欧州車界の隙間産業(?)シトロエン DS4は1万km台の物件も100万円台にて絶賛販売中!

▲SUVのようなクーペのような5ドアクロスオーバーハッチバック、シトロエン DS4。微妙に人気薄のモデルではありますが、その分中古車相場は今かなりおトクな状況になっています!

▲SUVのようなクーペのような5ドアクロスオーバーハッチバック、シトロエン DS4。微妙に人気薄のモデルではありますが、その分中古車相場は今かなりおトクな状況になっています!

微妙に曖昧な立ち位置が絶妙な相場を生んだ?

車に詳しい人はよくご存じでしょうが、そうでない人は、もしかしたらあまり耳馴染みのない車名かもしれない「シトロエン DS4」。フランス・シトロエン社の上級ラインであるDSシリーズのなかの1台で、ややクロスオーバー風味のデザインとキャラクターが与えられた5ドアハッチバックです。そしてその中古車が今、けっこうな狙い目相場になっています。

今流行りの「クロスオーバー」というジャンルは、明確な定義はないのですが「ステーションワゴンとSUVの中間」みたいなものをイメージしてもらえればおおむね正解です。そしてクロスオーバーという英語自体の意味は、ご存じのとおり「交差する」とか「垣根を越えた」という感じです。

その「垣根を越えている」という点がクロスオーバー車の美点ではあるのですが、それってあえて悪く言うなら「あいまい」ということでもあります。で、シトロエン DS4という車は立ち位置的に、もしかしたら「あいまい」なのかもしません。

1クラス下に相当するシトロエン DS3ほどカワイイわけではなく、かといって1クラス上のDS5ほど、いかにもシトロエンらしい異端の美学が輝いているわけでもない……ということで、DS4はお世辞にも「売れ筋」とはいえないモデルに育ってしまいました。ヨーロッパ車界の隙間産業と言いますか。

でもそうであるがゆえに、中古のシトロエン DS4はなかなか狙い目なわけです。なぜならば、中古車には定価というものがありませんから、人気が集まれば相場は上がりますし、逆に人気的にイマイチであれば相場はけっこう下がるからです。

それゆえシトロエン DS4は今、けっこう爆安です。

▲11年7月に日本に導入されたシトロエン C4(現行)に、ダイナミズムとエレガンスを加えたDSラインの上級モデル、シトロエン DS4。クーペのようなボディラインとSUVのような高めのアイポイントを組み合わせ、まったく新しいクロスオーバーモデルとして11年9月に登場しました

▲11年7月に日本に導入されたシトロエン C4(現行)に、ダイナミズムとエレガンスを加えたDSラインの上級モデル、シトロエン DS4。クーペのようなボディラインとSUVのような高めのアイポイントを組み合わせ、まったく新しいクロスオーバーモデルとして11年9月に登場しました

▲フロントマスクは若干いかつい感じですが、リアのこのなんとも言えない曲面は「いかにもシトロエン」といった感じで、他のブランドはなかなか真似のできないハイブローなセンスです

▲フロントマスクは若干いかつい感じですが、リアのこのなんとも言えない曲面は「いかにもシトロエン」といった感じで、他のブランドはなかなか真似のできないハイブローなセンスです

中古車相場は安いが、車自体はなかなかの実力派

まぁ爆安といっても新世代の欧州車ですから40万円とか50万円で買えるわけではありませんが、車両価格100万円台半ばぐらいを見ておけば、走行1万km台までの物件がいくらでも探せる状況なのです。293万~377万円という新車時価格から考えれば、これってある意味「爆安」ではないでしょうか。

もちろんDS4は、やや人気薄の爆安モデルだからといって「悪い車」ではぜんぜんありません。ていうかむしろかなりステキです。デザインは見てのとおり個性的な美しさが際立つシトロエン流で、乗り心地も、普通の金属バネを使っている車ではありますが、往年のハイドロニューマチック(液体と気体を用いたサスペンション)を採用していたシトロエンを思わせる雲上感たっぷりなものです。

エンジンは、最近2Lのクリーンディーゼルが追加されましたが、中古車として流通しているのは1.6Lの4気筒直噴ターボ。出力の違いにより156ps(のちに162ps)の「シック」と、200psの「スポーツシック」に分かれています。その走りっぷりはドイツ車に負けないほどの操縦安定性とハンドリングを誇りながらも、いかにもフランス車らしいソフトな快適性と安心感が両立したものです。乗ってみれば、多くの人が気に入るはずです。

▲普及グレードの「シック」は、スペック的には決してパワフルな車ではないのですが、いざ走らせると妙に「速い」と感じさせるものがあります。シトロエン、あるいはフランス車全般に通じる特徴ですが

▲普及グレードの「シック」は、スペック的には決してパワフルな車ではないのですが、いざ走らせると妙に「速い」と感じさせるものがあります。シトロエン、あるいはフランス車全般に通じる特徴ですが

「6AT」と「6EGS」が混在している点に注意

問題は、というか購入時のちょっとした注意点はトランスミッション(変速機)です。

200psの「スポーツシック」は非常に希少なため(というか2月16日現在で1台のみ)、この価格帯で狙えるシトロエン DS4の大半は156ps/162psの「シック」というグレードになります。で、実はシックには2種類のトランスミッションが混在しているのです。

一つは「6EGS」という2ペダルMT。セミATというか、クラッチペダルのないロボタイズドMTというやつです。これは11年9月の登場時から12年8月までのシックに採用されていました。しかし12年9月にいきなりマイナーチェンジが行われ、シックの変速機は普通のトルコン式6速ATに変更されたのです。で、100万円台の市場では今、6EGSのDS4と6速ATのDS4が見事に混在しています。

これのどちらを選ぶべきかという話ですが、基本的には12年9月以降の「普通の6AT」がオススメになるとは思います。やはりロボタイズドMTというのはどうしても走行時のギクシャク感みたいなものがゼロではありませんので、よりスムーズな普通のATの方が多くの人は満足できるでしょう。

しかしロボタイズドMTにはロボタイズドMTなりの良さというのもあります。トルクコンバーターを介している(要は途中で液体を介してトルクを伝達している)普通のATと比べるとダイレクト感があり、そして「ややギクシャクする」という部分を「ギクシャクさせないうように自分のテクでカバーする」という密かな喜びもあったりします。なので、基本は6AT推しですが、一概には言えない問題です。

このあたりの判断は、可能であれば試乗したうえでお決めになるのが良いかと思います。幸いにしてカーセンサーnetでも車名のところにほぼ必ず「6AT」とか「6EGS」と明記されていますので、その個体がどちらのトランスミッションを採用しているかは一目瞭然です。

ということで、個性的デザインとグッとしなやかな走りを誇りながら妙にお安いシトロエン DS4、ぜひ一度チェックしてみてください。

▲写真は本国仕様のMT版ですが、シトロエンの特にDSラインは、ご覧のとおりインテリアのセンスもかなり良好。ドライバーが最も目にするのは内装ですので、ここはかなり重要なポイントです

▲写真は本国仕様のMT版ですが、シトロエンの特にDSラインは、ご覧のとおりインテリアのセンスもかなり良好。ドライバーが最も目にするのは内装ですので、ここはかなり重要なポイントです

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車両価格200万円以下、走行2万km以下のシトロエン DS4をチェックしてみるtext/編集部

photo/プジョー・シトロエン

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