誰からも好かれる人になるための「3つの技術」とは?

コミュニケーションに関するビジネス本を約20冊も出されている、 コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀さん。そんな松橋さんに「コミュニケーションの極意」についてお話しいただくこのコーナー。第3回目は「好かれる人の特徴、好かれる人になるための技術」についてです。f:id:k_kushida:20170106200246j:plain

あなたの周りには、こんな人はいませんか?

失敗しても、ドジを踏んでも許される人。

「あー、あいつ、またやってるよ!あいつはほんと、しょうがないよな(笑)」の一言で無罪放免になってしまう、誰からも好かれる不思議な人が存在します。

その一方で、同じような失敗をすると、上司からは厳しく叱られてしまうし、同僚や後輩からは一切の同情をされない人もいます。

いったい何が違うのでしょう?

「かわいげ」がある人の条件とは?

誰からも好かれる人の特徴は3つあります。

ひとつは、「かわいげ」があるかどうかです。

かわいげがある人とはどんな人なのか、考えてみましょう。

ある調査で、「かわいげがある人とは?」というインタビューしたところ、以下のような答えが多かったそうです。

「人なつっこい」

「挨拶がきちんとできる」

「元気がある」

「一生懸命にやっている」

これらを差し置いてのダントツ1位は、「素直さ」でした。

つまり、素直で、一生懸命で、人なつっこい人が、かわいげがある人なのです。

誰からでも好かれる人なのです。

逆に、どんな人が「かわいげがない」かというと、次のようなことが挙げられました。

「頑固で意地っ張り」

「人に頼らない」

「テンションが低い」

そして、「素直でない」人が、人生で大きな損をします。

なぜ素直になれないのか?

素直になれない理由は、自分に自信がないという深層心理があります。

また、自尊感情が低いのも原因のひとつです。

こういった人は、注意されたり、怒られることに対して、とても耐性が低いです。

そのために、「使えない奴」と言われるのを極度に怖れます。

わからないことがあっても人には相談できません。

自分で処理しようとして、傷を深くします。

自分の能力のなさを悟られないように、必死に言い訳をします。

しかし残念ながら、うまく取り繕っているつもりでも、周りにはバレバレです。

「扱いづらくて、めんどうくさい、素直じゃないヤツ」

こう思われて、どんどん周りとの溝を深めていきます。

先輩の立場でいうと、積極的に相談をして、頼られる方がうれしいものです。

「わからないことはわからないので、助けていただけないですか?」

こう言える素直さは、大きな力になります。

「よっしゃ!なんとかしてあげよう!」という応援者を引き寄せるものです。

誰からでも好かれる人は、「素直」という大きな財産を持っているのです。

短時間で心の壁を取り払うには?

知り合って間もない人と、すぐに仲良くなる人がいます。

周りで見ていた人が、

「え!うそ!初対面なの?長年の知り合いにしか見えなかったよ」

とビックリするくらい、短時間で仲良くなります。

あっという間に心の壁を取り払って、相手の心をつかんでしまう人は、いったい何をしているのでしょう。

親しみが持てる人は、どんなことをしているのでしょう。

昔の芸能人は、プライベートは一切出さず、アイドルならトイレにも行かないくらいの、いわば神格化されたイメージで売っていました。

でも最近は特に、どれだけ普通の感覚を持っていて、いかに親しみが持てるかが人気のポイントになっています。

時代は、「すごい人」「尊敬できる人」ではなく、「親しみが持てる人」に人気が集まっているのです。

「親しみを持てる人だ」と思われるためにやるべきこととは?

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ほとんどの人は、「相手からなめられないようにしないといけない」と思って、肩肘をはって、自分をすごい人に見てもらおうとがんばり、尊敬されるように振る舞います。

誰からも好かれる人は、それとは逆のことをしています。

おススメの話題は、「ちょっとした失敗談」です。

この「ちょっとした」、というのがポイントです。

行き過ぎた自虐ネタだと、相手にしてみれば笑っていいのかどうかに困ります。

なんと言葉をかけていいのか、どう対応したらいいのか、頭を悩みませることになります。

「いやー、今日電車に乗ってたら、前の席の女子高生の二人組が僕を見てクスクス笑ってるんですよ。まさかと思って確認したら、やっぱりチャックが開いていてさ!その場で閉めるわけにもいかないし、カバンで隠すのが精一杯だったんですよ。ほんとに参りました~。(笑)」

