ガラスの中に広がる戸水賢志の宇宙世界

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トム・サックス、N.S.ハルシャなど、宇宙をモチーフにした作品で知られるアーティストは世界中に多数いる。日本で「宇宙ガラス」を制作する戸水賢志さんもそのひとりだ。

花やくらげの耐熱ガラス作品を制作していた戸水さんは「実際に見ることができないものをイメージして形にしたい」という思いから、2013年頃「宇宙」をモチーフにしたガラス工芸品の制作を始めた。ガラスや金属、鉱石を幾重にも組み合わせながらバーナーで加熱する製法によって1つ1つ手作業で仕上げるため、同じデザインは世界に1つしかない。星雲、銀河、惑星などの要素の複雑な混ざり合いが、見る角度や光の当たり方によって違う表情を見せる、独創的な美しさにファンが絶えない。

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制作において戸水さんは3つのことを意識しているという。1つ目は「無駄のない綺麗な動作」。ガラスは長時間熱すると、温度差によりひずみと呼ばれる負担が増えてしまう。その為、必要最低限の時間や工程で制作できるよう、日々作り方を改良する。2つ目に「作業間の間」。ガラスは温度によって柔らかさが異なるため、ガラスの状態を判断し、逆に時間をあけることもあるとのこと。状態を無視して制作を続けると思うように制作できない。間の調整について、戸水さんは「ガラスと対話しているようでとても面白い」と話す。そして3つ目が「客観的に作品を見ること」。作品の写真を自ら撮影するだけでなく、「宇宙ガラス」を購入したお客さんのSNSを見て、作品を研究しているとのこと。

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戸水さんは実際の宇宙の写真等を作品づくりの参考に見たり、調べたりすることはしないという。では「宇宙ガラス」制作のインスピレーションは何から得ているのか。「宇宙の写真を参考にしてしまうと、どうしても写真に影響を強く受けてしまうので面白くない。花や建築物などの曲線や色合いから影響を受け、イメージを膨らまし、制作を行う」。「宇宙ガラス」に根強いファンが絶えないのは、単に宇宙を模したガラス玉ではなく、戸水賢志というアーティストがつくりだす「宇宙」のイメージを体現したものだからなのだろう。

戸水賢志
1980年 神奈川県生まれ。2008年5月、耐熱ガラスのアクセサリーと出会い、その道を歩み始める。2015年日経デザイン掲載。J-WAVE アトリエ・ノヴァ Design Award大賞受賞。2016年 NEWS ZERO、めざましテレビ出演。 その他、イベントへの出展多数。

オフィシャルサイト
http://www.plusalpha-glass.com/ 
オフィシャルFacebook
https://www.facebook.com/148376598602916/

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