてください。
お店情報
みはし屋
住所:京都府京都市左京区田中大久保町22
電話番号:075-707-2922
営業時間:【月曜日〜土曜日】11:00〜22:00 【金曜日・土曜日・祝前日】11:00〜23:00
定休日:不定休(月1〜2回)
ウェブサイト:http://mihashiya.net/
※この記事は2017年5月の情報です。
※金額はすべて消費税込みです。
書いた人:ナガオヨウコ
ライター歴22年、京都在住のフリーライター。食、手芸、子育て、京都関連の雑誌や書籍、webに執筆中。10年間続けている自然農業の畑では、20~30種の野菜やハーブ、花を栽培。 ブログ:しましま畑でつかまえて
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