30万円でスタートする移住生活。予算の内訳編 —渡り鳥プロジェクト—
暑い季節は涼しいところへ、寒い季節は暖かいところへ。快適な環境を求めて移動しながら、どこでも同じように働けることをめざす「渡り鳥プロジェクト」。
前回の更新では、いよいよ「1月に渡り鳥になるぞ」と決意したところまでお話しました。行くと決めてから見えてくるものもあるはずで、準備はこのくらいにして、実際に飛び立つための行動を開始したのです。もしも不測の事態が発生したら、それはそのときに対処すればいいと割り切って、まずはスタートラインに立ちたいと思いまして。
出発は年明け1月。行き先は沖縄。できれば離島の竹富島にも渡る、と定めてネットサーフィンを始めたところ、「ツウは夏より冬の沖縄」などと背中を押してくれるサイトにもたどり着き、正しい決断だったかもと上機嫌に。同行する妻とも相談し、具体的に「いつからいつまで、どこに行くか」を確定させていきました。
結論から言うと、1月のうち計15日間沖縄に滞在することに。そのうち10日は沖縄本島に、残りの5日は石垣島に宿泊することになりました。宿も航空券も、すでに手配が完了しました。
正直なところ、1月まるまる30日間滞在したかったのが本音ですが、年初は宿代や航空券が高いこと、1月後半に都内で仕事が入ってしまったことなどから、最終的に約2週間のスケジュールとなりました。あまり旅慣れていない「渡り鳥の初心者」としては、結果的にこのくらいでちょうど良かったかなと思っています。
そこで今回はお届けするのは、「宿」と「航空券」のお話。何を基準に決めたか、どう手配したか、お金はいくらかかったのかを具体的に紹介したいと思います。ライター兼デザイン会社代表の松岡がお送りします。
Airbnbで沖縄本島10泊分を確保
ネットを活用したアメリカ発の民泊サービスAirbnbをずっと使ってみたいと思っていました。近年のテック業界を代表するサービスと知りながら、わが家に子供が生まれたばかりで旅行や遠出が縁遠くなってしまい、ずっと利用する機会がなかったからです。だから今回はAirbnbを絶対使うと心に決めていました。
まずは食事や移動に困らないと思われる中心地・那覇市内の宿をアプリで探すところから。ただ、やはり都市部ということで、ヒットするのは沖縄じゃなくてもありそうなマンションタイプの宿ばかり。外出せずに部屋にこもっていたら、沖縄にいることを(悪い意味で)忘れてしまいそう。渡り鳥プロジェクトは観光ではなく現地で暮らすことが目的とはいえ「沖縄らしさ=海」がないのは、どこか寂しい。どうせなら海の近くで暮らしたいなと、欲が出てきました。
そこで検索範囲を広げて、沖縄本島すべてを対象にしたところ、たくさんの選択肢がある中で「これだ!」と思える宿がひとつ見つかりました。マンションの高層階にある部屋で、海を見下ろせるほど眺めが良く、ビーチに歩いて5分の好立地。部屋数も多く、仕事をする部屋と子供が遊ぶ部屋を分けられるのも便利(1月の沖縄は天気が崩れがちで、屋内で過ごす日もありそう)。子育て世代にやさしく、子供用のおもちゃやオムツまで用意があるなどサービス面も申し分なし。
宿代は1泊約8,000円(家族3人分)でした。単身者向けのシェアタイプ含め、Airbnbにはもっと安い宿がたくさんありますが、家族で快適に過ごすには妥当な金額かなと感じています。レンタカーを借りるかどうかはまだ検討中ですが、駐車場も無料で貸してくれるそうです。
石垣島のホテルにも5泊滞在
せっかく沖縄に行くのですから、時間を見つけて観光もしたいのが本音。数年前にお仕事で足を運んだ竹富島が忘れられなくて、ふたたび訪れるチャンスをうかがっていました。星の形をした砂が見つかる星砂浜で、気持ち良さそうに寝転がっていた「しまねこ」たちにも、また会いたいなと思っていましたから。
条例で景観を守り、島全体で古き良き沖縄らしさを残す離島、竹富島。自転車で一周できてしまうほどの小さな島なのですが、さすがにAirbnbで見つかる宿はありませんでした(2016年11月時点)。かといって、かの有名な高級リゾート「星のや竹富島」に泊まれるほどの経済力もありません(でも死ぬまでに一度は泊まるぞー)。
