軽トラデビューを考えている人。迷ったらこの3モデルで決まり!
▲どれも同じように見える軽トラックですが、実は各メーカーの個性が注ぎこまれています
軽トラは日本の生活に最もマッチした便利な道具だ
様々な仕事で愛用され、農作業などでは未舗装路もスイスイ走る。地方に行くと個人宅でもゴミ出しや灯油運びなどで使われている他、軽キャンパーのベース車などレジャーシーンでも活用される日本の軽トラック。
軽自動車だから税金や維持費が安いし、小さいから裏路地や農道などの細い道でも入っていける。そして細かいことを気にせず荷物をガンガン積める堅牢性。日本の発展、人々の暮らしを支えてきた軽トラックは中古車市場でも需要が高く、かなりの台数が流通しています。
軽トラックはOEM製品を含めるとすべての軽自動車メーカーから販売されています。「軽トラなんてどれも同じでしょ?」と思っている人も多いと思いますが、実は各社で様々な特色を打ち出しているんです。
そこで、この春に初めて軽トラックを買おうと思っている人のために、その特徴とオススメモデルをご紹介しましょう!
中古車選びに役立つはず! 軽トラック豆知識
オススメモデルの話の前に、軽トラックを選ぶ際に覚えておきたい豆知識を紹介します。中古車物件ページ内に出てくる言葉もあるので要チェック!
【駆動方式】
一般的な車と同様に、軽トラックにも2WDと4WDがあります。未舗装路を走る機会が多い人には4WDが人気。また、2WDはすべて後輪駆動になります。(前輪駆動(FF)だと、荷台に荷物をたくさん積んだ際、タイヤが路面に力をかけづらくなるため)
ただ、メーカーにより後輪駆動の方式が異なり、2WDの軽トラックには3種類の駆動方式が存在するので理解しておきましょう。
FR:スズキ キャリイ、ダイハツ ハイゼットトラック
MR:ホンダ アクティトラック
RR:2012年3月までのスバル サンバートラック
【ミッション形式】
▲中古軽トラックのミッション形式はMTが主流。ただ、ATも流通しているのでAT限定免許の人も大丈夫!
軽トラックのトランスミッションはATとMTが用意されていますが、中古車は6~7割がMTになります。運転免許がAT限定の人は選択肢が少なめになるので、じっくり選びましょう。
【鳥居】
▲軽トラックの“鳥居”は、リアガラスの破損やガラスが割れたときにキャビンに荷物が流れ込むことを防ぐ大切な装備
軽トラックの装備の一つで、キャビンのリアガラスに積み荷が当たってガラスが割れるのを防いだり、角材などの長尺物を積む際の土台となったりする部分。メーカーにより“アングルポスト”“ガードフレーム”と呼ばれることも。
グレードによっては鳥居がついていなかったりルームミラーに写り込む鳥居中央のポールの太さや位置が違うため、後方視界に差が出たりするので、店頭で使いやすさを確認したいですね。物件によっては鳥居に荷台を照らす照明がついていることも。
【農業仕様】
軽トラックには田んぼのあぜ道や畑、農園などで使うことを想定した“農業仕様”がカタログモデルでラインナップされています。これらは4WD+5MTで、重い荷物を積んでも大丈夫な専用サスペンションを採用したり、農作業に便利な装備がつけられたりしています。
▲現行型キャリイ農繁仕様の特別装備。ゲートや鳥居にプロテクターがつき、荷台を照らすライトが装備されます
【荷台】
軽自動車と侮るなかれ! 軽トラックの荷台は畳の中で最も大きい京間(191cm×95.5cm)を寝かせて積むことができます。各モデルのホームページでは、ビールケースやポリタンクなど、実際に積む機会の多いものが何個積めるかが表示されています。
ちなみに、カーセンサーnetを見ていると車名・グレード名のところに“三方開”という言葉が出ています。これは荷台のゲートが開く方向のことで、三方開はリアと両サイドが開きます。現在新車で作られている軽トラックは三方開ですが、中古車ではリアのみ開く一方開も流通しています。
オススメその1:スズキ キャリイ
~流通台数が最も多い、軽トラのスタンダード~
▲働く人たちの使いやすさを考えたキャリイ。細かいところに心配りを感じます
2013年に14年9ヵ月ぶりのフルモデルチェンジを受けたキャリイ。荷室の使いやすさはもちろん、仕事をするうえでの使い勝手も考えつくされた軽トラックとして人気の高いモデルです。
