仕事でついつい出てしまう「悪いクセ」をやめる方法
「こんなことじゃダメだ!」とわかってはいても、ついついやってしまうこと、誰にでもありますよね。そんな悪い習慣は、今年限りで断ち切りましょう。
そこで、ついやってしまいがちな悪習慣・クセについて、「やめる」「変える」ためのノウハウをご紹介します。
教えていただいたのは、著書『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』が2010年ビジネス書大賞で1位に選ばれた実績を持つビジネス書作家・美崎栄一郎さんです。
デスクの周りがゴチャゴチャになる
<こうしてやめる!>
デスクの上に積み上げられたもの、引き出しの中にあるもの、すべて段ボールか紙袋にどーんと入れてしまいましょう。一旦、目につかないところに押しやれば、とりあえず今やるべき仕事の処理スピードが上がります。
必要なものがあればゴソゴソあさって探してください。探すのに時間がかかる、と思うかもしれませんが、デスクがゴチャゴチャなら手間はさして変わりません。
そうして1週間放置してみると、その箱や袋にほとんど触っていない=それらは必要なかったことに気付くでしょう。こうして定期的にリセットし、必要なものを都度取り出す作業を繰り返すうちに、本当に必要なものだけが残っていきます。
なお、残ったものをデスクに戻すときは、100%きっちり詰めないこと。80%のキャパまでしか入れないようにして、次のものが入ってくる余地を残しましょう。
やる気が起きず、仕事にとりかかるのが遅れる
<こうしてやめる!>
モチベーションが上がらない仕事になかなかとりかかれず、ダラダラと過ごしてしまう。そんな自分への対処法は2種類。
1)「5分だけやる」と決めて、タイマーをセットして始めます。わずかな時間なら嫌なことも耐えられるもの。そうして5分やってみると、意外と調子づいてそのまま進めていけることもあります。時間制約があると「もうちょっと」となって、結果的にはかどることも。
やはり5分しか続かなかったら、楽しい仕事を30分やります。次は嫌な仕事をまた5分…というように進めてみましょう。
2)まずは自分の好きなことをしてモチベーションを上げてから気の乗らない仕事にスイッチしましょう。会社に入る前に5分間、ノリのいい音楽を聴くのも手。好きな仕事を先にやって気分が乗った状態で嫌な仕事に切り替えるのもいいでしょう。
ネットサーフィンに時間を費やしてしまう
<こうしてやめる!>
調べものをするためにネットを見始めると、気になるトピックが目について気付くと延々とネットサーフィンをしてしまう……。そんな自分をうまくコントロールする方法は「タイマーを使って時間を区切る」。
10分、20分など時間を決めて、携帯や時計のアラームをセットしてからネットにアクセスします。アラームが鳴ったらそこで区切りをつけましょう。
「まだ大丈夫」と後回しにしてしまう
<こうしてやめる!>
締め切りまで時間があるものについて、「まだ大丈夫」と後回しにして土壇場で慌てる。そんなことを繰り返している人は、完了までのスケジュールを小分けにしましょう。
3分の1終えるのが何日まで、10分の1終えるのが何日まで…というように。そうした小さな締め切りを手帳に記しておけば、進捗を意識し、その期日を目安に行動することができます。
締め切りが差し迫っている他案件があったとしても、少しずつなら合い間を見て進められます。小さな山をいくつも作るようにしてみましょう。
人の話をスルーしてしまう
<こうしてやめる!>
大切なことを聞き漏らすと業務に支障をきたしますし、せっかくの学びの機会を逸してしまうのはもったいないことです。人の話をちゃんと聞かない人は、心のどこかで「聴く価値がない」という意識があるのかもしれません。
そこで、「嫌な人から10個学びを見つけるゲーム」をしてみましょう。嫌いな人、苦手な人の優れた部分を探してみるのです。「判断が遅い課長」→「思慮深い」、「言い訳が多い同僚」→「保身に長けていて想像力がたくましい」といったように、短所を長所に置き換えてみてもOK。
「どんな人からでも学べることがあるな」という意識を持てれば、相手の話に素直に耳を傾けられるのでは。これを習慣化できれば、話の内容をいくらでもポジティブに変換していけます。
つい言い訳を考えてしまう
<こうしてやめる!>
言い訳って、かなり高度な知恵を使いますよね。遅刻したのは単なる寝坊なのに、電車を遅らせてみたり、家族を病気にしたり、別のトラブルを作ってみたり……。ましてや仕事がうまくいかなかった言い訳としようとすると、さらに複雑な思考をすることになります。
どうせ頭を使うなら、建設的に知恵をしぼってみましょう。
「だって…(言い訳)」の言葉が出そうになったら「じゃあ…(カバー・改善のプラン)」に切り替えてください。過去に起こったことをとりつくろうのではなく、「これからできること」に目を向けましょう。
目の前にきた仕事を何でも自分でやってしまう
<こうしてやめる!>
責任感を持つことは大切ですが、抱え込みすぎてキャパを越えてしまったり、後輩が育たなかったりする弊害もありますよね。
仕事が発生したら、「この仕事、誰ならできるか」を考えてみてください。重要なのは、実際に任せるのではなく、誰に任せられるか想像すること。自分がやった場合と、頼んだ相手がやった場合の完成度、時間、効率を考えてみるのです。こうして「レベル感」をつかむことが大切です。
「自分以外でもできる仕事」を見極めたら、それは人に任せ、その分自分はもっとレベルの高い仕事にトライしていきましょう。
人と比べてしまう
<こうしてやめる!>
同僚と自分を何かと比較して、「自分はできない」と落ち込んだり、優越感を持ったり。そんなことは無意味だと気付き、虚しくなってしまうことも。
人と比較しそうになったときは、目線を変えて「過去の自分」と比較してみましょう。過去の自分を振り返り、そのときよりできていること、できていないことを考えてみるのです。そして過去の自分を超えることを目標に置いてみてはいかがでしょうか。
―― 悪い習慣は今年で断ち切り、年明けからさっそく「いい習慣」づくりを実践してみてはいかがでしょうか。
美崎栄一郎氏/商品開発コンサルタント、ビジネス書作家、講演家1971年、横浜で生まれ大阪で育つ。大阪府立大学大学院工学研究科を卒業後、花王株式会社で約15年勤務ののち独立。花王時代は、日用品や化粧品ブランドなどの開発に携わり、プロジェクトリーダーとして自社のリソースと他社とのコラボレーションを推進した。
プライベートでは、社外の社会人向けに勉強会や交流会を多数主催。1000名以上のゆるやかなネットワークを生む。異業種でも多くの人脈を持っているため「スーパーサラリーマン」と呼ばれた。
著書『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)は2010年ビジネス書大賞第1位を獲得。ほか、『会社って楽しい?』(ビジネス社)、『「結果を出す人」の仕事のすすめ方』(アスコム)、『成果を生む人が実行している朝9時前のルール』(大和書房)、『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか 実践編』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『こんどこそ!やめる技術』(あさ出版)『Facebookバカ』(アスコム)など。
EDIT&WRITING:青木典子
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