「デキる」「頼れる」と思われたい! 上司を「サポート」する仕事術

「上司や先輩のサポートばかりで、なかなか責任ある仕事を任せてもらえない…」

そんなもどかしさや不満を感じてはいませんか。または、「サポート役として、上司からもっと頼られたい」と感じている人もいるのではないでしょうか。仕事でステップアップを目指すのであれば、「サポート役としての仕事ぶり」で評価を上げることが大切です。

そこで、トップエグゼクティブの秘書として「一流のサポート役」の技を磨き上げ、現在は人材育成コンサルタントとして活動する能町光香さんに、「サポート役」としてキラリと光る仕事術をお聞きしました。

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まずは「サポート役」としての意識・姿勢を転換する

あなたは、サポートの仕事を「雑用係」や「小間使い」のように考えていませんか? 言われたとおりにこなすだけで、誰がやっても同じだと思っているかもしれません。

しかし、サポートという仕事は、とらえ方次第でとてもクリエイティブな仕事になります。そのクリエイティビティは、あなたのオリジナルであり、誰かが作った既存のマニュアルではありません。あなたの「創造力」を活かすことを意識してみてください。

つまり、言われたことだけそのままするのではなく、自分で考えて、独自の工夫をプラスアルファするのです。そうすれば、「ぜひ君に頼みたい」「君でなければならない」と言われる存在になれます。評価されるような独自の工夫ができるようになるということは、ビジネススキルそのものが高まっているということ。「ワンランクアップの仕事を任せても大丈夫そうだ」「1人でやらせてもできるだろう」という信頼を獲得することができるでしょう。

そして、「フォロワー(後に続く人)」ではなく「パートナー」という立ち位置に行くことを目指してください。パートナーとは、上司や先輩の「頭脳(ブレイン)」となる人。周囲の人たちと協力し合いながら、上司のマネジメントを楽にすることを考え、上司と一緒にリーダーシップをとりながら仕事を進めていける人です。

上司があなたを「部下」「アシスタント」ではなく、自身の「パートナー」という目で見るようになれば、より幅広い仕事を任せられるようになり、組織での存在感が高まるはずです。

「上司のマネジメントを楽にする」3つの行動

上司のマネジメントを楽にするというのは、つまり上司の仕事がスムーズに、快適に進むようにするということ。それによって上司のストレスが軽減されれば、職場の雰囲気が明るくポジティブになり、あなた自身も楽しく仕事ができるでしょう。

では、上司のマネジメントを楽にするためには、どうすればいいのでしょうか。

普段意識しておきたいのは、次の3点です。

●イニシアチブをとる

「主導権をとって行動する」ということ。「サポート役なのにイニシアチブをとる?」と矛盾を感じるかもしれません。しかし、ビジネスのスピードが速い昨今では、自分自身で判断し、主体的に取り組む姿勢は欠かせません。

上司の指示をそのまま実行することで、それより大切な業務が滞ってしまうことも。全体の状況を見渡し、優先順位を主体的に判断することが大切です。

●先を読む

「ゴール(目的)」までに起こるであろうストーリー(事態)を予測し、それに備えた行動の準備をしておく力です。

例えば、「あの人の確認には時間がかかりそうだな。あらかじめスケジュールを伝えておこう」「この会議では、このポイントが問題になりそうだ。検討材料となる資料を集めておこう」といったように。特に、トラブルになるかもしれないことに対しては、想像力を働かせ、未然に防ぐ対策を考える習慣をつけるといいでしょう。

●問題をとらえ、解決に取り組む

上司や周囲で起きていること、課題や問題を「自分事」としてとらえ、その解決に向けて自ら考えてアクションを起こしましょう。

問題であると意識していながら、上司の指示を待っているだけではだめです。「こういうことを試してみませんか」など、積極的に提案してみましょう。

サポート業務の困った「あるある」に対処するワザ

上司や先輩のサポートを務めていて困ることには「定番」のパターンがあります。

そのときの対処のコツをご紹介しましょう。

●「ちょっとこれ頼む」→「ちょっと」で終わらない…

「ちょっと」のはずが何時間もかかって他の業務が滞ってしまう…なんてことは起こりがち。結果的に、上司や周囲の進捗を遅らせることにもなります。

優秀なサポート役は、言われたことに対して「はい、はい」と鵜呑みに行動せず、「全体最適」を考えます。「期限に間に合わせ、もっとも効率的に遂行するために、どんな方法があるのか?」を探りましょう。

同様に、「これ、早めにね」と言われても、実際のところそれほど緊急な用件ではないこともあります。重要度合や締め切りを確認して優先順位を付け、ときには「断る」「後回しにさせてもらう」ことで、結果的に自分の仕事もプロジェクトもスムーズに進むものです。

もちろん、ただ断るのではなく「まずこちらを優先したい」など、効率よく回すやり方を提案しましょう。

●「あの人に確認とっておいて」→ 連絡がつかない…

上司から「あの人に確認をとっておいて」「あの人に話をつけておいて」などと指示される場面も多いのではないでしょうか。

しかし、相手となかなか連絡がとれない、メールを送っても返ってこない、といったこともありますよね。連絡をとる相手がある程度決まっているなら、その人の「行動パターン」を把握することに努めてみてください。

「デスクにいるのは何時頃か」「メールチェックはどの頻度で行っているか」「電話がつながりやすいのはどのタイミングか」「ランチをとるのは社内か社外か」など、知ることができる範囲で、情報収集をしておきます。本人に聞いても、相手の部署のメンバーなどに聞いてもいいでしょう。

確実に連絡がとれる時間や方法をつかんでおけば、自分の作業のムダも省けます。

●「資料集めといて」→ いろいろありすぎてどれを選んでいいのか…

「○○に関する資料を集めといて」と言われたものの、ネットで検索してみると膨大な量が…。こんなとき、検索トップに挙がっていた情報を適当にピックアップしてお茶を濁す、なんて人もいるかもしれません。

こんなときは、「使う目的」をしっかり確認しましょう。お客様へのプレゼンに使うのか、社内稟議に使うのか、企画の参考にするのか、など。目的や使用シーンを正確につかむことで、適切な資料を提供できます。また、相手が期待している情報の「質」「量」についても確認しておきましょう。

●「議事録とっておいて」→ メモがおいつかない…

会議中、全員の言葉を書き記していると、スピードについていけないこともあります。

そんなときは、会話の中から「キーワード」を拾うことに注力してみてください。

キーワードを羅列していくだけでも、要点が十分にまとめられていることもあります。それをベースに、後で時間があるときに文章化しましょう。

―― ぜひ「言われたことを確実にやっておけばいい」から一歩進み、自分なりの工夫と行動をプラスしてみてください。

能町光香氏

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株式会社リンク CEO /人材育成コンサルタント

20万部『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』著者として著述活動をスタート。

10年間、一流企業のトップエグゼクティブたちを補佐してきたエグゼクティブ秘書として、秘書業務に留まらず、組織改革・ファイナンス・人事採用など様々な企業内プロジェクトの成功をサポートすることで組織成長に貢献してきた。その経験をもとに、2013年に独立。「一流秘書養成スクール」を立ち上げ、マネジメント層の右腕となり活躍できる一流秘書の養成に注力するとともに、本の執筆や講演、企業研修を行っている。

公式ホームページ:http://www.link2u.co.jp/

EDIT&WRITING:青木典子

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