ネットで話題騒然! 焼きあごだしの自販機「だし道楽」とは

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ジュース感覚でだしが自販機に

大阪・西天満近辺を歩いていてノドが渇いた。

横断歩道の向こうに自販機が見えたので、あそこで何か飲み物を買おうと思って近づいていった。

ん?

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あれ……?

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売ってるのはお茶じゃない。

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「だし」だ!

嘘です。実は最初から何となく普通の自販機じゃないと思って近づいていったのだが、それにしてもだしの自販機とは珍しい。

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Do not drink. This is a vending machine of dashi.

そんな英語表記で、外国の方が誤って買ったり、飲まないための注意書きもある。

「だし道楽」というだしを売るこの自販機では、焼きあご・昆布入りの「だし道楽」が700円、焼きあご・昆布に加えて宗田節が入った「だし道楽 PREMIUM」が750円で販売されている。

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まずは「だし道楽」を購入。

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「だし道楽 PREMIUM」も買ってみた。

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どちらも500ml入りで、ボトルの中には焼きあごが一尾丸ごと入っているのが見える。

いったいどんな味がするのだろうか。

鍋にたらすと威力絶大

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家に持ち帰ってきた2本のだし。

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まずはレギュラーの「だし道楽」から一口味見してみると、

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濃い!

たった一滴で強いだしの香りがグッと口の中に広がる。

「だし道楽 PREMIUM」の方は、そこにさらにとろみが加わりより濃厚な味わい。いろいろな使い方ができそうだが、まずは冬の間いつも食べている水炊き鍋に加えてみた。

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普段は特になんの味付けもせずポン酢で食べているのだが、「だし道楽 PREMIUM」を軽く回しがけしただけでいきなりおいしい。

改めて薄めて味わってみると、焼きあごのだしの濃いんだけどまろやかさのある風味と柔らかい甘みがよく分かる。それが鶏肉から出たダシや煮込んだ野菜のうま味などなどと混ざり合い、相乗効果でとんでもないおいしさに。

魔法の液体のようだ。

ネットで話題&東京進出も

興味本位で買ってみた「だし道楽」だったが、ネットではすでに結構な話題になっていることが分かった。

呉駅前の自販機で売っている「だし道楽」。実は京都でも立誠シネマさんのはす向かいに自販機があります。高瀬川沿いのパーキングのところ。みなさん気付いて〜><。しかも新パッケージ! pic.twitter.com/3Ung4yqWbP— たっぷり (@Airship1Takeoff) 2017年1月30日

最近、どうやら東京進出も果たしたらしい。

「だしの自販機」が、ついに東京都内初進出しました。販売商品は「焼きあご入り(700円)」、「プレミアム(750円)」の2種類。Twitterでは「職場前の自動販売機が出汁の自動販売機に」と衝撃を受けるユーザーも。⇒ https://t.co/GslcMWI2NS #だしの自販機— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2017年2月9日

調べてみると広島県呉市にある「二反田醤油」という会社が運営しているうどん店が「だし道楽」という名前で、そこが作っているだしの自販機が関東・関西など国内数か所に設置されているということらしい。

もうちょっと詳しく知りたくなったので、「二反田醤油」の二反田さんにお話をうかがってみた。

ーーいつ頃から、自販機でだしを販売するようになったのでしょうか?

2007年の7月からです。一店舗目のうどん店の店頭に自販機を設置して販売したのが始まりです。

――自動販売機による販路はなかなか珍しいアイデアだと思うのですが、どういったきっかけで販売されたんでしょうか。

うどん店の営業時間は10時半から14時半なのですが、限られた時間なので、営業時間外に商品を購入したいというお客様の声が広がってきました。そもそも商品の見た目としても、魚が丸ごと入ってインパクトが大きいので、販売方法も珍しいものがいいと思いました。24時間販売できるというのも面白いですし。

――あ、そもそも「だし道楽」という商品が先にあって、そのだしの味を活かしてうどん店を始められたという順序なのですね。

おっしゃるとおり。「だし道楽」は2003年に商品化をしておりましたが、なんとか皆様に知っていただきたいという思いから、2006年の11月にうどん店をオープンしました。その半年後に店頭に自販機を設置しました。

――ホームページを拝見したところ、自販機はその後、国内の各地に設置されているとのことなのですが、設置場所はどんな基準で決まっているんでしょうか。

利便性や話題性を考慮して決めています。まだまだ台数は少ないですが、街の珍しい自販機として、また美味しくて楽しい自販機だと感じていただきたい思いから、今後も少しずつ増設していきたいです。

――普通の「だし道楽」と「だし道楽 PREMIUM」の2種類がありますが、PREMIUMの方は味わいがさらに濃いですね。

「だし道楽 PREMIUM」は2016年の12月に販売を開始した新商品で、宗田節を追加したことによってコクが深く、カツオの香り豊かになっています。うま味のハーモニーを楽しめるプレミアムな「だし道楽」です。

――「だし道楽」シリーズを購入した方からの反響はありますか?

