新型の登場で旧型BMW 5シリーズが(低走行物件でも)やたらとお手頃相場に!
▲今年2月11日に新型が発売されたことで「旧型」となったF10型BMW 5シリーズ。まだまだ現役感たっぷりのステキな車ですが、新型登場の影響か、その前期型中古車が妙に安くなっていますよ!
後期型はまださすがにちょっと高いが、前期型なら……
7年ぶりのフルモデルチェンジを受けた新型BMW 5シリーズ(G30型)が2月11日に発売され、「かなりデキが良い!」ということで話題を呼んでいます。しかしその一方で今、旧型となったF10型5シリーズの中古車相場が大きく下がっていることをご存じでしょうか? もちろん新型5シリーズは非常にソソる車なわけですが、我々一般庶民はこちら「モデルチェンジでお手頃になった旧型」の方に、より興味を持つべきなのかもしれません。
旧型BMW 5シリーズは10年3月から13年8月の「前期型」と、13年9月から17年1月までの「後期型」にざっくり分けることができます。ちなみに前期型はそのなかでも初期モノと後期モノに分かれていて、10年3月から11年9月の初期523i/528iのエンジンはそれぞれ2.5L/3Lの自然吸気直6ですが、11年10月以降の523iおよび528iはダウンサイジングされた2Lの直4ターボです。
で、グリルやヘッドライトまわりのデザインが変更され、いくつかの先進安全装備などが進化した後期型の相場は13~14年式が330万~430万円ぐらいで、15~16年式が350万~580万円ぐらいといったニュアンス。……まぁこれでも新車価格を考えれば十分お安くなっているのですが、とはいえ支払総額で考えると400万円近くから600万円超の出費となりますので、「ていうかぜんぜん安くねえよ!」という声もあるでしょう。筆者も、そんな声を上げたい人間の1人です。
しかし13年8月までの「前期型」に目を向けてみると……その中古車相場は今、かなりいい感じでお手頃なのです。
▲10年3月からつい先日まで販売されていた6世代目にあたるBMW 5シリーズ、型式名はF10。8速ATの採用や軽量化、ブレーキエネルギー回生システムなど、より少ないエネルギーでより高い性能を実現する「エフィシエント・ダイナミクス」という設計思想を採用しています
中心となるのは「230万円前後/2万km前後」の523i
全体で見ると旧型BMW 5シリーズ前期型の相場は170万~370万円ぐらいと上下に広いですが、注目ゾーンはずばり190万~250万円あたりです。この、ちょっとした国産新車(例えばトヨタ シエンタのGとかハイブリッドXとか)を買うのとほぼ同じぐらいの予算感で、走行2万km台までのBMW 5シリーズが狙えてしまうのがこのゾーンなのであります。
あくまで一例として挙げたにすぎませんが、例えば新車のシエンタと、走行2万km台までとはいえ中古のBMW5シリーズの、どちらが良いとか悪いとか、上だ下だというのは、ここで論じても意味がありません。人それぞれの価値観により答えは変わりますので、100人いれば100通りの見解があることでしょう。だから「どちらが良いか」ではなく、もしも「えっ、そんな値段で(中古とはいえ)バリ物のビーエム 5シリーズが買えちゃうわけ?それっていいじゃん!」と思う人に限り、この相場にご注目いただければと思います。
で、中古車というのは1台ごとに何もかもが千差万別なわけですが、「車両190万~250万円あたりで狙える走行2万km台までの旧型BMW 5シリーズ」の具体像とは、おおむね以下のような物件をイメージしていただければ、当たらずといえども遠からずです。
【パターンA:初期の直6搭載523i】
■10年式BMW 523i ハイラインパッケージ
本体価格225万円(支払総額245万円)
走行1.9万km/ブラックサファイア/右H/AT/D車/禁煙車/ベージュ革シート
【パターンB:初期の直6搭載528i】
■11年式BMW 528i ハイラインパッケージ
本体価格236万円(支払総額256万円)
走行2.4万km/アルピンホワイトIII/右H/AT/D車/禁煙車/ブラック革シート
【パターンC:11年10月以降の直4ターボ搭載523i】
13年式BMW 523i ハイラインパッケージ
本体価格245万円(支払総額265万円)
走行2.8万km/スペースグレー/右H/AT/D車/禁煙車/ブラック革シート
あくまで上記の数字や文字はすべて仮のものですが、これらの他に直4ターボの528iや3L直6ターボの535iも、希にこの価格帯で流通しています。しかし基本的には上の3パターンが主流とお考えください。そしてベーシックな523i系の方が数は多いですが、528iもそれなりの数が流通しています。
……どうでしょう? ある種の人はけっこうグッとくるスペックではないでしょうか?
