『Imisiru(イミシル)』単語を撮影するだけで翻訳できる海外旅行にうってつけの便利道具の実力を検証!

2016年4月にキングジムから発売された『Imisiru(イミシル)』。海外旅行などで役立つ、知らない単語を撮影すると、その単語を文字として読み取り単語の意味を表示してくれる商品だ。いかにも魅力的で便利そうな商品なのだが、Amazonでは低評価…。そんな『Imisiru(イミシル)』を今回は徹底的に検証してみることにしよう!
スマホの翻訳アプリは通信環境がないと使えない、中国語や韓国語はそもそも入力方法がわからない、そんな時に!
キングジムと言えば、名刺を写真に撮って管理する「メックル」や、以前おたナビでも紹介した「デジタルメモ ポメラDM200」のような、ニッチながらも実用性の高さでワクワク感を与えてくれる商品を多く取り扱っている会社。

記者の『Imisiru(イミシル)』(希望小売価格 税抜12,000円・発売中)に対するファーストインプレッションは、「めちゃくちゃ便利そう!」。丁寧にケースにしまった二つ折りの電子辞書だと、取り出すのも億劫になってしまうことが多々あるが、このお手軽なサイズ感なら気軽に取り出しやすいだろう。
普通ならスマホの翻訳アプリを使用すればいいじゃないかと思うかもしれないが、海外で普段使用しているスマホを使うとなると、現地のSIMに差し替えるなどの対策を取らないと通信費が高額になってしまうこともあるし、Wi-Fi接続するのも設定などの手間がかかり、敷居が高い。また電子辞書を使うにしても、英語ならまだしも、中国語や韓国語を入力すること自体が難しい。

そんな時に大活躍してくれるだろう商品がこの『Imisiru(イミシル)』。取り込んだ画像を自動でテキスト化してくれるOCRを搭載しているため、撮影した文字を自動で認識し辞書引きしてくれる。
手のひらサイズ、100gに満たない軽さも魅力

本体の大きさは2.4インチ。クレジットカードやSuicaと同じぐらいの大きさで、手のひらサイズ。
質量は電池を入れても100g弱とかなり軽め。記者のiPhone5s(112g)よりも軽い。

別売の単4電池2本で動くため、多くの電子辞書とは異なり充電は不要。1日あたり10分間の使用を想定すると約12日間使用可能だ。1週間程度の海外旅行で利用するにはちょうど良いかもしれないが、わからない単語だらけだと1日に10分以上使用するだろうから、少し持ちは悪いのかもしれない。ただ世界各国で入手しやすい乾電池が使用できるのはいい。

辞書データが内蔵されているため、ネットワーク接続は不要。日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語に対応している。搭載辞書は以下の通り。
英和辞書:約55,300語
和英辞書:約85,000語
国語辞書:約110,200語
簡体字版 中日辞書:約43,600語
簡体字版 日中辞書:約48,700語
繁体字版 中日辞書:約42,700語
繁体字版 日中辞書:約48,000語
韓日辞書:約34,300語
日韓辞書:約76,600語
使用方法には若干のクセがある!
本体の「C」というボタンの下に「PWR」と書かれている。ここを長押しすると電源が入るのだ。電源を切る時もこの「C」ボタンを長押しする。
試しに10mほど離れた英語の看板の写真を撮ろうとする。しかし、カメラの解像度が悪すぎて全く読めない。きっとカメラがあらかじめマクロモードに設定されているのだろう。

看板よりもメニューを読むのに適しているはずなので、今度は近くの文字を読んでみる。近づけすぎて画面全体が暗くなってしまっても、ライト機能があるので心配ない。

英語は、スタンダードな書体はそこそこの認識率だが、少しでもカリグラフィー的な要素が入ってしまうと読めない。認識率は決して高くないように感じた。

韓国語の認識率はまだ高い方だが、外来語などの意味が出てこず、中国語は簡体字・繁体字両方で撮影しても認識できない文字が出てきた。

日常生活上の簡単な語彙しかなく、食品名などの固有名詞の収録が少ないのも目立つ。

画面上のガイドに合わせて文字を撮影するのだが、ガイドに合わせようと近づけば近づくほど手ぶれするし、解像度は低くなる。
記者が一番気になったのは、読み取ってから待ち時間が長いことだ。少々イラッとしてしまう。

そもそも用途として、電子辞書的な使い方は向いていないのだと思う。ただ海外旅行先の看板やメニューなどの単語を調べるという点では過不足ないだろう。また読み取った単語は99件まで履歴が確認できる。
まとめ:デザイン性の高い文字は認識できないが、海外旅行に気軽に持ち歩けるサイズ感はいい!

小さくて軽いので持ち運びに便利なのは間違いない。OCRの精度がより向上すれば可能性はもっと広がるだろうが、その分重くなってしまっては本末転倒。海外旅行先であくまで気軽に、知らない単語を調べる程度の使い方に威力を発揮する便利ツールだと感じた。それだけでも旅の不便解消に大いに役立つはずだ。
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