「お茶かと思った!」という声ですとか(笑)、「だしオンリーの自販機って需要あるの?」といった声をSNSで拝見します。「意外と本格派な味」と好評をいただいたり、こだわりのレシピなど「だし道楽」の楽しみ方を共有してくださる方も多いですよ。

――なるほど、ちなみに「だし道楽」シリーズを使ったおすすめのレシピがあったら教えてください!

寒い時期には鍋、おでんに使う方が多いです。また、お醤油がわりにすき焼きなどでも楽しめますよ。

ーーえっ、すき焼き!?

すき焼きとの相性最高

「だし道楽」担当の方から教わった中で「すき焼きに焼きあごだし」、という取り合わせが珍しく感じたのでさっそくやってみることにした。

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やってみた、と言っても、特に難しいことはなく、すき焼きの割り下を「だし道楽」と水と砂糖と料理酒を合わせて作って、あとはもう普通のすき焼きである。

そもそも「だし道楽」はかなり濃い目(うどんだしとして使う際には7倍か8倍に希釈するほど)なので、濃くなり過ぎぬよう味を見ながら慎重に足していくのがおすすめです。

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そうしてできたすき焼き。

美味しいんじゃないか? とは思っていたのだが、それはもうおいしかった。「だし道楽」のダシをたっぷり吸った具材を卵と絡ませた時の完璧さよ。

ちなみに、「だし道楽」は卵かけご飯に醤油がわりに使ってもおいしいらしいです。

そりゃそうだろうな!

ラーメンのスープにも

いろいろな使い方ができるであろう「だし道楽」だが、自分でやってみて特に気に入ったのがラーメンのスープに使うというもの。

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ちなみに私の家には、ライター仲間の玉置豊さんにすすめてもらって購入した“製麺機”があるので、これを使い自家製麺のラーメンを作ってみることにした。

強力粉と水と塩とかんすいを混ぜ合わせて作った生地を、製麺機で平たく伸ばしてカットしたら麺のできあがり。

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少し手間はかかるけど市販の麺よりも食感がよくておいしいです。

ここからがいよいよ「だし道楽」の出番。

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1人前のスープを作るとして、水400ccに「だし道楽」を大さじ1.5、市販の中華スープの素を大さじ0.5、そこに生姜チューブを少々、お好みでニンニクチューブも絞り、一煮立ちさせ、最後にほんの少しごま油を垂らしたらできあがり。簡単です。

鶏ハムやネギ、海苔と玉子ともやしなどをトッピングしてゴマを振りかけてみた。

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そして食べてみた。

完全にうまい。

後味に残る甘みがいい。

飽きのこない絶妙なバランスのスープができました。もちろん市販の生麺、乾麺でも合うと思う。実際、ちょうどうちに来ていた友人に食べてもらったところ「見直したよ」と言われたほどである。

さらに後日、いつも食べているカップラーメンにほんの少し「だし道楽」を垂らしてみたら、それだけでかなりプレミアムな味わいになった。本当になんにでも使えそうだ。使い方によって焼きあごのダシの違った面が引き出されてくるのが面白い。

また、使い切ってボトルの中に残った焼きあごは、オーブンで少し焼いた後にミキサーで粉々にして「ふりかけ」としても使えるとのこと。最後までとことん楽しませてくれる。

というわけで、ふと買ってみたら予想以上に便利かつおいしかった「だし道楽」。何かいい使い方を知っている人がいたら教えてください。

「だし道楽」は自販機の他、オンラインで購入することもできるのでホームページを見てみてください!

取材協力:だし道楽

※この記事は2017年2月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

書いた人:スズキナオ

スズキナオ

1979年生まれ、東京育ち大阪在住のフリーライター。安い居酒屋とラーメンが大好きです。exciteやサイゾーなどのWEBサイトや週刊誌でB級グルメや街歩きのコラムを書いています。人力テクノラップバンド「チミドロ」のリーダーでもあり、大阪中津にあるミニコミショップ「シカク」の店番もしており、パリッコさんとの酒ユニット「酒の穴」のメンバーでもあります。色々もがいています。 Twitter:@chimidoro

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