▲外資系企業の重役用執務室のような、旧型BMW 5シリーズのコックピット。ちなみに写真はハイラインパッケージに相当する本国仕様で、Mスポーツパッケージはもう少しスポーティな方向性のデザインです
ただ「整備代問題」と「型遅れ問題」をどう考えるか?
もちろん世の中の大半のモノは「光と影」でできていますので、190万~250万円ぐらいで狙える走行2万km台までの旧型BMW 5シリーズにも影=ネガはあります。
例えばそれは「国産車と比べればどうしたって部品代とかは高い」ということでしょうか。
旧型5シリーズの前期型は3年間の新車保証はすでに切れていますし、任意で加入する有料の延長保証(1年または2年)も切れていたり、もしくはそもそも延長保証に加入していない個体も多いはず。となると中古車を購入後の整備・修理代はすべて自腹となり(※中古車販売店の保証期間中を除く)、一般論として輸入車の部品代は、特に5シリーズのようなプレミアムモデルの部品代は、国産車のそれと比べれば正直割高です。そこのところをどう考えるか?
またもう一つのネガは、いかに走行2万km台までの好条件車とはいえ型遅れは型遅れですから、今後デリバリーが始まる新型5シリーズに交差点とかで並ばれると、ちょっとした劣等感を感じるかもしれないということ。その問題を、自分の心のなかでどう処理するか?
まず後者の「新型に対する劣等感」ですが、これはもう気にしないのが一番です。本人や一部の自動車マニアはそのあたりを過剰に気にするのかもしれませんが、世間一般からするとホントどうでもいい話です。普通の人は、キレイに洗車されたノーマル車である限り、新型だろうが旧型だろうが「あ、なんかステキなビーエムだなぁ」と思う程度か、もしくは何も思わないかです。なのでここは一つ気持ちを強く持って、「自分が気に入って旧型を買ったのだから、これでいいのだ!」と自信を持てば、すべてが解決するでしょう。
▲硬質なカタマリ感がありながら、どこか妖艶でもある旧型5シリーズの造形。きちんとキレイに洗車しながら乗っていれば、そのプレミアムなオーラはまだまだ健在。「型遅れ車の悲哀」みたいなものを感じる必要はありません
問題はやはり「今後予想されるメンテナンス費用」でしょうか。しかしこれについても、基本的には「中古車ライフの王道を歩む」ことによってほぼ解決できるはず。中古車ライフの王道を歩むとは、主に以下の3点に忠実であることです。
1. 購入時は価格や走行距離、ボディ色や装備などではなく、それまでの整備履歴こそを重視して選ぶ。
2. 購入後は年に一度、せめて2年に一度はその道のプロに点検と整備を行ってもらう。
3. それでも機械である以上どこかが故障する可能性はあるので、多少のメンテ貯金は持っておく。
これで、だいたいの問題はほぼ解決します。輸入車だろうが国産車だろうが壊れるときは壊れますし、どちらも最近の車はさほど壊れないといえば壊れない……とも言えます。「リスクゼロ」を望んでいては何もできないし、どこへも行けません。もしもお手頃相場になった旧型BMW 5シリーズに興味が湧いた人がいらっしゃいましたら、まずはお気軽に下記の物件リンクをちらりとチェックすることから始めてみてください。よろしくお願いいたします。
【関連リンク】
車両250万円以下、走行3万km以下の旧型BMW 5シリーズをチェックしてみるtext/編集部
photo/BMW
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