14万円、40万円…をカット! 注文住宅の予算オーバーを解消するワザ
せっかく注文住宅を建てるなら、自分のこだわりを実現したいもの。一方で予算は無限ではなく、頭を悩ませている人も多いだろう。今回は、予算オーバーを防ぐ家づくりのワザを専門家に聞いた。
家のカタチ、間取り、設備・建材の3つの面で、コストダウンを実現
「家づくりのコストは、家のカタチ、間取り、設備・建材の3つの面から考えるといいでしょう」と柏崎文昭さん(甚五郎設計企画)。
「例えば、総2階というカタチは、上下階が不ぞろいなカタチの家や凹凸のある家に比べて、材料が少なくてすみ経済的です。スッキリした外観になり、周囲の街並みに溶け込みやすいというメリットも」
また、間取りについては、仕切りの少ないオープンなプランを勧める。「壁を少なくすることで、骨組みとクロスなどの材料費、施工費や建具が省けるのが大きい。暮らしの面からは間取りがオープンになることで、家の中に一体感が生まれ、家族の自然な交流が生まれます」
図面を見て間仕切り壁を省略できないかチェックしよう。
設備・建材選びは自分が何を優先するかがポイントになる。
「自分には過剰と思える機能もあると思うので、どこまで必要なのかをもう一度考えてみては。省けるものがあったら、その分こだわりたいものに予算をまわせます」
なお、費用調整を行うのは、見積もり提案後、契約までの期間。この間を逃すと、調整が難しくなるので気をつけたい。【画像1】契約までの流れと費用調整のタイミング
11万円~40万円も削減! コストダウンの秘訣は「シンプル」な形状にあり
ここからは、コストダウンできる方法を建築家の試算付きで紹介。予算を超えたときに自分ならどこを調整するのか、参考にしよう。
※掲載しているコストダウンの金額は、記載している条件でシミュレーションしたもの、またはカタログ記載価格に基づく目安です。
1●総2階にして屋根・木工事を減らす
約28万円DOWN
試算条件:延床面積120m2程度で、1階部分の屋根(幅11.20m、奥行き2.60m)付きの家と総2階の家を比べる
1、2階の面積を同じにする総2階は、基礎や柱など構造部と屋根材が最小限ですむ。隣家への日照を妨げない、間取り的に問題がないなど条件が整っていれば、不ぞろいより総2階がコストを抑えられておトク。デザイン的にはすっきりしたフォルムになるし、変化が欲しければ外壁をツートンにしたり、スリット窓など窓の形状の工夫で補える。
2●施工手間の多い屋根よりシンプルに
約11万円DOWN
試算条件:延床面積120 m2程度、総2階建てで寄棟と切妻を比べた場合。屋根材を標準的な化粧スレートとして
屋根には寄棟、切妻、片流れなどがある。このうち寄棟は棟が多くなるので部材と施工費が膨らむ。切妻は寄棟よりコストが安く、片流れはさらに安い。外観全体のデザインを考慮し、シンプルなカタチがよければコストは下げられる。ただ勾配がきついと施工時の危険防止のため屋根面に足場が必要になりコストアップするので、勾配は抑え気味に。
3●外壁量が多くなる凹凸を減らす
約40万円DOWN
試算条件:延床面積120 m2で、四角いカタチよりも、凹凸があることで外壁の量が約13%増えた場合
同じ床面積なら四角いカタチより凹凸のある家のほうが外壁量は多くなる。また凹凸の隅部には構造的な補強も必要。四角いカタチのほうがコスト面ではおトクだが、四角にすることで間取りに不都合が生じないか要検討。
4●窓の数を減らすか、サイズを小さくする
約14万円DOWN
試算条件:40.5㎝×183㎝のフィックス窓を2カ所減らした場合
窓の数を減らす、あるいはサイズを小さくすることもコストダウンになる。西日の当たる窓を減らす、北側の窓は換気用として小さくすると、かえって冷房費の削減になるし、プライバシーが守れる家になる。窓の数を減らすか、サイズを小さくする。
予算オーバーを解消する方法は、まだまだたくさんある。希望の優先順位をつけて、予算内で納得の家を建てよう。
構成・取材・文/林直樹 取材・試算協力/柏崎文昭さん
※本記事は『HOUSING by suumo』2017年3月号に掲載した記事を、再構成したものです
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2017/01/125154_main.jpg
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