“普通の人が成功する方法”の方が“天才が成功する方法”よりはるかに売れる

fromdusktildawnの雑記帳

今回はfromdusktildawnさんのブログ『fromdusktildawnの雑記帳』からご寄稿いただきました。

“普通の人が成功する方法”の方が“天才が成功する方法”よりはるかに売れる

“天才が成功者になれるノウハウ”なんて、ほとんどの人にとっては価値がない。ほとんどの人が必要としているのは、“ごく普通の人が成功者になれるノウハウ”だ。

「普通の女子大生がなぜ、Google+で「日本一」になったのか」」 * という記事が人々に人気が集まった理由の一つは、“普通→成功”というパターンのストーリーだからだ。

* :「普通の女子大生がなぜ、Google+で「日本一」になったのか」 2011/11/21 『nanapi web』
http://ulog.cc/xa/nanapi/topics/10879

“普通→成功”だからこそ、「あわよくは自分も」という下心をくすぐることができるので、人々はそれに興味を引きつけられるのだ。これが“天才→成功”というパターンだったら、この記事の魔力は半減してしまうだろう。

同様に、なにがしかの成功者が、自分の体験談をベースに“成功する方法”を書くとき、過去の自分が“普通”だったと強弁する傾向にある。天才でも何でもない“普通”の自分が、“この本に書かれている方法”を実行することで成功できたのだ! という話にしてしまう。

そうすると、読者は「あわよくば自分も……」と思うので、その本に読者を引きつける磁力が発生することになる。ありがちなマーケティングテクニックだ。

そして、自分が“普通”だったのかどうかは証明も反証も不可能だから、この強弁は、あながち詐欺と言い切ることもできない。昔の自分に才能があったのかなかったのかなんて分からないし、たとえ才能があったとしても、その才能のせいで成功したのか、それとも才能はあったけれどもその才能とは関係なく“その方法”のおかげだけで成功したのか、そんなもの、証明も反証もできはしないのだ。

そして、過去の自分が“普通”だったと強弁すると、実際には才能があってもなくても、どちらに転んでも得になるような、巧妙な構造になっている。才能があるのに「才能のない自分でも成功できた!」と書いたとしたら、“謙遜”していることになるから、その場合、人徳があるということになり、人々の反感は買わない。

ほんとうに才能がなくて成功した場合“普通の人間である自分でもこのやり方で成功できた”という主張に説得力が増すことになる。

そして、このマーケティングテクニックを常とう手段として、ライフハックや成功術の記事を書いてアクセスを稼ぐ、典型的な人物が、「普通の女子大生がなぜ、Google+で「日本一」になったのか」という記事が投稿されたサイトを運営する会社の社長であるのは、わりとよく知られた事実ではないかと思われます。

執筆: この記事はfromdusktildawnさんのブログ『fromdusktildawnの雑記帳』からご寄稿いただきました。

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