こんな風に、ちょっとした失敗談を披露すると、相手に親しみを持ってもらえます。

「ずいぶん気さくな人だな、なんか安心できそう」

気取らない人、カッコを付けない人、天然そうな人は、人を安心させます。

「スキを見せないようにしよう」

「カッコ悪いところを見せるものか」

と身構えて頑張っていると、相手にその気持ちが伝わります。

ちょっとした失敗談を言いながらスキを見せまくる方が、人の心をつかみます。

しょぼいやつだと思われないために

このようなことをセミナーや講演会で話すと、「こいつ、しょぼいやつだなと、なめられて損をしませんか?」という質問を受けることがあります。

もちろん、失敗した話だけで自分のアピールをしないままだと、「なんか面白い人だった」という評価だけで終わってしまいます。

失敗談だけだと仕事に差し支えるので、自分の売りはしっかりアピールしましょう。

ただし、誰からも好かれる人は、親しみを感じてもらった後に、さりげなく自分の強みや売りの部分をアピールするのです。

自分を上げて、あとで失敗談を言うのではなく、自分を最初に下げてから、あとで上げる。

このように、順番を逆にするだけで、相手に与える印象はまったく変わります。

そのためにも、日常で起こる恥ずかしい体験や失敗は、最高のネタになりますので、どんどんストックしておきましょう。

悩み相談で相手の心をつかもう

失敗談を聞くと、人は安心します。

「へえ、きちんとしているようだけど、そんな失敗をするんだね~」

このように親近感が沸いて、親密度が一気に高まります。

さらに、もっと親近感を生み出す話題があります。

それは、「悩み事を相手に打ち明けること」です。

自分の情報をどんどん伝えることを、「自己開示」と言います

自分の失敗、自分の悩み、プライベートなことなど、どんどん自分から開示していくのです。

自己開示すると、相手もお返しをしないといけないと感じて、同じレベルの情報を出し始めます。

こうして自然に深い関係が築かれていくのです。

自己開示をするときには、「切り出し方」が重要です。

初対面の時や、あまり親しくない間柄なのに、いきなり悩み事を相談されると、「どのように反応したらいいんだろう?」と、相手が困ってしまいます。

そこで、前置きを入れることが必要です。

「今となっては笑い話なんですが…」

「こんなことを話すと笑われるかもしれませんが…」

このような前置きをして話すことです。

すると、相手は安心してあなたの話を聞くことができます。

締めくくりは、「ホント、私って間抜けでしょ!」

ただし、まだそれほど親しい関係ではないときの自己開示は、悩みの強度は軽めのもので、しかも笑えるような話がいいでしょう。

「同僚となかなか仲良くなれない」「友人がいない」

こういった悩み相談を受けることがありますが、話を聞いてみると、「自分のプライベートは話さない」「悩みを打ち明けたことがない」「いつも完璧な人間だと思われるように頑張って振る舞っている」という方が多いです。

深い関係を作りたいなら、悩みを相談することです。

悩みを共有することで、つながりができるのです。

最後にまとめます。

誰からも好かれる人になるための「3つの特徴・技術」は以下の通りです。

1.「かわいげ」が ある人

→素直さを持って人と接していくことが大切。

2.「親しみ」が持てる人

→「ちょっとした失敗談」で、親しみを感じてもらうことが大切。

3.「悩み事」を打ち明けてくれる人

→自分の失敗や悩み、プライベートなことなど、どんどん自分から開示することが大切。

まずは少しずつ自分をさらけ出すところから始めてみてはいかがでしょう?

誰からも好かれる人に近づいていきますよ。

松橋良紀(まつはし・よしのり)

コミュニケーション総合研究所代表理事/一般社団法人日本聴き方協会代表理事/対人関係が激変するコミュニケーション改善の専門家/コミュニケーション本を約20冊の執筆家

1964年生青森市出身、青森東高校卒。ギタリストを目指して高校卒業後に上京して営業職に就くが、3年以上も売れずに借金まみれになりクビ寸前になる。30才でP心理学を学ぶと、たった1ヶ月で全国430人中1位の成績に。営業16年間で、約1万件を超える対面営業と多くの社員研修を経験する。2007年にコミュニケーション総合研究所を設立。参加者が、すぐに成果が出るという口コミが広がり出版の機会を得る。NHKで特集されたり、雑誌の取材なども多く、マスコミでも多数紹介される。

約20冊で累計30万部を超えるベストセラー作家としても活躍。「コミュニケーションで悩む人をゼロにする!」を合言葉に奮闘中。

著書

「あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール」(明日香出版社)

「相手がべらべらしゃべりだす!『聞き方会話術』」(ダイヤモンド社)

「人見知りのための沈黙営業術」(KADOKAWA)

「何を話したらいいのかわからない人のための雑談のルール」(KAODOKAWA)

「話し方で成功する人と失敗する人の習慣」(明日香出版社)

公式サイト http://nlp-oneness.com

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