ばかばかしいぐらい小さい目標が大きな成果に!「小さな習慣」のススメ
資格の勉強をしよう、運動を始めよう、ダイエットにチャレンジしよう…そう強く決意するのに、なかなか続けることができずに挫折してしまった経験はありませんか?
やることを習慣化できればいいのですが、そこに至るまでが大変で、早々にあきらめてしまう人が多いようです。
先日発売された本『小さな習慣』では、「新たな習慣にしたい」と思っている行動を、もっともっと小さくすることを勧めています。失敗しようがないぐらい、ばかばかしく思えるほど小さなステップを決めて、それを繰り返す。徐々に生活の一部にしていき、気づけば大きな成果が得られる…という考え方です。
今回は、本書の中から「大きな変化をもたらす『小さな習慣』8つのステップ」を簡単にご紹介します。習慣化したいのに初めの一歩が踏み出せない、二度、三度と続けるのが苦痛になるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
「1日に腕立て伏せ1回チャレンジ」が30分の筋トレに発展
『小さな習慣』の著者は、自己成長ストラテジーの調査と執筆を行うスティーヴン・ガイズ氏。彼は2012年の暮れに「2013年は運動を習慣にしよう」と決意しましたが、過去10年同じ目標を掲げながらも挫折し続けてきたのだそう。そして実際、2013年になっても、なかなか気が乗らず、運動に着手できなかったのだとか。
そこで、試しに「毎日、腕立て伏せを1回だけ行う」を日課にしてみたところ、「思っていたほど大変ではない」ことに気付かされ、あと1回、あと1回…と繰り返した結果、気づけば20分間腕立て伏せを続けていました。
翌日から、この「腕立て伏せ1回チャレンジ」を毎日続けるようになり、結果的にはそれ以上の回数をこなし、30分の筋トレにまで発展。見事、習慣化することができたのだそうです。この経験から彼は、「新たに習慣にしたいと思った行動をもっともっと小さくし、それを繰り返すことで生活の一部にすれば、大きな成果につながる」と気づき、次のような「小さな習慣」8つのステップを考案しました。
大きな変化をもたらす「小さな習慣」8つのステップ
●ステップ1:小さな習慣とプランを選ぶ
まず、これから身につけたいと思っている習慣をざっとリストにしてみましょう。そして、リストの中から取り組む習慣を選んだら、その習慣を腕立て伏せ1回のように「ばかばかしいほど小さく」してみましょう。
そこまで小さくすると、脳はその習慣に対して警戒心を持たず、自分の脳をうまくごまかせるからです。そして、「小さすぎて失敗するはずがないほどの」行動を毎日繰り返すことが、習慣につながるのです。
●ステップ2:「なぜドリル」をつかう
自分の選んだ習慣が、努力に値するのかどうかを知る一番の方法は、「なぜその習慣を選ぶのか、理由を明らかにする」ことです。
取り組もうと思っている習慣が決まったら、なぜそれを望んでいるのか考え、その答えをさらに「なぜ」「なぜ」と掘り下げてみましょう。これにより、自分に合う習慣か、合わない習慣か、判断することができます。
●ステップ3:行動開始の合図を決める
小さな習慣の行動範囲の合図で一般的なのは、「時間ベース」のものと「行動ベース」のもの。前者は、たとえば「月・水・金の午後3時に運動する」、後者であれば「月・水・金の昼食を食べ終えてから30分後に、運動しに行く」となります。
勤務時間が決まっているなど規則正しい生活を送っている人ならば、時間ベースが適しています。スケジュールが柔軟な人は、行動ベースのほうが向いています。自分のライフスタイフに併せてどちらかを選びましょう。
「毎日腕立て伏せ1回」というような、いつでもできそうなあまりに簡単すぎる習慣であっても、特定の開始合図を設けたほうが習慣化の近道になります。
●ステップ4:報酬プランを考える
報酬はさらなる行動を取らせるとともに、意志の力を回復させるので、小さな習慣を続ける助けになります。
例えば、運動を始めた当初は、運動による爽快感や健康な体などは遠い先の褒美であり、「目先の見返りはどこにあるのか?」と脳が問い詰めてくる瞬間があるはず。そこで、最初のうちは「甘いものを少量食べる」など、脳に付け足しの褒美を与えるといいでしょう。やがて脳は満足感と快楽ホルモンのエンドルフィンだけでも十分だと感じるようになり、行動が続けられるようになります。
●ステップ5:すべてを書き留めておく
何かを書き留めておくと、頭の中にあるさまざまな考えの上位に位置づけることができます。カレンダーやスマホアプリなどに、習慣の進行状況を書き入れ、毎日就寝する前に結果を確認しましょう。
●ステップ6:小さく考える
小さな習慣が素晴らしいのは、やり損なってもいいわけができず、失敗を恐れる必要がなく、罪の意識を感じずに済む点。
習慣作りの道のりで必要になるのは、「意志の力を強化する」「常に進歩がみられる」「意志の力を消耗させない」の3つですが、小さな習慣はこれら3つをすべて満たします。あなたの歩みを止めないためにも、小さく考えることが重要です。
●ステップ7:スケジュールを着実にこなし、期待しすぎない
習慣化されてきて、ペースがつかめてくるようになったとしても、「大きな目標」にスケールアップさせないこと。今まで通り小さな目標に保ち、それを上回り続けることを心がけましょう。
自身の将来に高い期待を持つ代わりに、継続することに期待とエネルギーを注ぐこと。人生の最強のツールは「継続する力」であり、「継続する力」こそが行動を習慣に成長させるただ一つの方法だからです。
●ステップ8:習慣になる兆しを見逃さない
「習慣に抵抗がなくなる」「行動が自分と一体化する」「無意識に行動する」「不安がなくなる」「日常化する」「退屈になる」――が習慣の兆し。この状態になると、つい自分でハードルを上げそうになりますが、小さく始めて期待のプレッシャーを取り除くことが、小さな習慣の成功のレシピ。小さな習慣を習慣化することが、軽々とした足取りでより良い結果を得られる方法だと心得ましょう。
まずは「本書を1日2ページ読むことから始めてみる」という方法も
本書ではこのほか、「脳を味方にする効果的な方法」や「小さな習慣を成功させる心構え」「小さな習慣を失敗させないルール」など、8つのステップを定着・成功させるためのノウハウが紹介されています。
なお、本書が初めに勧める小さな習慣として、「この本を毎日最低2ページずつ、最後まで読み続ける」ことを挙げています。1日2ページは、「忙しい」「できない」などと言い訳にできないほど少ないページ数です。本書を読み進めながらこの習慣を実践することにより、小さな習慣がどんなものなのか、体感しながら学ぶことができますよ。
参考書籍:『小さな習慣』/スティーヴン・ガイズ(著)、田口未和(訳)/ダイヤモンド社
EDIT&WRITING:伊藤理子
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