荷台の高さは650cmと軽トラックの中で最も低く荷物の積み降ろしが楽。アングルポスト(鳥居)は太くてしっかりしたものが取りつけられています。ボディサイドに取りつけられた荷台ステップは開口幅を広くしてあるので、幅の広い靴、長靴でも荷台に上がりやすいのが特徴。
トランスミッションは5MT、3ATの他、MTのクラッチ操作を車が自動で行う5AGSを設定。5AGSは基本がマニュアルトランスミッションでありながらクリープ機能がついているためATと同じ感覚で乗ることができます。
現行型の中古車は1000台ほど流通しており、ベーシックな三方開タイプの中古車相場は60万~110万円。先代モデルなら車両本体価格10万~90万円で探すことができます。
オススメその2:ダイハツ ハイゼットトラック
~9種類のボディカラーを設定した意欲作~
▲押し出し感を高めたデザインに豊富なボディカラー。ハイゼットトラックは軽自動車の常識を覆したモデルです
2014年9月にフルモデルチェンジしたダイハツハイゼットトラックは、現在新車が最も売れている軽トラックです。大きな特徴は軽トラックとして初めて9種類ものボディカラーを設定したこと。ピンク、水色、オレンジなどカラフルな色もラインナップに加わったため、仕事現場はもちろん軽キャンピングカーのベース車としても人気が集まっています。ボディ形状も標準モデルの他、座席後方にスペースを設けシートのリクライニングを可能にした“ジャンボ”や頭上空間を広くした“ハイルーフ”など、いろいろな種類があります。
日常のあらゆるシーンで使用される軽トラックは女性が運転することも多いもの。ハイゼットトラックはそこに着目し、紫外線を約99%カットするガラスやちょっとした化粧直しができるバニティミラーなどがつく“ビューティパック”を用意しています。
荷台にはとにかくいろんなところにフックがついています。その数、全部で25個! 荷物をロープで固定したりシートをかける際に便利ですよ。荷台フロアの長さは2030mmと軽トラックNo.1(キャリーも同じ長さ)。さらに荷台上の空間の長さも1945mmと軽トラックで最も長く取っているので、背の高いものもたくさん積めるのが特徴です。
現行型の中古車流通量は約700台。ベーシックな三方開タイプの中古車相場は60万~140万円。先代モデルなら車両本体価格20万~120万円で探すことができます。
オススメその3:スバル サンバートラック(2012年3月まで生産)
~軽トラを語るうえで絶対に外せない名車~
▲製造中止が決まったときは、撤回を求める署名活動まで行われたスバル製サンバー。写真はサンバー発売50周年を記念した特別仕様車“WRブルーリミテッド”
現在のサンバートラックはハイゼットトラックのOEMとなりますが、2012年3月までスバル独自のモデルが販売されていました。最大の特徴はエンジンを後輪車軸後方に配置するRRを採用したこと。
RRは重量物が後方にあるため空荷状態でも駆動輪にしっかりトラクションをかけることができます。さらにエンジンがキャビンから離れているので、回転数が上がったときも静かというメリットが。
ちなみにサンバーのエンジンは軽自動車でも珍しい4気筒。しかもスーパーチャージャーを搭載するグレードもあり、最高出力58馬力を発生します。サスペンションは軽トラックで唯一の四輪独立懸架に。それぞれのサスペンションが別々に動くので、車軸で繋がれたものより乗り心地が良くなります。これらの特徴から、スバル製サンバーは“農道のポルシェ”と称されたほど。
現在の中古車流通量は約500台。中古車相場は20万~150万円。この時代のサンバーを指名買いする人も多くいます。
各モデルの個性を見極めて選べば、軽トラライフが楽しくなる
おそらくほとんどの人は「軽トラはどれでも同じ」と思っていたでしょうが、モデルによって個性があることを分かっていただけたはず。
軽トラックは予算重視で選ぶ人が圧倒的多数ですが、そこに各モデルならではの個性を意識して、自分に一番ハマる1台を見つけると、より便利に軽トラックを使えるに違いありません。ぜひじっくり探してみてください!
【関連リンク】
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photo/スズキ、ダイハツ、スバル
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