「野生の研究者」たち多数参加 ユーザー参加型研究「ニコニコ学会β」開催

access_time create folder生活・趣味
吉崎航さんが発表した「V-sido(ぶしどー)」

 東京・六本木のニコファーレで2011年12月6日、ユーザー参加型研究をおこなう「第1回ニコニコ学会βシンポジウム」が開催された。同シンポジウム中では、有識者のほか、公募で集まった研究発表者が登壇する時間も設けられ、ロボットの操縦を研究する吉崎航さんによる倒れないロボット操縦システムが「野生の研究者大賞」を受賞した。

 ニコニコ研究会は、ニコニコ動画などに代表される、ユーザーが創造活動に参加することで盛り上がる「ユーザー参加型コンテンツ」の考え方を基に、ユーザーと学会、ビジネスを繋ぐ「ユーザー参加型研究」の価値を追求するというもの。「ニコニコ学会β」は、その研究発表と研究者の交流の場として位置づけられている。

 ユーザー参加型コンテンツに関わる企業や研究者の発表・議論が行われるなかで、「ユーザー参加型研究」にとても近いかたちであったとも言えるのは、「研究してみたマッドネス」と題された第5部。これは、自薦他薦で集まった総勢約30名が各自の研究発表を行い、審査員と視聴者の投票によって「野生の研究者大賞」を決めるもの。

 今回大賞を受賞した吉崎さんが発表した「V-sido(ぶしどー)」は、ロボットを思い通りに操作する感覚を実現しながら、ロボットが倒れないようにサポートをしてくれる操作システムのこと。システムが仲介して体勢が安定化されるので、バランスを保ちながら片足で立ったたり、棒を振り下ろしたりなどの緩急を付けた動作も実現できていた。
 
 「V-sido」を利用すれば、小さなロボットから大きなロボットまで操作が可能になると吉崎さん。野生の研究者大賞を受賞し、記念の「ダルマ」が贈呈されると、

「これ(ダルマ)も動くようにしてみます」

とロボット操縦研究者らしい粋なコメントをし、会場や視聴者から「おおおお」「かっけー」といった歓声を浴びていた。

◇関連サイト
・ニコニコ学会β オフィシャルサイト
http://niconicogakkai.jp/
・[ニコニコ生放送]吉崎航さんの「V-sido(ロボット)」発表から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv72478844?po=news&ref=news#6:52:57
・[ニコニコ生放送]大賞を受賞した吉崎さんの粋なコメントから視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv72478844?po=news&ref=news#7:16:21

(安田俊亮)

【関連記事】
“研究してみた”の世界を作る「ニコニコ研究会」設立
「演劇がロボット工学を発展させる」 大阪発の学際研究
東大生になったつもりで聴いてみよう 大学祭で「メディアの未来」連続講義
何か一つを学んだら「他の学問に浮気しなさい」 ノーベル賞科学者・益川氏
論文を上手くまとめるための「4つの言葉」

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. 「野生の研究者」たち多数参加 ユーザー参加型研究「ニコニコ学会β」開催
access_time create folder生活・趣味
local_offer
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。