当たり前だけど大切にしたい「お金を貯める」ための考え方

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前回に続き、『ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣』などの著書を出している不動産投資家の星野陽子さんに「お金」との向き合い方についてお伺いしました。今回は星野さんが「後悔した20代」を振り返り、「20代のころに確実にやっておくべきだったと感じる3つのこと」について紹介していただきます。f:id:k_kushida:20161018103225j:plain

「お金」のことは、待っていても誰も教えてくれない

私も含め、多くの人はこれまで、学校などで「お金」について何かを十分に教えてもらった経験がないと思います。社会に出て自立していく過程で、「お金」に関する知識は必須なのに、どういうわけか学校では、あまり教えられないのです。

しかし、「学校で教えてもらってないからわからない」と嘆いてばかりもいられません。こうした「お金」にまつわる知識、考え方は自分自身で身に着けていかなければなりません。

私自身、こうした知識や考え方を身に着けるのにとても苦労しました。と言いますか、最初の方は全く知識がなく…「お金」を無意識に無駄にしてしまうことも多々ありました。

20代会社員だった私は、ブランド物の服やバックを次々に購入していましたし、深く考えることもせず「付き合いは大事、人脈が大事」と自分に言い聞かせては、飲み会などにしょっちゅう足を運んでおりました。また、「将来のために、自分に投資しなくては!」とこれまた深く考えることもなく自己投資と称して30万円を払って英会話教室に通い始めたり……きちんと通っていたならまだしも、仕事やデートで忙しくなるとサボり気味になっていったり……しかも「自分で払ったんだから、誰にも文句は言わせない!」とよくわからない開き直りをしてみたり……とにかく今振り返ると残念なことばかりです。しかし、意外に、こういった生活をしてしまっているという人は多いのではないでしょうか?(ちなみにこの記事の編集者も、私と全く同じような生活をしていたとのこと。20代の社会人になったばかりの方はこんな感じの人が、もしかすると多いのかもしれませんね…)

そんな私でしたが、前回の記事にも書かせていただいた通り、ユダヤ人と結婚して、「お金」についての考え方が180度変わりました。まず、お金を使うときや、物事を進めるときに「深く考える」ことを学びました。飲み会にしても、英会話にしても、仕事にしても、これまでいかに自分が「深く考えること」をせずにいたのかを思い知るきっかけとなったのです。また他にも、お金にまつわる知識をしっかりと身に着けることができましたし、倹約に対する姿勢も備えることができたように思います。義理の父が不動産投資で成功していたことをきっかけに、私自身も不動産の勉強を始めることにしました。日々の生活におけるお金の使い方から、資産運用に関することまで、それまでの私では考えられないくらいに、しっかりと学ぶことができたような気がします。

その結果、今では6億円の収益不動産を持ち、年6000万円の家賃を得ることができるようになりました。今は離婚をしてしまったのですが、私の考え方を転換させてくれた元夫に感謝をしています。

そして今、私はこんなことも思っています。「タイムスリップして、20代のころの私に、『お金』のことをもっとしっかり考えるよう忠告したい」と。

大変前置きが長くなりましたが、今回は、私がもし今のような「お金」に関する知識や考え方をもっていたならば、20代のころに何をやっておくべきだったか、考えておくべきだったか、ということについて3つ紹介したいと思います。私はユダヤ人の夫と結婚して、「お金」について考えるキッカケを得ることができたという意味で運に恵まれていると思っています。しかしもし、そういったことがなければ…と思うとゾッとするのです。

紹介することはどれも当たり前のことですが、こうした「基本的な考え方」こそ私は大切だと思っています。20~30代のビジネスパーソンの皆様に参考になればと思います。

【その1】「給料天引き」でしっかりお金を貯めていく

書けばごくごく当たり前のことですが、実際にやっている人はそう多くないのではないでしょうか?人間は意志が弱いもので、「毎月●万貯める!」と目標にしていても、実際にはきちんと毎月貯め続けることは困難ですし、仕事がひと段落したり、うまくいったりすると「今日は自分へのご褒美!」とか言いつつ、人が引くくらいお金を使い、あげく後日冷静になってみて激しい後悔の念に襲われる…なんていうことは日常茶飯事だったりします。

「人は意志が弱い」ということを認めて、「給料天引き」の形式でお金を貯めるのが確実でしょう。「貯蓄の神様」と言われた本多静六氏は「月給の4分の1を天引き貯金」していたそうです。例えばこの「4分の1」を目標にしてみる、というのもいいかもしれません。

とは言いつつ、「若いうちは色んなことに積極的にお金を使えばいいんだよ!」という方もいらっしゃるでしょう。もちろん、それも正しい考え方だと思いますが、「若いうちだからこそ、しっかり貯める」ことを意識することも大切だと私は考えています。

その理由として、まず、「貯蓄の習慣」を身につけることができるためです。使うべきところとムダな出費について考えることが習慣化していき、「お金」に対して「深く考える」第一歩を踏み出すことができるでしょう。

