子どもの友達づくりで悩んだ時、お母さんに試してほしいこと
新学期が始まってもうすぐ2ヶ月、新しい環境に置かれた子どもたちも、そろそろ慣れてくる時期かと思います。
しかし一方で「子どもが新しいクラスになじめているかな?」「ちゃんと友達はできたかな?」と心配になっている親御さんも、たくさんいらっしゃることでしょう。
友達が多い子もいれば少ない子もいます。重要なのは決して数ではありませんが、友達ができやすい子と、そうでない子にはどんな違いがあるのかを知っておくことで、親は必要以上に悩まずに済むかもしれません。
友達との関係づくり4つのタイプ
子どもが友達関係を作る上では、大きく分けて4つの性格的特徴が作用すると考えています。下記のタイプに当てはまる子どもは、比較的友達を作るのに苦労しないのではないでしょうか。
1、集団でワイワイ行動するのが好き
2、人とコミュニケーションをとるのが上手
3、一人より、誰かと一緒に時間を過ごすことが好き
4、いろんなタイプの人と幅広い人間関係を好む
逆に、特にいじめなど特定の原因は無いけれど友達ができにくいと感じている、たとえば「友達の輪に入れない」「クラスになじめない」と悩んでいる子どもは、「集団でいることが苦手」「コミュニケーションが苦手」「一人の時間が好き」「少人数でも深い人間関係を好む」など、先に挙げた4つの特徴とは異なる個性を持っている場合が多いように見受けられます。
もし、「自分の子どもは友達ができにくい」とお悩みでしたら、まず現状をきちんと理解・把握することから始めましょう。「友達ができない」と問題をざっくり捉えるより、その子がどんな個性を持っていて、友達との人間関係作りの中で何に困っているのか?を一つずつ見てあげる事が大切かもしれません。
大切なのは「子どもがどう感じているか?」
また、もう一つ大切なことは、「子ども本人がどう感じているか?」という視点で捉えることです。たまにあるのが、親子それぞれの「友達関係」に対する価値観が全く違うことが原因で悩みに発展している、というケースです。
例えば先日カウンセリングに来られた中学2年生の女の子とお母さん。
お母さんは「娘が男の子と年下の子しか遊ばない。女の子と遊ばせてあげたい。」と悩まれていましたが、娘さんの話を聞いていくと「本人は悩んでいない」という事が分かってきました。
娘さんとしては、男の子と遊ぶ事も年下の子と遊ぶ事もとっても楽しく、そもそも「女の子と仲良くなれない」という意識はありませんでした。今までの仲の良いお友達が「たまたま男の子と年下だった」というだけだったのです。
むしろその子の悩みは 「お母さんが言うように、女の子の親友を作らず男の子と仲良くしている私は変わり者なのかも?」と、お母さんの悩みとは、少々ずれたものでした。
このように、我々親と子どもは別人格。それぞれに本人なりの人間関係の築き方や価値観、そしてペースがあります。更に、親の世代と今の子ども達のコミュニケーション方法やツールは全く違っています。
女の子が男の子と遊ぶことは決して悪いことではありませんし、年下のお友達がたくさんいるのは、その子が優しい性格だからかもしれませんね。
もし親御さんが「同年代の同性の友達がたくさんいなければ、幸せではない」というイメージをお持ちでしたら、まずそれを取っ払ってしまいましょう。
その上で、子どものサポート方法を見極めていく事が重要です。
子どもの方から悩みを打ち明けてくれたら
ただ、子ども自身も「友達ができない」「仲間に入れない」と悩んでいる場合は別です。上記のタイプごとに、どのような対応をしてあげるべきかを紹介いたします。もし、子どもが自ら悩みを打ち明けてきたら、悩んでいる気持ちをきちんと聞いて受け止めて、しっかりサポートしてあげてくださいね。
1.集団そのものが苦手
集団自体が嫌いという場合は少人数や一対一で遊べるような場を設定してあげるのが良いでしょう。ただ、ここで「仲良くしてね」と本人達に伝えてしまうのは、双方にとってプレッシャーに繋がるので、親子同士で映画鑑賞や読書など、一緒にその場にいる空気感から馴染ませてあげるようにしてください。友達は自然発生的に仲良くなっていくものです。
2.コミュニケーションが苦手
このタイプも、場を用意して「一緒に遊びなさい」ではなく、ゲームやトランプ等、ルールが決まった遊びを提供する事で、コミュニケーションに慣れさせていく事をお勧めします。遊びを進めていく中で、ルールに沿ってある程度のコミュニケーションが自然に取れていくようになります。
3、一人の時間が好き!
大人数でのコミュニケーションが得意な人には理解しくにくいかもしれませんが、一人の時間を必要とする子どもも沢山居ます。そんな子どもにとって、一人の時間は自分を安定させるための大切な時間。その時間があるからこそ、学業や私生活が安定します。安易に奪わず、一緒に大切に守ってあげる事も必要です。
4 少人数でも深い人間関係を好む
私は「本来人間はたった一人でも心から分かりあえる人が居れば生きていける」と考えています。
もし今、学校にそんな存在が 居なかったとしても心配しないでください。
自分の事のように悩み、泣き、戦ってくれるお母さん、貴方がその存在なのです。
「今は友達が居なくても、お母さんが居るから大丈夫だよ!」
このような気もちで学校での話を、楽しい事も辛い事も、いっぱい聴いてあげてください。きっとお子さんは安心感と自信を持ち、そのうち自然に素敵なお友達をお家に遊びに連れてくると思います。
お母さんが居るから大丈夫!お母さんが居るだけで大丈夫!
お子さんを安心させてあげましょう。
(つだ つよし。/心理カウンセラー)
関連記事リンク(外部サイト)
子は親を映す鏡 モデリングを意識して理想の子育て
ネット依存から我が子を救う親子コミュニケーション
活字離れ防止 幼少期の読み聞かせのコツ
最新の気になる時事問題を独自の視点で徹底解説するWEBメディア「JIJICO」。各分野の専門家が、時事問題について解説したり、暮らしに役立つお役立ち情報を発信していきます。
ウェブサイト: https://mbp-japan.com/jijico/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。