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【寄稿連載】第三話 ホームレスのテントいろいろ

ホームレスのおっちゃんの溜め息

今回は松田良一さんのブログ『ホームレスのおっちゃんの溜め息』からご寄稿いただきました。

第三話 ホームレスのテントいろいろ

翌日、俺はまたおっちゃんたちのテントのある公園に向かっていた。
なぜなら昨日の夜は帰ったものの、ほとんど寝れなかったからだ。頭の中が二つのことでいっぱいだった。
一つはおっちゃんたちのことで、もう一つは俺を置いて逃げた二人の友人のことだ。俺は文句の一つでも言おうとして、携帯電話を出そうとして初めて携帯電話をなくしていることに気がついた。
昨日公園で懐中電灯を向けられたとき、はっとして転んだ拍子に、ポケットから落としたに違いなかった。それで仕方なしに、また公園に向かっているのである。

昼間の公園は夜と違って、人がたくさんいる。散歩している人、ジョギングしている人、犬の散歩をしている人、ひなたぼっこしている人、といろいろだ。しかし、何か所かにあるテント村の方には、あまり人は近づかない。昼とはいえ、近づきがたい雰囲気を漂わせている。夜に比べると不気味さはないが、やはり何かが息を潜めているように感じるのではないだろうか。

俺は公園につくと、すぐにおっちゃんたちのテントへと向かった。昨夜テントの周りにあった枯れ葉や枯れ枝などは、キレイになくなっていた。よく見ると、テントの横にゴミ袋に入った枯れ葉が何袋か置いてあった。
そうなのだ。
おっちゃんたちは夜寝る前に、テントの周りに枯れ葉や枯れ木などを撒いて、朝起きるとまたキレイに片付けているのである。これを雨の日以外、毎日のようにやっているのであった。雨の日はなぜやらないかというと、雨の音がうるさくて足音が聞こえないからである。

昼間見るテントは、よく見るといろいろな形がある。一人がやっと寝られるような小さなテントから、4、5人が寝られるような大きなものまで、大きさもまちまちだ。
ブルーシートで囲まれたテントの多くは普通の市販のテントを利用したものが多い。そのテントを、木やベニヤ板やスノコなどを利用して囲い、補強をしてその上にブルーシートを何枚か重ねて、雨が漏れないようにしている。
中には本当に家を建てるように四角にきちんと柱を立てて、ベニヤ板でカベを作り、窓まで付いているものもある。それに屋根に勾配をつけて、上に雨がたまらないようにしているものもある。その他には、高床式のように地面に床が触れないようにしているもの、キチンとドアがついてカギでついているものや、中にキッチンらしき物がついているものまである。
人それぞれいろいろと自分が暮らしやすいように工夫している。

俺はしばらくおっちゃんたちのテントに見とれていたが、我にもどって失くした携帯電話を探すことにした。俺は自分が倒れた場所あたりを探してみた。その時、人の気配がして振り向いた。そこに、ここの住人でみんなから黒さんと呼ばれているおっちゃんが、怖い顔をして立っていた。

続く

執筆: この記事は松田良一さんのブログ『ホームレスのおっちゃんの溜め息』からご寄稿いただきました。

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記者:

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