またその他にも、「若いうちから貯め続けることによって、複利で大きく増やせる」というメリットもあります。確かに日本の普通預金の金利はほぼないに等しいのですが、外貨預金や投資信託の分配金、信用金庫の出資、生命保険の積立配当金など、比較的高金利で複利の恩恵を受ける機会は存在します。ただし、ここで強く申し上げたいのは、これらの金融商品についてはもちろん「リスク」が存在するということ。ここで詳しく説明すると、文字数が果てしないことになりますので、差し控えますが、しっかり「深く考えて」自分の資産運用をしていくことが求められるのは言うまでもありません。

若い時からきちんと貯めて、いざという時にきちんと備えることができる…というのは、誰もが目指したい姿ですよね。結婚する、子どもができた、キャリアアップのために留学したい、家を買いたい…様々なライフイベントにおいて、まとまったお金がきちんと手元にあるという状況を作れるためにも、若いうちからコツコツ、天引きでお金を貯めてみることをオススメします。

【その2】支出内容をきちんと把握する

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はい、これまた当たり前じゃん!という方も多いかもしれませんが、しっかり把握されていない方、これまた意外に多いのです。天引きである程度貯金に回せたら、今度は支出についてきちんと把握していきましょう。

例えば、まずは「3ヶ月間、記録を付けてみる」ことから始めてみてはいかがでしょうか。「習慣化」するのにも、また、今の状況をきちんと把握するためにも、3ヶ月間はとりあえずやってみることが必要です。今は様々な家計簿アプリが存在します。レシートを写真でとれば、金額が自動入力されるものなどもありますので、かなり記録を付けることに対するハードルは下がっていると思います。

それでも面倒だと思われる方は、クレジットカードの使用により自動で明細を記録する、という手もあります。クレジットカードで使いすぎてしまう方もいますので強くオススメするわけではありませんが、支出内容を把握するという意味では、自分で記録する面倒がないのでいいと思います。話が変わってしまうのですが、クレジットカードを使えばポイントやマイルが貯まりますので、これはこれでお得です。飲み会の立替などで賢く(若干セコイですが…)貯めてはいかがでしょうか?

また他にも、用途別に現金を分けて管理する、という方法もあります。自分に合った方法でまずは、支出の内容をきちんと自分で把握するということを初めてみてはいかがでしょうか?

【その3】支出を見直し、節約できるポイントを探る

支出内容がきちんと把握できたら、その中で見直せるところがないか、考えてみましょう。そのときのコツが、支出を「固定費」と「変動費」の2種類に分けて考えてみること。そのうち「固定費」の支出を抑えることで、大きな効果をもたらすことができます。例えば、こんな点について見直してみてはいかがでしょうか?

◆家賃

すでに部屋を借りている人は、相場と比べ家賃が高い場合には減額の交渉に応じてもらえる可能性があります。

これから部屋を借りるという方は、自分が所属している会社などに、「家賃補助」などの福利厚生があるか調べてみてください。また場合によっては、敷金・礼金・更新料がかからない部屋もありますので、事前に調べておくことをお忘れなく。そもそも、敷金・礼金ってなんだろう?という方もいるかもしれませんね。「敷金」は原状回復費用を差し引いたものが返還されますが、「礼金」は基本返金されない場合が多いです。こういうこともしっかり知っておきましょう。

入居者が多い繁忙期を避けてその後に借りる、というのも支出を抑える一つの手です。家賃や敷金・礼金の交渉が有利に進められる可能性もありますし、引越代金を安く抑えられることもあります。

◆電気代

意外と見落としがちなのが、電気代。今の生活状況を見直して、アンペア数を小さなものに変えてみるだけで月々の基本料金が抑えられます。

◆携帯電話

大手キャリアを使っている方は、そのメリットを整理してみてください。家族割など、洗い出したうえでメリットが大きい場合にはそのままで構いませんが、場合によっては、今話題の格安スマホに変えることで支出が抑えられるかもしれません。

◆保険料(主に生命保険や医療保険について)

自分でどの保険に入るかを選ぶのは難しいと思います。大切なのは中立の立場の専門家(例えばファイナンシャルプランナー(FP)など)にアドバイスをもらうことです。また自分のライフプランに合わせて、入るべき保険を選択することも重要です。例えば私の場合だと「自分が死んでも路頭に迷う人がいないので死亡保険は必要ないかも?」などとよく考えて、必要な保険だけに絞って入る…ということをすると思います。

ここまで、非常に当たり前と思われるかもしれませんが、「お金」をきちんと貯めるために大切にしたいことを挙げてきました。ただし、節約や貯蓄に夢中になって、交友範囲を狭めたり、自分への投資を怠ったってしまっては本末転倒。あくまでも「お金」について「深く考える」という姿勢が大切であるという話です。なかなか普段考える機会がないかと思います。これを機に少しばかり時間をとって考えてみるのはいかがでしょうか。

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星野 陽子(ほしの ようこ)

著者。ユダヤ人富豪の義父に学び、自らも6億円の不動産資産を築いた不動産投資家という顔も持つ。(外資系メーカー、外資系銀行を経て、フリーランスの在宅翻訳者となる。オンラインサロン主宰: https://synapse.am/contents/monthly/yym)


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