打倒タント&N-BOX、次期スズキ スペーシアの挑戦

▲次期スペーシアも切り立ったウインドウを継承して、広いキャビンを受け継ぐに違いない。シンプルでスッキリとした味わいを押し通すか、それともインパクトの強い表情に変わるか、興味深い

▲次期スペーシアも切り立ったウインドウを継承して、広いキャビンを受け継ぐに違いない。シンプルでスッキリとした味わいを押し通すか、それともインパクトの強い表情に変わるか、興味深い

今度こそダイハツ タント、ホンダ N-BOXを倒したい

例の燃費不正問題により、スズキの新型車投入スケジュールに狂いが生じている。本来ならば、すでに発売されているはずの6代目ワゴンRは2017年初めに、次期スイフトも同年春へとデビューがズレ込んでいる。それに続いてデビューが予定されているのが、今回俎上(そじょう)に載せる2代目スペーシアだ。

現行モデルは、パレット後継車として2013年2月に発表され、広い室内空間とクラストップにあたる29km/Lのカタログ燃費(当時)、ワンタッチで開け閉めできる電動スライドドアで、ホンダ N-BOXや、ダイハツ タントに対抗しようと試みた。

しかし、2015年度の販売台数を振り返ると、N-BOXの約17万3000台、タントの約15万6000台に対し、スペーシアは約7万6000台と、倍以上の差がつけられている。ハスラーがヒットしたものの、スズキとしては、スペース系ワゴン市場で、ホンダやダイハツに水をあけられている状況を何とかしたいところだろう。

▲パレット後継車として2013年3月に発売された現行スペーシア。最新モデルには、ステレオカメラ式の衝突被害軽減ブレーキ、ジェネレーターで静かに再始動するSエネチャージが採用されている

▲パレット後継車として2013年3月に発売された現行スペーシア。最新モデルには、ステレオカメラ式の衝突被害軽減ブレーキ、ジェネレーターで静かに再始動するSエネチャージが採用されている

燃費と走行性能の改善が課題

巻き返しのポイントは軽量化だ。現行モデルは、コストのかさむ高張力鋼板をボディ全体の約42%(重量比)に使い、最軽量グレードが840kgをマークした。

一方、次期モデルには、アルトから展開が始まっている、新開発の軽量プラットフォームが適用され、さらに数十kg軽くなる見込みだ。最軽量モデルの車重は800kgを切る可能性もある。N-BOXの950kg、タントの920kgに対して、大きなアドバンテージとなるだろう。

軽量化のメリットは大きく2つ。ひとつは燃費向上だ。スペース系は車高が高く、前面投影面積が広くて燃費訴求には不利だが、軽量化でその分を補うことができる。最新モデルの32km/Lから33km/Lへの上乗せも視野に入っているはず。

もうひとつのメリットは走行性能のブラッシュアップだ。このカテゴリーで走りの良さが選択の決め手になるわけではないが、背の高いスペース系は、ピッチやロールもそれなりに大きい。現行モデルでも、低重心化にはかなり気をつかったというが、数十kg単位の軽量化が実現すれば、スロットルやステアリング操作に素直に反応するカタチで、走行性能は改善されるだろう。

▲スペーシアなどと同じ軽ハイトールワゴン市場でトップを突っ走っているN-BOXは、次期スペーシアより早く、2017年夏にも生まれ変わる。さすが大事な稼ぎ頭だけに、外観はキープコンセプトのままリニューアルされるだろう

▲スペーシアなどと同じ軽ハイトールワゴン市場でトップを突っ走っているN-BOXは、次期スペーシアより早く、2017年夏にも生まれ変わる。さすが大事な稼ぎ頭だけに、外観はキープコンセプトのままリニューアルされるだろう

エクステリアデザインをどうするのか

デザインは一番の悩みどころかもしれない。現行モデルは、メッキパーツを控えて上質かつ、シンプルなイメージを打ち出したものの、押し出しの強いマスクがマーケットで好まれる傾向は否めない。

既存ユーザーに配慮してマイルド感を維持するか、ライバル車に対抗して顔つきをアグレッシブに仕立て直すか。ユーザーならずとも気になるところだ。

次期スペーシアのデビュー時期は、2018年前半とみられる。このタイミングだと、2017年秋の東京モーターショーに、参考出品される公算が大きい。スズキは、モーターショーで投入間近のモデルを公開する傾向が強く、会場では実際に触って座ることができるかもしれない。

※2016年12月5日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】

■予想発表時期:2018年1月

■全長×全幅×全高:3395×1475×1730(mm)

■搭載エンジン:660cc 直3text&photo/マガジンX編集部

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