【警視庁 VS 週刊朝日】警視庁からの捜査情報漏洩問題「事前に捜査情報をキャッチしていたのは事実」

access_time create folder政治・経済・社会
2011年12月16日号22ページより引用

たびたびお伝えしている2ちゃんねる捜査に関する、警視庁の捜査情報漏洩問題。前回は警視庁に対する取材をおこなったところ、「警視庁からマスメディアへの捜査情報の事前提供などあり得ない」「捜査情報の漏洩などない。調査の必要もない」「週刊朝日の記事がデタラメであり、妄想の産物」といったコメントをいただきました。

もちろん、警視庁から捜査情報がダダ漏れであれば大変な問題。しかし週刊朝日編集部は、その本来外部に漏れるはずのない捜査情報を事前にキャッチしていたそうなんです。

というわけで、今度は週刊朝日のターン。週刊朝日側に「公開質問状」を送付させていただきました。結論から言えば、週刊朝日側の見解としては「警視庁からの情報漏洩はあった」とのこと。

捜査情報の漏洩といえば大相撲の野球賭博事件に絡んで捜査情報が警察からNHK記者に漏れるという事件が記憶に新しいところです。この事件ではNHK会長や記者に極めて重い処分が下されましたが、未だに警視庁の情報管理は改善されておらず、捜査情報はマスコミに筒抜けの状態……のようです。

よく考えればそれもそのはず、前回の大相撲野球賭博の捜査に関する情報漏洩に関しても、処分された――責任をとらされたのは、何故かマスコミ側。当の本人、情報を漏らした犯人である警視庁に関しては調査もされず、処分された話もきこえてきていません。情報を漏らした側が知らぬ存ぜぬで改善もされないようでは、当然ながら今回のような問題が再発します。何も改善されていないし反省もないのであれば、同じ事を繰り返すに決まっています。

もし週刊朝日のコメントが真実なら、警視庁という組織は本当に出鱈目な組織だということになります。あまりにも残念な話ですし、そのような組織に権限を与えてよいのかという根本的な疑問を感じます。早急に調査をおこなって欲しいところですが、それはかなうのでしょうか。今度は再び警視庁に話をきいてみたいと思います。

以下、週刊朝日編集部に送った質問状といただいた回答です。2月8日昼に質問状を送ったところ、即座に回答をいただきました。回答を早くいただけましたので公開質問状と回答を同時に掲載します。

公開質問状(週刊朝日さんへの質問)

貴誌2011年12月16日号22ページから24ページの記事「警視庁がたくらむ2ちゃんねる撲滅作戦」に関する質問です。記事に「事前にキャッチ」した情報に基づいて11月24日早朝から札幌にて取材をおこない、警視庁の刑事が「ガサ入れ」をおこなう模様を目撃した等といった記述がございます。この件について警視庁に取材したところ、事前に捜査情報が漏洩することはあり得ず、また記事内容に嘘があり、本当に11月24日早朝に現場で取材したとは考えられないとのことです。この記事について公開質問をいたします。
尚、この質問への回答は2012年2月10日までにお願いいたします。期限までにご回答いただけなかった場合は、週刊朝日当該記事は虚偽の内容であるとお認めになったと判断させていただく場合がございます。なんらかの理由により回答が遅れる場合はご一報くださいませ。

1.警視庁による「ガサ入れ情報」を事前にキャッチしていたとのことですが、これは本当でしょうか。本当であれば事前にどのような情報をキャッチしていたのか教えて下さい。

2.2011年11月24日早朝に札幌市の現場へ事前に出向き、警視庁が実際に「ガサ入れ」をおこなう様子を目撃したというのは本当でしょうか。真実であれば、現場で取材した素材、例えば現場の写真や映像などを公開しその場に貴誌取材者がいたことを示していただけますでしょうか。

3.貴誌の内容が真実であれば、警視庁から捜査情報が外部へ漏洩しているということになります。この記事を読んで「警視庁から捜査情報が漏洩している」と解釈しても問題ございませんか。一方、警視庁は貴誌の内容が嘘であるとして、情報漏洩に関する調査や対策をおこなう必要はないとおっしゃっています。このような警視庁の姿勢をどう思われますか。

以上、ご回答お待ちしております

週刊朝日編集長から受け取った回答は以下のとおり。

質問状に対する回答書(週刊朝日さんからの回答)

冠省

 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素から大変お世話になっております。週刊朝日2011年12月16日号「警視庁がたくらむ2ちゃんねる撲滅作戦」に対する質問状を、2月7日付で受け取りました。

 以下、ご質問にお答えします。

1.(事前にキャッチしていたのは本当か。本当であればどのような情報だったのか)
 事実です。情報の内容については、誌面でお伝えした通りです。

2.(家宅捜索を目撃したのは本当か。その場に取材者がいる写真、映像を示せ)
 記者が現場にいたのは事実です。取材の結果については、誌面でお伝えした通りです。

3.(捜査情報が漏洩していると解釈していいか。「週刊朝日の記事は嘘である」と言っている警視庁の姿勢をどう思うか)
 取材の経緯についてはお答えいたしかねます。
 警視庁の姿勢については関知しておりません。

 以上で回答書といたします。ご確認いただけますようよろしくお願い申し上げます。

敬具

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. 【警視庁 VS 週刊朝日】警視庁からの捜査情報漏洩問題「事前に捜査情報をキャッチしていたのは事実」
access_time create folder政治・経済・社会
深水英一郎(ふかみん)

深水英一郎(ふかみん)

トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。