そこで考え方を変え、お隣の石垣島に泊まることにしました。石垣島から船に乗れば、竹富島までたったの10分。時間を見つけて、いつでもふらりと竹富島に行けます。ちょうど港に近いホテルが見つかって、こちらはAirbnbではなくホテルの公式サイトから予約しました。石垣島マラソンが開催される土日前後は宿泊代が高騰していましたが、日程的にうまくずらすことができました。家族3人で1泊約10,000円、5日間の滞在を予定しています。
というわけで今回、宿泊にかかる費用はこちら。
沖縄本島:約8,000円×10日=80,000円+清掃費+Airbnb手数料
石垣島 :約10,000円×5日=50,000円
トータル:約150,000円
行きも帰りもLCCの航空券を予約
格安航空会社LCC(Low Cost Carrier)も、これまで一度も利用したことがありませんでした。安かろう悪かろうの偏見がなかったといえば嘘になるのですが、料金が格安なのは企業努力のたまものであり、運航に利用されている航空機の安全基準はLCCでもそうでなくても同じであると知ってからは、今すぐにでも利用したいと思っていました。
そこでまずGoogleで「LCC比較」とキーワード検索し、航空会社別に料金を比較できるサイトにアクセス。どの空港発のどの便がいくらで乗れるのかを横断的にチェックしました。比較サイト経由でそのまま航空券の手配もできましたが、少しでも安く購入したくて、最終的には各航空会社の公式サイトで手配しました(比較サイトの運営者さんスミマセン)。
それにしてもLCCの安いこと安いこと。たとえば成田から那覇までは、時期によっては片道5,000円台で行けます。都内から成田空港までの電車代やバス代を考慮しても10,000円でお釣りがくる計算。関西出身の僕は帰省するとき、東京駅から京都駅まで東海道新幹線を利用するのですが、前後の路線を除いた新幹線代だけでも片道12,000円はします。実家に帰るより沖縄に行く方が安いだなんて、一体どういうことでしょう。
それほど安いならばと、那覇行きの便は子供の席も確保しました。わが子はまだ2歳ですから、保護者が膝の上に乗せれば無料なのですが、成田から那覇まで3時間40分かかることを思うと、きちんと席に座らせてあげたいなと思いまして(席も狭いようですし)。ちなみに那覇と石垣島を往復する際は片道50分とのことで、この路線では膝の上に乗せることにしました。そして帰りは成田ではなく関空で降りて、ついでに関西の実家に立ち寄る予定をしています。
というわけで今回、空の移動にかかる費用はこちら。
成田→那覇(Peach)約9,000円×3席=27,000円
那覇→石垣島(ソラシドエア)6,000円×2席(子供席なし)=12,000円
石垣島→那覇(ソラシドエア)6,000円×2席(子供席なし)=12,000円
那覇→関空(Jetstar)約6,000円×3席=18,000円
トータル:69,000円
※座席指定手数料や空港使用料等の料金を含みます
※ソラシドエアは正確にはLCCではありません
レポートは1月末に詳しく
まとめますと、家族3人(幼児含む)が15日間沖縄に滞在するのに、宿と飛行機だけで230,000円かかる計算となりました。加えて食費(外食または食材を買って調理)や飛行機以外の交通費、手荷物を減らすために利用する宅配便の配送料、その他観光で使うであろうお金を見積もると、累計で300,000円は余裕で越えそうです。
もちろん都内で借りている家や事務所の家賃も同時期に発生しているわけですから、わが家のような一般家庭にとっては、それなりの出費であることは間違いありません。それでも「渡り鳥になることで得られるものがあるはずだ」と信じ、年が明ければ機上の人になります。
今回実施する「沖縄渡り鳥」の様子はTwitter(@513MHz)でもつぶやきますので、ぜひフォローしてください。もちろん帰宅後は本欄で「どんな15日間だったか」をみっちりレポートしたいと思います。
では、行ってきます!
文:松岡厚志
1978年生まれ、ライター。デザイン会社「ハイモジモジ」代表。主な移動手段は電車と自転車。バイク並にタイヤが太い「FAT BIKE」で保育園の送り迎えを担当し、通りすがりの小学生に「タイヤでっか!」と後ろ指をさされる日々。
イラスト:Mazzo Kattusi
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