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秋葉原殺傷事件をモチーフにした話題作 映画『RIVER』公開 あの日から街はどう変わったのか?

2008年6月8日、秋葉原の歩行者天国で起きた連続通り魔事件。あの日を境に秋葉原の景色は変わった。歩行者天国は中止となり、休日ともなれば街中に警備に当たる警察官が目につくようになった。一体あの事件は何だったのか。4年たった今も、明確にはわからないままだ。
その事件をモチーフにした映画『RIVER』が、3月10日に公開された。

主人公のひかり(蓮佛美沙子)は、あの事件で恋人を亡くし、その喪失感から抜け出せないでいた。時折、彼の好きだった秋葉原を訪れ、街を徘徊(はいかい)する。生きていた時、彼が見たことや感じたことを追体験するかのように。
そんな中で彼女は様々な人たちと出会う。
秋葉原の姿を撮影する女性カメラマン、自殺志願者の男性、路上ミュージシャン、メイドカフェのスカウトマン。それらの人との交流を通して、彼女は秋葉原という街の姿を体感し、やがて現実と向き合い、痛みを乗り越えていく。

映画の中では、秋葉原のいくつかのスポットが効果的に使われている。秋葉原の駅前、高架下、昌平橋、芳林公園、そしてあの交差点。日頃見慣れた風景のなかで繰り広げられる物語が、現実とフィクションの境目を消してゆく。
物語の終盤、彼女が自分の意思を持って歩き出していくシーンでは、知らず知らずのうちに現在の秋葉原と自分自身の関わりについて考えていた。

私自身、昔から秋葉原には通い詰めている一人であるが、“アキハバラ”という街が、ある種の“記号”として使われるようになったのは、いつの頃からだろう。おそらくは、昔のいわゆる“電気街”が衰退し、アニメやゲームなどの文化の発信地になった2000年頃からだと思う。

そして事件が起きた2000年代後半、そこは独自の空気を持ち、どこか排他的なところもある街になっていた。それに比べ、現在の秋葉原は、私自身の実感として、だいぶ開放的になったと思う。
かつて秋葉原だけで活動していたAKB48が全国区になり、アキバのメイドカフェには普通のサラリーマンやカップルが出入りしていることなども、象徴的な出来事だ。
必ずしも事件のことだけがきっかけとはいえないが、あの日以降、意識的にしろ無意識的にしろ、この街は何らかの痛みを知り、それによって外と心を交わすことの意味を覚えたのではないだろうか。

改めて秋葉原の街を歩いてみれば、そこにあふれる情報や人波は、映画のタイトルの通り今も河のように流れ続けている。この街はこれからどこに向かうのか。その“流れ”の一員として、その行く末を見守りたいと思う。

映画『RIVER』は、渋谷ユーロスペースにて公開中。ほか全国順次ロードショー。

※画像は『RIVER』公式サイトより
http://www.river-movie.com/

※この記事はガジェ通ウェブライターの「プレヤード」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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