【広島県北広島町】車中泊やキャンプで移動そのものを楽しむ。森林活用「Overlanding」事業始動

広島県北広島町とNature Serviceの双方間で、日本初の「Overlanding(オーバーランディング)」を用いた新たな取り組みが合意された。北広島町が持つ森林資源を、持続可能な観光資源としてアピールしていく。

北広島町の自然を肌で感じるOverlanding

Overlandingとは自然の中を車で走行し、その道中で車中泊やキャンプを楽しむアウトドアアクティビティ。目的地を目指すことよりも、長距離の移動そのものを楽しみ、自然と一体となった体験をする。

欧米やオーストラリアでは既に新たな旅の選択肢として定着しており、多くの人々に親しまれている。自動車メーカーやアウトドアメーカーも、ビジネス拡大のチャンスに意欲的だ。

同プロジェクトは、手つかずになっている森林資源・林道・廃道を用いて実施。IT技術を最大限駆使し、安全なOverlandingを体験できるのが魅力的だ。参加者は北広島町の自然を満喫しつつ、地元の文化に触れられる。

豊富な森林資源で地域活性化を目指す

北広島町は広島県の北部に位置し、町全体の約8割にあたる5万haが森林という自然豊かな地域だ。1,000ｍ級の山々、盆地、棚田集落など北広島町ならではの光景は、圧巻の一言。夏は過ごしやすい気候、冬はスキーなどウィンタースポーツの聖地として知られている。

令和5年度に制定された「北広島町新たな森林資源活用ビジョン」では、豊富な森林資源の魅力を全面的に打ち出し地域活性化を目指す。令和6年度からは具体的なアクションプランの実現に向けて取り組んでおり、今回のOverlandingもプロジェクトの一環だ。

その一方でNature Serviceは「自然に入ることを、もっと自然に」をコンセプトに、日本各地で自然資源の調査及びマーケティングを実施してきた。

同プロジェクトでも日本の自然をOverlandingで提供しつつ、地域の活性化も目指す。北広島町とNature Serviceの両者は、Overlandingによって新たな観光価値を生み出すことが森林活用ビジョンにおいて理想的であると考える。今後も共同で、プロジェクトを進める方針だ。

今後のビジョン

同プロジェクトでは今後約3年をかけて、地域資源の調査や事業モデルの開発、旅行代理店や国内自動車メーカー、北広島町内の林業従事者、観光産業従事者等の各関係事業者との連携の強化を予定している。北広島町の未活用林道やスキー場跡地を活用し、IT技術を駆使した管理の下、魅力的で安全なOverlanding体験を提供していくことを目指す。

今後のスケジュールとしては、令和7年度に地域資源調査の実施、地域事業者との連携強化、モニター体験用ルートの調査・開発。令和8年度に、モニターツアー受入れ体制の構築、モニターツアーの実施、追加ルートの調査・開発。令和9年度にプレオープン、運営体制の確立となっている。なお、スケジュールは現時点での予定であり、今後の調査結果や諸条件により変更となる可能性がある。

この機会に、北広島町の車×アウトドアで創る持続可能な森林活用「Overlanding」をチェックしてみては。

Nature Service公式サイト：https://natures.natureservice.jp/2023/12/14/18845

(木村香央里)

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